幕間その1 今夜は寝られなさそうですね(俺が)
翔視点になります。
だんだん翔が苦労人になってきました。
公園で小っ恥ずかしいやり取りをした俺たちは、張り詰めていた緊張の糸が解けたせいか腹が減ってきたので、遅めの昼飯ということで俺の行きつけのカレー屋に行くことになった。一応、回復(?)祝いということで俺の奢りで。カレー屋に行くことになった時、陽太は「えぇ〜、あそこのカレー屋のメニュー全部辛いじゃん!食べられないことはないけど、僕辛いのそんなに得意じゃないんだけど〜。」とかほざいていたが、知るか!全く連絡も寄越さないで、散々人を心配させたんだからこれくらいの罰は受けやがれ!……それに、さっき陽太が話してくれた通りだと、酸味だけわかりづらいって言ってたしな。カレーにも多少の酸味は含まれているだろうが、生憎とこの店のカレーは辛さの中にある旨味を売りにしている。ならばまだ美味しく食べれるだろうと思って来てみたが、どうやら正解だったようだ。一足先に食べ終わった俺は、未だにヒーヒー言いながら、でも美味そうにカレーを食べてる陽太に聞いてみた。
「そう言えば、先輩には言うのか?その力と代償のことを。」
「…………出来れば言いたくない……かな。まぁ、右目が見えないことは誤魔化せないし、何か言い訳は考えておかないといけないと思うけど。」
確かに、いくらオカルト好きな人とはいえ、先輩からしてみれば好きな相手がこれからどんどん代償を払う可能性があるってのは刺激が強すぎる話だよな。その場で卒倒するか、下手したらそのまま一生陽太にへばり付いて離れなくなるかもしれない。…………むしろ先輩的には離れなくなる方がいいのか?
「んで、詳細は言えないにしても、先輩にも謝るために会うんだろ?いつ会うんだ?」
「うん、明日の10:00くらいかな。」
「ブーッ!ゲホッゲホッ!はっ!?おまっ、明日!?ゲホッ!」
あまりにも突然の情報すぎて、思わず口にしていた水を吹き出してしまった。
「うん、先輩からRAINが100件くらい来ててすごく心配をかけてしまったなぁ〜ってことで、お詫びとして駅前のケーキ屋に行くことになったんだ。」
3週間ぶりなのと、今まで話してた内容が重すぎて完全に忘れてた。そうだった。コイツはいつもこんな風に唐突だった。
それにしても、先輩に対しては別の意味で心配になってきた。傍から見たら、どう考えても完全にデートだもんな。もう少し詳細を聞いたら、先輩の方から誘われたって言ってたし、今夜あたり我に返った先輩から、パニク状態になって俺の方に怒涛の勢いでRAINが来るだろうなと、そんな予感がした。…………帰りがけに眠気覚ましでも買って帰るか。




