プロローグ
最終幕 開幕
ストーリーテラー視点
意識がボーッとする。思考が散らかる。
ぼくは……いつからこの力を手に入れたんだっけ?
ぼくは……いつからこの虚無の空間で世界を見ているんだっけ?
ぼくは……いつから人のために力を使うのが嫌になったんだっけ?
ぼくは……いつから人間をオモチャにして遊び出したんだっけ?
ぼくは……ぼくは?縺ェ繧薙〒縺セ縺?豁サ縺ャ縺薙→縺後〒縺阪↑縺?s縺??
ハッとする。どうやらまた頭がイカれていたようだ。賭けに出るため、如月 陽太の物語に幕を下ろすと決めてから、力を溜めきった影響がぼくの思考にまで影響を及ぼし始めている。長めに息を吐く。こういう時はまず落ち着け。落ち着いて頭の中を整理して、思い出すんだ。
ぼくがこの力を手に入れたのは今から3,000年前、村のやつらに飢饉を抑えるためと生贄にされた時だ。同時に、この何も無い空間で世界を見続けることになった。……そういえば、その時はこの空間もまだ真っ白だったっけ。
人のために力を使うのが嫌になったのは今から1,800年前、それまで人間が望むままに力を使って願いを叶えてきた。だけど都合が悪いことがあれば、人間はなんでもぼくのせいにする。ぼくは何のために生贄に選ばれ、1,000年以上孤独に耐えてきたのか……段々わからなくなってきた。この頃からぼくは、叶うはずのない願いを抱くようになった。それが叶うはずないと知っているから、いつしかこの空間は徐々に黒い闇が支配してきた。
初めて人間をオモチャにしたのは今から1,700年前、ぼくの力の一部を試しに適当な人間に与えてみた。すると面白いことに人間はどんどん欲深く、醜くなっていった。いい暇つぶしを見つけたぼくは、次に人間が力を使う度に代償を貰うことにした。そうしたら欲深く醜い人間は耐えきれなくなって、すぐに自害した。あんなに醜くなっていた人間が、こうもあっさり幕切れるなんて…………久しく忘れていた胸の高揚を抑えきれなくなった。まるで新しいオモチャを貰ったかのように。だけど、それから定期的にこの力……如月 陽太が言うところのセレクターだっけ?を数千人のオモチャに与えてみたけど、全員同じ結末を辿るつまらないヤツらばかりだった。ぼくが見たかった結末は、自ら命を絶つようなくだらないものじゃない。量産される屍の山に辟易していたが、ついに違う結末を見せてくれるかもしれない逸材、如月 陽太に出会うことができた。
ぼくが世界に干渉できるのは、如月 陽太を起点とした半径10km、それはどんなに力を溜めても変わりない。しかし、ここまで溜めた力を一気に解放したら、あらゆる事象に干渉することができる。それだけできれば、如月 陽太に如何様な試練を与えるには十分だ。
今はただ、じっと力を使うタイミングを見計らう。時々頭の中がとっ散らかりそうになるけど、さっきみたいに落ち着いて整理し、気を伺う。ぼくにとって最高の結末を迎えられる、その時まで。




