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第12話:再会

 あたしは、元ちゃんからのメールの翌日から動きだした。


 ただ、待っていても損した気がするし、何かに打ち込んだほうがふいに訪れる心の葛藤に惑わされずにすむようだ。


 そんなあたしの変化に周囲はとまどいつつも応援してくれた。特に春ちゃんは梨佳ちゃんには負けていられないわと言い失恋のショックから立ち直ったようだった。


 「でもさ、梨佳。何で写真同好会?」


 なっちゃんはどこか心配気な顔をしていた。それはあたしの家庭事情を全部知るなっちゃんにしてみれば当然のことだった。


 「うーん、興味は前からあったよ。ただ、心の整理がついてなかったからそれには気がつかないふりをしてた。でも、元ちゃんに会って元ちゃんの写真を見てたらやりたくなった」


 あたしの中で写真イコール亡くなったお父さんだった。あたし達を置いて山で一人で死んでしまったお父さんに対しての怒りと悲しみの象徴で嫌な物。でも、元ちゃんとの出会いで気持ちに変化が出てくるようになった。

 今なら押し入れにしまい込んだお父さんの作品とも向き合える気がするのだ。


 「大丈夫。自分でも写真を撮ることであたしの中で止まってしまった何かをスタートさせることが出来るきがするんだ」


 梨佳のはにかむような笑顔と瞳にやどった強い光を見た夏樹は、安堵しエールを送った。


 「いいんじゃない?頑張りな」

 「うん」

 「ところで、うちの大学にそんなサークルあったけ?」

 「あぁ、最近出来たらしいよ。サークルの人は、違う学部らしいから」

 「・・・・梨佳、あんた一人で平気なの?」

 「不安はあるけど、やってみなくちゃ分らないじゃない?ということで早速入会届けを出してくる」

 「分った。夜にでも電話ちょうだい」


 梨佳は、夏樹と別れるとサークル棟へと急いだ。お昼の時間なら誰かしらいるだろう。大学の奥にあるサークル棟までくると少し緊張した。


 (ここに来るの初めてなんだよね………。よし、行こう!)


 サークル棟の二階の奥の部屋だと聞いていたのでゆっくりと階段を登りながら覚悟決める。

 そして、ドアの前に立ち、ゴクリと一度唾を飲み込むとドアをノックした。


 コンコン!


 「はい。どうぞ?」

 「失礼しまーす。………あの入会希望なんですけど………。えっ!?」

 「はじめ…………まして?」


 部屋にいた男性の顔を見た瞬間、梨佳は思わず声をあげてしまった。

 何故ならそこにいたのは、クリスマスに代理で待ち合わせ場所に来た元ちゃんの弟の勇気だったから。


 

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