表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その部屋に棲舞うモノ  作者: 稲葉 鈴
たち別れ いなばの山の 峰に生ふる

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/19

4.黒猫の草太-2

 早朝、仕事から帰ってきた紺が、キジトラ猫を片手に玄関口から草太を呼ぶ。


「なんちゃあ?」


 このマンションに越してきて草太が嬉しかったのは、すごく大きな、前の住人が置いて行ったというキャットタワーがあったことだ。興味はあったけれどまあないならないで、と思っていたが、あるとやっぱり嬉しい。その上の方にある寝床でまったりしていた朝方、帰ってきた紺が玄関から入って来ないで草太を呼んだ。

 こんなことはこれまでない。いや、過去の家ではあったけれど、こっちに引っ越してきてからは初めてだ。まあ、大体何があったかは、分かる。


「この猫、どこの猫だかわかるか?」


 紺に抱きかかえられてゴロゴロとのどを鳴らして満足げに撫でられているその、キジトラの猫には見覚えがある。


「このマンションの三階よ」

「よし一緒に来てくれ」

「ええー」


 外からならどこの家、というのは伝えられるけれど、草太はあまり玄関から外に出ない。だからよく分からない。

 そう言って草太は断ったのに、紺は草太もひょいと抱きかかえた。キジトラ猫を抱えている紺の負担にならないためにも、草太は仕方なく、紺の肩の上に立った。


「だって俺が三階の玄関の前で耳を澄ましてたら変人だろうよ」

「ほうやな」


 にゃーんと相槌を打って、草太は仕方なく、本当に仕方なく、紺と一緒に外に出た。


「三階で見たんだよな?」

にゃーん(せやに)


 紺の問いに、草太は答える。

 少し首をかしげて、紺は考える。多分まだ、大家の今井さんは起きていないだろうから、起こしに行くのも申し訳ない。三階で探してみて、見つからなかったら、相談に行くことにしよう。

 紺はキジトラ猫を抱えて、黒猫を肩に乗せて、階段を登った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ