4話:陸が僕のマンションに遊びに来る?
今日も悪夢などを見ることもなく、気持ちいい朝を迎えた。
とはいえ、ここに引っ越してきてからというもの、睡眠時間が急激に減っていることは
言うまでもない。
薄く目を開けると、目の前には服が少しハダケタ姿のカンナさんがいた。
その姿にドキッとしてしまい、僕は照れ隠しも含めて、反対方向へ体を向けた。
「…………。」
肇「ばばぁぁぁぁぁぁぁ~!!」
婆「うるさいの~。せめて悲鳴にしとくれんか?
悲鳴に乗じて『ばばぁぁぁぁぁぁぁ~』ってそんな叫び方はわしもさすがに…。
ドキッとしちまうわい」
肇「なんでですか!ドキッとしないでください!
それと、目を開けたままじーっと見るのはダメです! シンプルに怖いので!」
婆「こんなかわいい乙女の顔を見て怖いなんて失礼なやつじゃわい。」
肇「はぁ…。婆様!少なくとも乙女ではないですよ。はい。
それと、なんでおふたりして僕の布団に入ってきてるんですか?」
その問いに2人は顔を合わせながら、
婆「そりゃ~の。昨日の晩を誘ってくれとったから 要望には応えんと悪いじゃろ?」
肇「だ・か・ら! 誘ってないです!」
カンナ「うちはあれだよ? そう あれなの!肇くんが両手に華だと
より目覚めができるかな~って思ってオプション的なサービス?」
肇「両手に華って…失礼ですけど.. 片側は枯れてるんですよねぇ!
あと、オプションってなんですか! オプションって!!!」
その瞬間! 霊的力で、掛け布団が自動的にクローゼットにしまい込まれ、
カンナ「うちこの朝のやり取り3日目だけど、すごく気に入ったよ♡
これで肇くんを起こしましょう!婆様。」
{えーっと。僕まだ寝たかったんですけど…。}
婆「そうじゃの~ わしも楽しくて仕方ないわい!
明日はどう起こしてやろうかの~。今から楽しみじゃ!!」
僕の意見は誰も聞いてないんだ。と改めて強く感じた朝の出来事でした。
そんな非日常を味わいながら起こされた僕は、顔を洗って、歯みがきをしていると携帯がなる。
(プルルルル) 着信:陸
肇「朝の9時頃に陸が電話をかけてくるなんて珍しいな。
{ぴっ!} もしもし? どうしたの?」
陸「おはよう~。今日さ~ いきなりなんだけど、肇の家 行っていいか?」
{え!}
カンナ「え!」
婆「おっ! イケメンかえ?」
肇「婆様 その新たな獲物だぁみたいな目をするのやめてください!!」
陸「ん? 婆様? おばあちゃんでも来てんのか?」
{しまった…!}
肇「いや…。こっちの話だから気にしなくていいよ。」
陸「そかそか…じゃぁ、13時くらいに行くからよろしく~」
肇「そんな一方的な。今日は僕、用事があって…」
最後まで言う前に電話は切られた。
僕はカンナさんと婆様をじっと見る…。
カンナ「そんな熱い視線で見つめられたら~うち頬が赤くなっちゃう!」
肇「違います! わかって言ってますよね?カンナさん」
婆「そうじゃ、この流れは、わしへの告白に決まっとるじゃろ!」
肇「うん!もっと違うよ? そろそろ下へ帰って下さい!はい。
そうじゃなくて、友達が来るので、おとなしくしていてくださいね。」
真剣な面持ちで伝える。
カンナ「えーやだぁ~。せっかくだもん。イタズラしなきゃだよ~」
肇「えーじゃないですよ。万が一見つかったら、大騒ぎになりますって!」
カンナ「な~んだ! そんなこと心配してたんだぁ~。大丈夫だよ。肇くん
うちらの声聞こえるのは君だけだから、安心していいよ。
基本的にはそこに私たちがいても、すり抜けちゃうしね!」
{つまり、僕が変な反応を示さなければ、問題はないってことだよね。それならなんとか…。}
そんなことを考えながら、一応おもてなしの準備をしていると、あっという間に13時にその頃には、
僕の部屋にはカンナさんだけになっていた。
インターフォンがなる。
(ピンポーン!!)
(ガチャ!!)
肇「はーい!」
陸「よっ! いきなりごめんな。予定してたデートが無くなっちまって暇でさ~」
{もう僕、全く関係ないじゃん。巻き込まれた感半端ない…}
陸「てか、海岸も良かったけど、中もめっちゃいい感じじゃん。完全モテ部屋じゃね?
これで家賃いくらっていってたっけ?」
肇「45000円だね。」
陸「うそ…だろ!?」
どうやら、自分の住んでるマンションより、綺麗な上に安いらしく家に入るなり部屋中を探検していた。
肇「とりあえず、なんか飲むでしょ?テーブル座りなよ。」
陸「気なんて使うなよ。急に押し掛けたのは俺なんだからさ」
{うん。そこは否定しないけどね はい。}
肇「そうは言っても、大学からだから3年目くらい? でも、陸が僕の家来るのは、
初めてだからね。ある程度 おもてなしはするよ。はい!紅茶だけど…」
陸「ありがとうな。紅茶って(笑)家具家電のセンスといい。出してくる飲み物と言い
その陰キャ全開の見た目から、予想がつかないセンスだな。」
肇「りくぅ? 陰キャ余計じゃないかな?」
僕は、陸に対してちょっとした圧をかける。
{肇くんが覇気をまとって…}
その突如、脳内に響くカンナさんの声に飲んでいた紅茶を陸に吹きかける。
陸「汚ねぇな(笑) いきなりどうした? なんか面白いことでも思いだしたか?」
肇「えっ!ああ、えーとまぁそんなところかな? ははは…。」
そうして、僕たちは紅茶を片手に普段学校ではしない会話をして楽しく過ごしていた。
その間もカンナさんは僕の肩を持ってずっと後ろで会話を聞いていたんだ。
そんな時、予期せぬ出来事が発生した。
陸「あっ!そうだそうだ。この間借りていたノート返すわ。マジ助かった
ありがとうな。危うく怒られるところだったから。」
肇「もういいんだ。またなんかあったらいつでもいいなよ。」
陸から手渡されたノートを受け取った瞬間…。
陸「お前 その後ろの女性はだれだ? めっちゃ美人だな。」
そういうと、陸は僕を見ずにカンナさんばかりを見ていた。
肇「えっ!後ろの女性? もしかして…見えてる?」
陸「見えてるってなんだよ。幽霊じゃあるまいし、俺、山坂陸って言います。
お姉さん名前なんて言います? めっちゃタイプです!!付き合ってください!」
{いきなり現れたなら普通怖がらない?なんで告白?
ほんとに女子ならだれでもいいのか? こいつは…。}
そして尽かさず、カンナさんに問いかける。
{カンナさんどういうことすか?僕にしか見えないんじゃなかったんですか?}
カンナ「あっ! あぁぁぁぁぁー」
驚いた声とカンナさんが指さす方を見ると、ノートを渡してる陸と受け取る僕の手があった。
カンナ{多分だけどあれだと思う。完全につながっちゃってる…。}
説明を聞くにこういう事らしい。
本来は、見えないし、声も聞こえない。
ただ、カンナさんが僕に触れてる状態で僕を通して第三者がつながると
その人に彼女の霊力的なものが流れて、一時的に見えるようになってしまう。
今回のケースで言うとカンナさん→僕陸という構図でリンクをしてしまったようだ。
{リンクしてしまったじゃないです。どうするんですか!}
カンナ「どうする?んーそれじゃぁ、こうしちゃう?(笑)」
そういうと僕の肩から手を放す。
陸「えっ!おい! 肇 さっきの女の人どこ行った? 急にいなくなったぞ?」
{いやいやいやいやいや。もっとまずいでしょ!!何してるんですか!}
{肇くん あとはうまい事ごまかしてね~。うちはその姿を見て楽しむから~ よろしく~♡}
{ちょっとまてーい!無茶ぶりがひどいですよ。}
陸「おい! 肇 聞いてんのか?
お前もしかして 見えてるの?って幽霊だったのか?」
{うん。そうなるよね?えーーどうしよっか。こっから…}
陸「この際幽霊でもいい!あの綺麗なおねぇさんを紹介してくれ!もろタイプなんだよ
なっ!いいだろ? 俺たち親友じゃないか。」
{親友の使い方間違ってますよー。こいつ女子なら幽霊でもOKなんだ。引くわー
でも、何とかなるかもしれない。}
肇「えーと そう 幽霊は幽霊なんだけどね。僕の守護霊様なんだよねー。
でねー。最近…れい 霊感 そう 霊感ってやつが目覚めてさー。
うん。守護霊様がみえるようになっちゃっててさー。」
必死にごまかす僕を横目に笑いこけているカンナさん
陸「おう!そうなんだな。それでいい!お前の守護霊を紹介してくれ!」
肇「陸 きっとそんな真剣なまなざしでお願いする子ではないと思うな~。うん。
それにね?聞いてた?守護霊だよ?幽霊だよ? 紹介は無理じゃないかな?」
陸「それじゃ、また話がしたい。それくらいならいいだろ?」
{なんでそんな目が輝いてるのかなーこの子は…。変態だ!}
肇「わかった。とりあえず夕飯外食しない? 詳しい話はそれからってことで!」
そう僕は陸を誘い出し、半ば強引家から外に出た。
そこからはもう大変だったんだけど、うまく今度お話しできるかもってことで
20時ごろに逃げるように解散したんだ。
そして家に戻ると…カンナさんの笑い声と婆様の笑い声が広がっていた。
肇「笑いすぎですよ!誰のせいですか?まったく大変だったんですからね」
カンナ「おかえり~ 肇くん。お昼はすごく面白かったよ~ うちを守護霊様なんて…」
婆「そりゃ傑作じゃわい…。
どおりでお前さんの守護霊がテレビの前でしょぼくれてるわけじゃ わははっは…」
肇「えっ! はい?」
そういうとカンナさんが笑いながらも答えた
カンナ「うんうん。君の守護霊が落ち込んで先帰ってきたから慰めといたよー。」
{えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!}
肇「ここに来る霊はこのマンションの土地にかかわる人たちじゃないんですか?」
爺「そうじゃよ?おぬし頭いいの~。もうそこを理解しとるんかい!えらい えらい!」
カンナ「うん。ここに集まる霊はそうだけど、肇くんの守護霊は常に
肇くんの傍にいる霊だから、うちが霊的力を渡せば離脱は可能だよ?
あれ?言ってなかったけ?」
{えーと守護霊って切り離していいものでしたっけ…?}
婆「ダメじゃな。」
爺「ダメじゃ」
肇「なら戻してくださいよ! カンナさん
でも、そういえば僕の守護霊って誰なんですか?」
カンナさん「誰って…あれだよ?」
テレビの前でしょぼくれてる霊体を日々で示す。
それは なんと 僕が生まれたときに両親が買った犬のポチだった。
肇「もしかして?ポチなのか」
ポチ「ポチなのか?じゃねぇー。俺様という存在がありながらお前は…。キンタ酒だぁぁ!」
{えっ!犬が酒を求めてるし どうゆうこと?}
カンナさん「えーとね。外見はポチなんだけど、肇くんの
遠い先祖の魂と共存しちゃってて…。見た目は犬!中身はおっさん的な?」
ポチ「小娘!俺はおっさんじゃねぇ!もとは武士だ。
ただ、身なりが犬になってるだけだ。今だけな。
もともとはポチと俺様二人と一匹で小僧を守っていた。ただ、
小娘の力で、小僧から離れたときに魂が合わさっちまったんだ。」
肇「元戻るの?」
カンナ「うん。それは大丈夫だよ。気が済んだらちゃんと元の状態で戻るけど…
ぐれてる間は無理!しかも私と一緒で昼夜問わず、ずっとここに入れるタイプ。
わかりやすく言うと共存生活の仲間が増えちゃったみたいな?(てへ」
肇「てへってかわいいですけど…
なんか嫌なんですけどー。お酒を飲むポチ 僕のまともな日常はどこに行ったの~。」
そうしてその晩、見た目が犬のご先祖様にお説教をされ、寝るのが遅くなりました。
肇「明日からどーなるの?誰か教えてーーーー!」
爺「これは面白くなってきたぞ。」
婆「あさが楽しみじゃわい ハハハ」




