第24話:叫び
梨佳は、春と別れるとすぐ駅まで走り電車に飛び乗った。
どうしよう、春ちゃんに気づかれたかも。
あんなモノを見たからだ、だからつい…。
梨佳は、どうか春が何も気づかないようにと願った。
駅から家までは、ひたすら走った。
そしてたどり着いた家の外から中の光を確認する。すると、どの窓も真っ暗だった。
(良かった、お母さんまだ帰ってない)
こんな涙でぐちゃぐちゃの顔見せたら心配させてしまうところだった。
急いで、玄関の鍵を開けそのまま自室へと飛び込む。
そしてパソコンの電源を入れた。
「早く、早くしてよ!!」
パソコンデスクを叩きながら立ち上がるのを待つ。
いつもなら何でもないこの時間が、永遠に続くような錯覚にとらわれる。
梨佳は、祈るようにその時間を待った。
そして立ち上がった直後、メールボックスを開く。
しかし、そこに目当てのものは無かった。
「ど…どうして?…何で? 何でこないのよ!!」
梨佳は、悲鳴とも泣き声とも取れる叫びを上げ、それをきっかけにせきを切ったように泣き出す。
ナンデメールヲクレナイノ?
ナンデソバニイテクレナイノ?
ナンデアタシヲヒトリニスルノ?
ナンデアタシハメールヲスルノ?
ナンデアタシハウケイレラレナイノ?
ナンデアタシハコンナニオクビョウナノ?
ナンデアタシハ………
梨佳に突き付けられている現実を、まだ彼女の心は受け入れる余裕がない。
……いや本当にそうなのだろうか?
本当に受け入れられないのだろうか?




