5話:お酒の飲みすぎには、要注意?(前編)
今日も見事に朝日が部屋に差し込んでくる。
僕は昨晩から朝方にかけて、守護霊に怒られ、気が付いたら布団には入っていた。
ただ…ぜんぜん寝た実感を感じないまま起き上がると、
爺様が上下反転しながら真顔でこちらを見ていた。
「……………。」
肇「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁーーーー!!」
婆「なんじゃ?そこはじじぃーーって叫ばんのか!つまらんやつじゃの~。
じじいや!協力感謝するぞ。」
爺「ほっほほー!ええ反応しおるの~ 確かに癖になるわぁ~」
肇「はぁ…。はぁ…。はぁ…。ならなくて…いいですよ。{心臓に悪すぎる…。}
あなたは麻雀でもしててください。」
そう呟きつつも、改めて、爺様を見ると、肌着しか着ていなかった。
その時、全てが見えた気がした。そう。
{昨日も負けて婆様あたりから、身ぐるみ剝がされたんだろうなー。}
爺「ちゃう。キンタにぼろ負けしたんじゃ!!」
そう言いふと、キンタをみると、時代風景の異なるお札を扇状にして仰いでいた。
キンタ「賭け事で初めて買ったぁ!! これであいつにうまいものを食わせてやろう。
ああ、これで…これで家に入れてもらえる。」
ここに来る男性は権力がないと、どこか感じつつ、1日の始まりを迎えた。
肇「ねむい 寝たはずなのに寝た気がしない…。」
婆「そりゃそうじゃろ? おぬしの守護霊が夢の中でも説教していたのじゃからな。ハハハ」
{起きてる時も寝てる時でさえ説教? 僕の守護霊粘着質すぎるでしょ!!}
その時、鮮明に夢の中での説教の内容を思い出した。
肇「守護霊って夢の中ですら自由に入ってこれるんですね!(はぁ~ 眠い…)」
カンナ「違うよ? いくら守護霊でも、霊側と人間の思念が一致しない限りは、
たとえ夢であっても介入するなんてできないよ?」
肇「じゃぁ どうして婆様が僕が夢でもポチに怒られてると知ってるんですか?
それに…その思いが一致?したから夢でもでてきたんじゃ?」
婆「昨日のおぬしの状況で思念が合致なんて絶対にすることないじゃろ?」
カンナ「うちと婆様が協力して、意思を強制リンクさせちゃったからだよ~肇くん」
「………………。」
肇「いやいやいやいやいや。結局、婆様とカンナさんの仕業じゃないですか!!
どうしてくれるんですか!すごく寝不足なんですけど」
その場にいた全ての霊が
婆「今に始まったことじゃなかろう。」
カンナ「毎日ですよ?肇くん」
爺「いつもの事じゃろ?」
キンタ「きっと今晩も寝れないと思うぞ?」
{だめだこの家…睡眠不足で体調崩しそうなんですけど…。}
どこをどう見渡してもここには睡眠不足の元凶の姿がない…。
肇「そういえば ポチ? いや守護霊さんは?」
カンナ「あっちで寝てるよ~? いびき搔きながら爆睡中 起こすなって感じだね~。
肇「あなたはなんで寝てるんですか!!!いい身分ですね!! 本当に!
あぁぁぁ 羨ましな~!!」
カンナ「肇くん そう朝から起こってると、血圧上がりますよ~!
紅茶でも飲んでリラックスしましょ?一緒に…ね?」
肇「そういう…カンナさんも加担してるじゃないですか!!」
カンナ「え~ 何のことかな?(てへ」
そうとぼけながらも紅茶の準備をし、そのまま朝食の支度に入るカンナさん。
僕はしぶしぶ起き上がり、朝のルーティンを済ませてから食卓へ。
そして、本日の朝食は、
白ご飯 サンマ 卵焼き きゅうりの浅漬け 金平ごぼう みそ汁
和食朝食の定番だった。
僕は、そのメニューを見た瞬間。さっきまでのドタバタが0になるかのように
リセットされ、一気に空腹に襲われるそんな感覚を覚えた。
肇「いただきます。(ぱくっ!ん~) やっぱ日本人はこういうメニューに弱いな~。」
爺「あやつ 見かけによらず、中身はおっさんじゃの!」
婆「お前さんと年齢そんな変わらんかもしれんな!」
肇「うるさいな~。鼻をほじりながら言ってこないでください!!
ご飯くらいの呑気に食べさせるって気概はないんですか?」
2人は顔を見合わせて言う。
婆「あるわけなかろう。」
爺「すまんの!そんなものはありゃせんわい。」
その返しに内心楽しそうだなっと感じつつも、食事を済ませて
僕はバイトに行く準備をした。
カンナ「肇くん 今日はどんな予定なの?」
肇「今日は午前中スーパーのバイトをして 13時くらいから大学に行きます。
戻りはそのあといろいろ予定があるので、戻りは20時くらいじゃないですか!」
その一言にジジババブラザーズだけじゃなく、この場にいる霊が一斉に何かをたくらんでいることには、気づくこともなく、僕はバイトへ向かった。
スーパーのバイトは、割と僕が若いため、品出しや体力系の仕事は任されることが多く
レジでお客様対応をするよりも、裏方に回る時間がほとんどだった。
レジよりも体感する時間経過が早いから、僕、個人としてもそっちの方が性に合っていた。
バイトが終わり大学へ。
ある程度、講義をうけて、明日以降で自分が受けなければならない講義を確認していると、
「川瀬さん」
名前を呼ばれ振り返ると、陸の絶賛ターゲット認定中の新妹しずくさんだった
肇「あっ おはよう!って時間でもないね。」
しずく「お昼過ぎてますしね。ところで、昨日、山坂さんと一緒に居ました?」
肇「あ~あ、うん なんかデートがキャンセルになったとかで急に連絡が来て
その日、遊ぶことになったんだよね{すごく大変だったけど…。}」
しずく「ごめんなさい!それキャンセルしたの私なんです!!」
そういうと、経緯を話し始めた。
どうやら、あの暴走機関車は半ば強引にデートに誘ったらしい。
ただ、しずくさんはその気はさらさらなく、メッセージだけ入れて断った
そして、町でたまたま僕と陸を見かけて、巻き込まれたと思い謝罪したらしい。
{事実完全に巻き込まれたんだけどね…ハハハ}
肇「気にしないでいいよ。陸が強引なのは俺も知ってるし!
言ってしまえば、しずくさんは被害者だからね(笑)」
しずく「被害者って…ふふ。
そうだ。お詫びってわけじゃないんですけど、今度、ディナーでもご一緒どうですか?」
肇「僕は大丈夫だけど、こんなオタクっぽい陰キャな系男子誘って大丈夫?
彼氏に怒られたりしない?」
しずく「自分を悪く言いすぎですよ?それに陰キャや陽キャって部分では私も
性格は陰キャなほうです。ただ、見た目だけでもって思ってあか抜けてるように
見せてるにすぎませんよ。あと、彼氏はいないので安心していいですよ?」
そう言ってこちらに笑顔を見せるその姿に 陰キャな僕はドキッとしてしまうのであった。
肇「じゃぁ、お言葉に甘えて今度、一緒にさせてもらおうかな。」
しずく「はい。楽しみにしてるので、予定がわかったら教えてくださいね。
これ、ラインのIDです。待ってますね。川瀬くん!」
その呼び方に少し距離が近くなったのかなっと思いつつも
彼女の姿を見送った。
僕は用事を済ませて、帰宅するころには21時を回っていた。
帰宅すると、いつも以上に家の中が騒がしかった。
肇「さすがに騒がしいよー。近所迷惑だからさー。」
カンナ「大丈夫らよ?うちらの声が聴けるろは肇きゅんだけらから♡」
肇「そういう問題じゃなくて、暴れすぎって言ってるんです。」
「兄ちゃんたまにはいいじゃねぇ~の!男が細かい事言うもんじゃねぇぞ?」
そう言いながらこっちに近づいてくる現場作業員的な身なりをした男性。
{いや…誰だよ。当たり前に初めましてが毎日僕の家に出入りしすぎだからね!!}
カンナ「紹介しゅるね?肇きゅん(ひくっ…) こちら元さん!!すごくいい人らよ~♡」
肇「さっきも思ったんですけど、酔ってますよね?カンナさん」
奥から声がする。
「元ちゃん もっと飲むぞー 今日は宴会だー!!」
そうハイテンションな例はなんと!! ポチだった。
{俺の守護霊様 昨日も酒飲んでなかったけ?てか…みんないい感じの酔ってるし…。}
元「ほら、兄ちゃんも観た感じ…成人は超えてんだろ? 一緒に飲むぞ?」
肇「いや…僕 明日は朝から仕事があって…。今日はその…お酒飲めないんですよ…。」
オラオラ系の気迫と雰囲気に押し負け…。気づけば手にグラスとビールが…。
カンナ「はーい!肇きゅん おつまみ~♪おつまみ~♪」
婆「肇も帰ってきたんじゃ、わしも一肌脱いでポールダンスでもするかの~。」
肇「婆様 全力で遠慮します…。 ので、退場してくださーい!(ぱくっ。ごくごく。)」
爺「じゃぁ、ここはワシと婆さんで社交ダンスでもしようかの~?」
{だから、腰の曲がりあったジジババで社交ダンスって品目のチョイスがさ…。}
婆「うるさいの~。肇は!!そんなんだからモテんのじゃ!」
肇「余計なお世話だよ!!」
カンナ「この赤かぶのおつけもの おいしい~。安心していいですよ~
うちは肇きゅん大好きですから~♡」
その雰囲気に僕も知らず知らずにお酒を飲み進めていた。
婆「若けりゃいいんじゃろ? 若けりゃ!!」
そういうとジジババブラザーズの体が発光しはじめ、光の中から若い男女が現れる。
婆「これなら文句なかろうって!見てみて このタイタニックの主役のようなわしたちを」
{いやいやいやいやいや!見た目は若いけど、しゃべり方はそのままなの~!!
あと、タイタニックっとかやめて!!いろいろまずいから}
肇「たしかにこれなら見れるけど…それならさっきの…」
ふと、最後だけ声がこぼれた。
婆「なんじゃ、若いわしのポールダンスなら見たいんか?肇もやっぱり雄じゃの~!」
元「わっはは~ 酒はみなを素直にする!これがいい!
もっと素直になるがいいぞ。青少年!!」
肇「別に言ってませんから!! 僕 確かに見てみたいと少し思いましたけど…。」
カンナ「思ってるじゃん」
元「これはもう素直になるべきだ」
爺「がっつり思っとるの~!」
婆「それじゃわしも本当に一肌脱ぐかの!」
そう言って3時間はがっつり騒いだ夜だった。
その頃には、酒の力もあってか 守護霊様とも和解した。
ポチ「仕方がない!俺も早とちりなところはあった。今回は許そう!」
肇「それじゃ もう僕のところに戻ってきてくれますか?」
ポチ「それはダメだ!というより今すぐは嫌なんだ!」
肇「どうして?」
ポチ「ただ、ただ純粋に離脱している方が楽しいからだ。」
{なんで!? 守護霊の仕事ちゃんとしよー それは!!
あと、そんな犬の格好で酒バカバカ飲まれても脳内処理追いつかないってーー!!}
そして、いつの間にか霊のみんなも酔いつぶれ、眠りについていた。
その後、酔ったカンナさんが布団に入ってくる。
カンナ「体がね…。ちょっと…。」
肇「えーと、カンナさん僕、明日5時起きなんですけど…。」
カンナ「少しだけでいいの~♡ 肇きゅん お・ね・が・い♡」
そういい間がされるまま…
カンナ「うん 肇くん そこ♡ そこ気持ちいい~」
肇「ここですか?」
カンナ「もっと強めにして~♡ もっと深く押し込んで♡
そう…。そこすごくいい~。」
この一晩が翌日 これまで以上の騒がしい事態にするなんて僕は予想していなかったんだ。




