第14話:写真
あれから自宅に帰るとドッと疲れが押し寄せてきた。
思ってたより緊張していたみたいだ。
何はともあれ、なっちゃんに報告しなくては。
梨佳は、バッグから携帯を取り出すとメールを打つ。
TO:なっちゃん
Sub:偶然に恐怖?
なっちゃん、聞いてよ!まじにビビりました
例の部室に入会手続きに行ったら、そこにはクリスマスに会った、元ちゃんの弟さんがいたの。
こんな偶然は嫌だ〜(泣)
梨佳は、メールを送信すると、コタツに潜り込んだ。 しばらくゴロゴロとコタツの中で動いていたが何かを思い出したらしくのろのろと立ち上がる。そして和室の押し入れを開けると、何やらゴソゴソと探りだす。
そしてお目当てのダンボールを見つけ奥から引っ張り出した。
「うぇ。埃すごすぎだよ」
台所から布巾を持って来て軽くふく。そして封をそっとはがした。その中には父が昔撮った写真やネガが入っていて一番下にはカメラがあった。
父は、何台かカメラを持っていたがこれはその中でも梨佳達家族にとって思い出深い品である。このカメラは、家族を撮る専用機だった。と言ってもプロが使用する物なのでそれなりの機能はもちろん完備しているが。
梨佳は、カメラをそっと持ち上げるとケースごしにそろそろと触れてみた。
「うわぁ…なつかしい」
そっと一撫でした後、大切に床に置くと今度は一冊のアルバムを取り出した。
アルバムを開くとそこには一言書かれていた。
『始まりの日』と。
次のページには、両親の結婚式の写真が貼ってある。
早くに両親を亡くした父にとって母と結婚した日が自らの人生において最良の日になったのだ。
二冊目の始めには、『素晴らしい贈り物』と書いてある。
母があたしを妊娠してから出産までの記録写真になっていた。
三冊目は、父が亡くなるまでの家族写真。
母もあたしも笑顔だ。
元ちゃんと付き合うようになってから、父の残した写真を見ることが出来るようになった。
仕事で撮る風景写真とは違い、合間に撮るであろう人々の写真はみなどれもとびっきりの笑顔。
だからこそ、あたしも撮ってみたくなったのだ、笑顔を。
なんか恋愛というよりも主人公の成長話になっている気がする。




