表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幽霊さんは僕の家の家政婦さん?  作者: クロコ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/8

1話:いきなり始まる同居生活?

突如、日常が思わぬところから急変した肇


偶然か それとも必然なのか 巡り合った物件は幽凪荘。


そこで起きる現象は 初めの世界観を一変させる日常だった。

僕は、近隣の火事に巻き込まれ、住んでいる場所は全焼…。

引っ越しを余儀なくされた大学生、「川瀬 肇」だ。


みんなもご存じの通り、大学生って時間はあるけど、バイトを入れようとすると、講義の時間とうまくかみ合わなくて、思うように入れられなかったりするんだよね。

まあ、全員がそうとは言わないけど…。


それで、引っ越しをすることになったんだけど、格安物件に決めた。

家賃は4万。聞いたら少し安いくらいって思うでしょ?


でも、1LDK、風呂トイレ別、アイランドキッチン、さらに駅近・家具家電付きなんだ。


だから不動産屋の人に、

「事故物件ですか?」

って聞いてみたんだけど、


「そんな報告は受けていませんし、事件があったという過去もないですよ」


とのこと。


だから、僕はその物件を即決して、そこに引っ越すことになった。


肇「えーと……マンション幽凪荘。ここだね。402号室っと」


鍵を開けて中に入る。

そうしたら、なんと! 写真よりもきれいで思わず声が出た。


肇「うわ~。これで4万って破格すぎるでしょ~。お得だね~。

  とりあえず、いったん自分の住処の探検といこう!

  とりあえず、食材を冷蔵庫に入れて……」


そうして食材をすべて冷蔵庫に入れていると、


{この人なら大丈夫そうだ。顔もタイプだし。ふふふ}


肇「ん? 今、なんか声がしたような……。気のせいかな?」


この物件の決め手は、家具家電付き。

なにせ火事で全焼したからね……。まとまったお金は入ったとはいえ。


そうして僕は、ここに来るときに一緒に買ってきた衣服を、クローゼットや衣装ケースの中に入れて、その日は次の日の大学とバイトのために、早めに布団に入ることにした。


特に夜は寝苦しいとか、物音がするとか、霊現象なんてなく、むしろ前の家よりも安眠できた。


ただ、事件はすぐに起きた。


大学で講義を受け、バイトを終わらせて夜に新居に帰ると――。


肇「えっ! なんで家、電気ついてるの?

  俺、消し忘れた? そんなはずないんだけど……」


{ガチャ}


扉を開けて中に入ると、


肇「なんだ? すごい……みそ汁のいい匂いが……」


違和感を感じながらも、大学とバイトでおなかが減っていた僕は、そのままリビングへ向かった。

そしたら――。


「もうちょっとしたらご飯できるよ~。肇くんでよかったかな?

 荷物置いて、座って待っててくれる?」


肇「あっ、すいません……ありがとうございます。助かります……。

  ……いやいやいや、誰ですか、あなた!

  隣の部屋の人ですか? 間違えてますよ?

  ここ、きっと僕の部屋なんで!」


驚く僕をよそ眼に、淡々と夕飯の準備をする人は、さらっと言葉を発した。


「とりあえず、夕ご飯できたから、一緒に食べよ?

 話はそれからでもいいでしょ?

 肇くんも、大学とバイトでおなかすいてるんでしょ?」


現状が理解できず、思考が停止していたのか、

それともおなかがすいていたのか。


僕は言われたまま机に腰を掛ける。


肇「いただきます!! {ずずず}

  ……おいしい! すごくおいしいです!」


「よかった! そう言ってくれると、頑張って作った甲斐があるってものだよ。

 たくさん食べていいからね。って言っても、君の準備した食材だけど!」


肇「ところで、誰なんですか? 隣の人ですか?」


「んー、相変わらず料理上手だ~、うち。

 ん? うちは……幽霊さんだよ?」


肇「そうですか。幽霊さんでしたか……。

  ……えっ!?

  ぎゃぁぁぁぁぁっ! 幽霊だぁぁぁぁ~!!」


「うんうん。それがまともな反応だよね(笑)」


幽霊さんは、僕がびっくりしてテーブルを揺らしてしまったため、食材がこぼれないように、念力? のようなものと手を使って料理を保護していた。


{水を飲んで落ち着く}


肇「どういうことですか?

  不動産屋さんは、事故物件でも過去に事件も何もなかったって言ってたのに」


「気持ちはわかるんだけど、まず自己紹介しよ? 肇くん。

 うちは一ノ瀬カンナ。

 不動産屋さんが言ってることは間違ってないよ?

 このマンションで亡くなった人も、事件もないよ?

 うちはこの土地に縛られてるに過ぎないからね~。

 居心地いいから、どこにも行かないってのもあるんだけど」


カンナ「デザートの杏仁豆腐だよ?

    おいしいと思うから、食べてみて?」


肇「どうも! {ぱくっ}

  うまっ!!

  お店のやつより食べやすくて、杏仁豆腐特有の薬みたいな味がしない!

  これ、好きかもです」


その時思った。

カンナさんに、完全に胃袋をつかまれた、と。


肇「でも、おかしいんです!」


カンナ「なにが?」


肇「だって僕、霊感ないのに、カンナさんが生身の女性みたいにはっきり見えるんです」


カンナ「じゃあ? 私見てどう思う?」


肇「はい! きれいですごくエロいです。

  あと、一つ一つのしぐさがとてもかわいいです」


その瞬間、カンナさんの平手が僕に飛んできた。


カンナ「可愛いなんて、何百年ぶりに言われたんやろ~?

    だめだ~、やっぱりうれしいなぁ~」


ちなみに、その平手で僕は三回転くらいした後、

そのまま壁に刺さったのは言うまでもない。


{うん……この平手の威力。僕、いつでも死ねる……}


カンナ「肇くんに霊感や霊力的なものがあるんじゃないの!

    君が交わした契約書に込めた霊的要素が働いて、

    見える・触れられるを可能にしてるんだよ」


カンナさんの説明を要約すると、

この物件が空いていた理由は、事故物件だからではなく、

カンナさんが入居者を選んでいたから、長らく決まっていなかったということ。


カンナさんが見えるのも、契約書自体に霊的要素を込めていて、

それを書いた人にのみ力が反映する、というからくりだった。


カンナ「じゃあ、うちシャワー浴びてくるから、テレビでも見てて。

    あっ! 覗きたかったら覗いていいよ?

    んー、それか一緒に入る?」


いたずらな表情を見せながら、いけない誘いをしてくるカンナさんに、

僕は素直に顔を赤らめて、おどおどした口調になってしまった。


肇「だっ、だっ、誰が覗くんですか! 女性の裸を……!

  もちろん、一緒にも入りません!

  ハレンチなことを言わないでください。

  そもそも、出て行ってくれたりするのは無理なんですか?」


カンナ「いいけど、私が出ていくと、ここに住めなくなるよ?

    あと、今日みたいなご飯も食べられないけど……大丈夫そ?」


{それは……困るし……カンナさんの料理は、明日も食べたい……}


カンナ「じゃ、共同生活よろしく……ね?」


勝ち誇った表情で、カンナさんは風呂場に行くのであった。


そうしてお互いにシャワーを済ませて、僕が風呂場から出ると、


カンナ「紅茶入れておいたよ?

    それともホットミルクがいい?

    寝る前に飲むと、睡眠の質が上がるんだよ~」


肇「ありがとうございます。その前に布団、敷いてきます」


そして寝室の扉を開けると、布団はすでに敷かれていた。

だが、布団に対して枕が2つ……。


肇「えーと、カンナさん、これは?」


カンナ「ん? どうしたん? 布団一つしかないやん?

    だから、一緒に寝るのが一番平和でしょ?」


肇「いやいやいやいや……なんで一緒に寝るんですか!

  一人で寝ますよ。心臓に悪いです!」


カンナ「ひどい!

    こんな可愛い女の子を、布団なしで押し入れで寝ろ!! なんて……。

    肇くんがそんな男だったなんて……うち、うち悲しい……」


肇「いやいや、ドラえもんじゃあるまいし。

  それに、幽霊に布団なんていらないでしょ?」


カンナ「それを言ったら、シャワーもいらないでしょ?」


{それもそうなんだよな……}


カンナ「シャワーを容認したんだから、布団もちゃんと容認しなさい!

    そして、うちに抱かれておとなしく寝なさい。

    いい匂いするよ? ほらほら~」


    それとも……肇くんは、幽霊のうちに発情してくれるの?

    それはそれで嬉しいけど。


肇「しません! しませんよ! 確かにきれいですけど……!」


カンナ「でもさ~。肇くん、顔真っ赤だし、ズボンがテントになってるよ?」


肇「ぎゃぁぁぁぁぁ~!!

  これはあれですから! 違いますから! 大丈夫ですから!

  ……おやすみなさーい!!」


急いで電気を消して、布団に入る僕。


{これからの僕の当たり前の日常は、いったいどうなっていくんだろう……}

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
幽霊さんと肇くんどうなるんだろ?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ