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【完結済】伯爵令嬢は初夜で偽装結婚宣言される ~旦那様あなたなんて大嫌いです~  作者: 米野雪子


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12/20

旦那様の気遣いと妻の絶望




「彼女は、子供が好きなのだろうか…」


「はい?どうしました?旦那様」


「ああ、いや…マーガレットが、孤児院支援をしているだろう?」


「はい、大変ご立派な慈善事業です」


「それは勿論なのだが、子供を相手にしている時の顔が全然違うのだ。

 私が見たことない笑顔で、楽しげにしていた」


「奥様に直接お聞きすれば、いいのではないでしょうか?」


「彼女に?」


「はい。お二人は会話が、圧倒的に足りてないです」


「そうだな、仕事も繁忙期は過ぎたし、もう少し時間を作ろう」


遅い時間に帰宅して、紅茶を飲みながら家令と話していて、

彼女が子供が好きなら、甥に合わせるのもいいと思い当たった。

将来的に、この領地も譲渡し領主になる子だ。

彼女とも知り合いになれた方がいいだろう。




* * * * * * *




領地のことで相談があると、旦那様に朝食時言うと、

では、せっかくだから、たまに庭の東屋で茶会をしようと、

家令と組んで強引に約束を取り付けられた。

本当は行きたくなかったが、領地の話もしなくてはならない。

時間になり侍女を伴い東屋に向かうと、

旦那様と知らない子供が着席して待っていた。


「申し訳ありません。遅くなりました…」


「ああ、大丈夫だ。こちらが早く来すぎてしまった」


知らない子供は、旦那様の血縁なのだろう。

銀髪の碧眼でよく似ていた。並んでいると、まるで親子のよう。

旦那様は優雅に立ち上がり、その子供はピョンと無邪気に椅子から降りた。


「前に話していただろう?私の甥だ」


「はじめまして、ジュリアス・キール・アーディヴェルテと申します。

 叔父様の奥様に、お会いできるのを楽しみにしておりました」


「…はじめまして、マーガレットです」


「僕のことはジュリアスって呼んでください!」


「君は、子供が好きそうだったから連れてきたんだ。

 それに、将来的にここの領主にもなる子だから

 顔を合わせた方がいいと思ってね」


「そう、ですか…」



この人、


どこまで私を馬鹿にする気なの?



私に子供を持つなと言ったその口で、その原因の甥に会って欲しい?


どういうつもり?

子供を持てない私は、将来の領主に傅けと?


分かっている。


その甥っ子に罪はない。

これは、私たちの問題だ。


震える手と引きつる笑顔で、椅子になんとか着席した。


結果的に茶会は平和に終わった。

甥のジュリアス自身は活発で賢い子だったし、好感も持ったし楽しかった。

隣で満足げに微笑む旦那様以外は。


何とか住居建築の許可も無事もぎ取り、

私は自立計画を早めた。



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