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第ニ話

「じゃあ、もう一人のやつとは別れるんだな。今すぐ別れろ。それなら許してやるから。」

側にあった由実子の携帯をつかみ、さぁ、かけろという風に目の前に突き出した

それを見た由実子は目の前の携帯を右手で振り払った

「それはできないの。さっき言ったように、あなたも愛しているしあの人もあなたと同じくらいに愛しているんだもの。」

強い言い方だった

きっと嘘を言うような目ではないと思うのだが・・

それよりも、あの人という言い方が少し、気に障った

「どういうことだよ、それ。それじゃあ、そいつとも別れないし俺とも別れないって言うのか?」

「だって、二人とも愛しているんだからどちらかと別れるなんておかしいでしょ?そんなの、あたしも辛いわ。」

どういうことなのだろうか、どちらとも別れたくないというのは

普通、人を愛するということは単純に「好き」だ何だということだけでなく、その人を自分のものにしたい、またはその人のものになりたいということだ

まぁ、その他にも愛しているからこそ許せることというのもあるだろう

それにその愛する人の幸せを心から願う気持ちも「愛」に違いない

由実子の言うように本当に二人を愛しているというのは可能なことなのだろうか

一人を愛していれば、それ以上に異性を求めることもないだろうと思うし、愛しているのであれば、その相手への裏切りの行為としてしてはいけないことだと感じるのではないだろうか


男を何人も作る女は、いる

しかし、そういう女は本当に相手の男を愛しているわけではないだろう

愛していると言いながら、相手の懐を気にしている場合もあるだろうし、一人の男では気の済まないことなどもあるのだろう

特に、後者なんかの場合は、それはすでに愛しているのではなくただ指一本程度のぎりぎりの状態で繋がっているだけであって本当の愛ではない

その愛には、どこか隙間があるのだ

他に目を向けているところからもそう言えるだろう

そして、そういうときは少なからず相手に負い目を感じているはずだ

しかし、由実子はそうではない

逆に開き直っているような感じさえ窺わせるかのような言動だ

でも、俺にわざわざ話したということは少しでも悪いという思いがあってのことからなのだろうと思う

由実子は嘘を言っているようでもないが、一緒に二人を心から愛することは本当に可能なのか

一体、どうなのだろう


二人の話し合いは続く。この先、一体どうなっていくのか。

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