第17話:真実は何処に?
昨日の勇気の言葉を夏樹は信じることが出来なかった。
(勇気が悪い人じゃないことは分ってる。でもいくら短いとは言え私なりに勇気が嘘をついていることくらい分るよ…………)
そして夏樹は思いたったのだ、勇気が答えてくれないならそれを知っている他の人に聞けばいい。
だから今、夏樹はいる。勇気の実家、つまり熊さんの実家でもあるここに。
もう一度覚悟を決めると夏樹は思い切ってインターホンを押す。
ピンポーン。
「はい? どちら様?」
インターホンから聞こえたのは優しそうな中年の女性の声だった。多分、二人の母親だろう。
「あの、佐々木 夏樹と申しますが。あの元気さんのことでお聞きしたいことが…………」
その女性は夏樹の言葉が終わらないうちに玄関から飛び出して来た。
「もしかしてあなたが元気の彼女さん?」
「いえ、違います。彼女は私の親友です」
「…………そうなの。ごめんなさい、びっくりしたでしょ?」
「いいえ、あのお話を伺いたいんですけど」
「どうぞ、中でゆっくりと話ましょう」
夏樹は女性に勧められて一階の和室へと通された。そして座った時、ある物に気付いた。
「これって…………」
言葉を失う夏樹に女性は、ゆっくりと話だした。
その頃、部室では勇気と梨佳が次の学内展示会に飾る写真を選んでいた。
「ねぇ、これなんかどうかな?」
「おっ、いいんじゃない」
二人でああでもない、こうでもないと話していると梨佳はあることに気が付いた。
「ねぇ、なっちゃんは?」
「ああ、今日は用事があるからって。でも明日は来るってさ」
「ふーん」
梨佳は、内心首を傾げながらも、引き続き写真選びに戻る。
と、その時勇気の携帯が鳴る。音が短かったとこをみるとメールらしい。
「梨佳、俺ちょっと出るから。戻って来るからこのままにしといて」
勇気はそう言うと梨佳が返事を返す前にあっという間に部屋から出て行ってしまった。
「なっ、何?」
梨佳は、驚きながらも作業を進めることにする。
しかし、数分後すぐに集中が切れてしまったので休憩を取ることにした。
そしてお茶を取ろうとバッグを探っていると1冊のアルバムが目に入り取り出した。
そのアルバムは、今朝になって母から手渡された物だった。
そしてその時された提案に梨佳は驚かされてしまったのだ。
(何で急にこんな事を言い出すのかな…………)
母からの急な提案は、『父の写真集』を自費出版することだった。
夏樹の苗字だしてませんでしたよね?確か・・・・・。
春は出してたけど。
ラストが見えて来ました。
もう少し、お付き合いいただければと。




