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球児転生~剣と魔法の世界を戦い抜きます~  作者: 白熊公爵
第一章 転生、そして初心冒険者
15/22

1-11.それぞれの初依頼”紅蓮の閃光”

今日から本職が忙しくなるので、投稿頻度遅くなります。

申し訳ございません。

<紅蓮の閃光>の4人はどのような依頼にするか、掲示板を確認する。

「どんな依頼が良いでしょうか」

ロイドがメガネをクイっとさせながら、掲示板を眺める。


「この、素材集めなんてどうだろうか?西側にのベイル平原に出現する、角兎の角10本と大兎の尻尾10本」

ロキが魔物狩りではなく、素材集めの依頼書を手に取った。


「初依頼は魔物狩りじゃなくて、素材なんて丁度いいかもね」

ケインも賛成している。


「我が筋肉の出番はなさそうだな」

クリスは筋肉でしか考えてない。


「素材集めも冒険者にとって大切な仕事です。まわりまわって僕たちの装備に還元されるのですから」

ロイドが「またクリスは筋肉で・・・」と言わんばかりにため息をついた。

クリスは気付いていない。


「では今回の依頼は素材集めなので、さっそく行きましょうか」

「「「おぅ!」」」

気合を入れて素材集めに向かった。



*   *   *


「ケイン殿!そっちに行きましたよ!」

「オッケー見えてる!」

ロイドが角兎をケインの方に追い込めるように風魔法を唱えながら誘導する。


「クリス!大兎をつぶさないでよ?」

「さすがにそれは無理である!」

ロキとクリスは大兎を追いかけている。


2組に分かれて素材集めをするように提案したのはケインだった。

魔物じゃないから全員で相手しなくても、とのことらしい。


「よし!2匹目!」


「こっちは1匹だよー」


開始20分、意外と素材集めが難航していた。


「なかなかすばしっこいのであるな、大兎!」

クリスが腰に手を当てながら、一息つく。


「角兎なんて全然出くわさないよ、そんなに希少種だったっけ?」

ケインもどうしたもんかと頭を悩ませている。


「平原でも王都よりの場所で探しているからでしょうか?」

ロイドは場所の問題では?と考えている。


「出現場所は『ベイル平原』って広範囲で、僕らがいるのはのその一部だから場所を移しながらの方が効率良いかも」

ロキもこの場所だけでは難しいと判断している。


「では、もう少し西側へ移動してみましょうか」

ロイドが提案し、みんなで移動を開始する。


*   *   *


「はぁっはぁっ!意外と素早いのであるな、大兎」

クリスが息を切らしている。


「ぜぇぜぇ、ふー、小回り、はぁ、が、ふー、すごいですね」

ロイドはしゃべるのが苦しいほど息が弾んでいる。


移動してからというものの、先ほどよりも出現(エンカウント)するようにはなったが、その分追いかけることも多くなった。

なかなかに全速力で追いかけているので、体力の消耗も激しくなっている。

息切れなのと、足腰に影響が出始めた。


「冒っ険っ者は、はぁ、やっぱすごいな、ふぅ、こんなの、ぜぇ、毎日だもんな」

「はぁっはぁっはぁ」

肉体派のクリスは息切れしているもののまだまだという感じではあるが、ロイド・ロキ・ケインは限界近い。


「少し休憩しましょうよ!」

ロイドの一言で、休憩をとることになった。



「よし、再開しよう」

ロキが立ち上がる。


「どうします?また場所を移しますか?」

ロイドがそう言うと、


「この辺は意外といるから、もう少し粘ってみようよ」

とケインが答えた。


「狩りにくくなってきたらまた場所を変えるか、移動しながら狩るか、の差であるがここに留まって続けるのであるか?」

とクリス。


ロイドは、留まらない方が良いかもしれないですね、と思いながら考え込む。


「ロイド~考えてもしょうがないから移動しながら大兎と角兎を探そうよ」

とロキが伸びをした。


「!?見るのである!」

クリスが急に叫んだ。


「「「??」」」

3人はクリスが指をさす方向を見る。


数十匹ほどの角兎の群れ


「・・・とりあえず、角兎を一狩り行きますか」

ケインが(ワンド)を構え、詠唱の準備をした。


「土よ、敵を拘束せし草を纏え、桎梏蔓(フェターバイン)!」

呪文を唱えると、角兎の一群目掛けて蔦が這っていき、拘束する。


「はじめから拘束すればよかったね」

ケインがしまったなーと手を頭に当てた。


「こんな魔法、どこで習ったのですか?」

ロイドが関心しながら尋ねた。


拘束呪文を率先して教えてくれる人はあまりいない。

基本的に攻撃魔法の方が人気なのだ。

攻撃魔法の魔導書や知者に聞いて習得できるよう訓練を積む者の方が多い。

拘束呪文を学ぼうと思い始めるのは、初心者冒険者(ルーキー)ではまずいない。


「実は、冒険者登録しに行った日に王立図書館に行ったんだけどね、[拘束指南書]ってのがあってさ。本来は人を捕らえて逃げられないようにすることが書いてあったんだけど、足止めにも使えないかなってちょっと読んでみたんだよね。練度がまだまだ低いから捕らえられるか不安だったけど、厭戦(えんせん)の小型動物くらいなら捕獲できてよかったよ」


「人を捕らえるって・・・悪人が使ったら大変なことになりますね、そんな書物よく図書館に置いてありましたね・・・」

とロイドは冷や汗を流す。


ケインも「た、確かに・・・」と頭になかったようだ。


「じゃあ大兎もこの調子でいこう!」

とロキのテンションが上がる。


「うむ、さすがに走りっぱなしはつらいのであるからな。」

肉体派のクリスも、さすがに走り続けるのは嫌なようであった。



大兎を探してしばらく経つと、小さな池を見つけた。

その畔に大兎がいた。


「1・2・3・・・8匹、だね。」


「アレを捕まえられば、今回の素材集めの依頼は達成だね。」


「ではケイン殿、お願いします!」

ロイドの合図と同時に、ケイン先ほどと同じ拘束魔法の詠唱・魔法の発動をした。


蔓がシュルシュルと音を立てながら大兎を捕らえる。


「さぁ!蔓を食いちぎられないうちに仕留めるよ!」

ケインの捕らえた合図を受け、4人で一気に走り出す。


角兎と違い、力は強いのでちぎられることを心配していたケインだが、何とか討伐完了。

尻尾を切り取り依頼達成となった。


「これで終わりですね」

ロイドは一安心、という安堵の声を出した。


「うん、少し王都から離れたし、早めに帰ろう。」


「初めての依頼で緊張と走った体力的な疲労で疲れた」

ケインもロキも近場にあった岩に腰掛けながら一息ついた。


その時、近くでガサガサと音がした。

「何の音であるか?」

クリスが音の方に近づく。


すると、「ガォ」と一匹の狼。


「「うわぁっ」」

と腰掛けていたケインとロキが立ち上がる。


不用意に近づいたクリスもゆっくり下がる。


「い・・・一匹・・・だよ・・・ね・・?」

とロキが身を縮ませながら後さずりをする。


「ガォガォーーーーン!」

狼が喉を震わせながら雄たけびを上げると遠くからドドドッ・・・と音が聞こえ始める。


「「「「まさか・・・?」」」」

4人は顔を見合わせながら同じことを考えた。

≪仲間を呼んだに違いない!≫


「みんな・・・」

クリスがそう言うと、


「「「逃げよう!(ましょう!)」」」

とほかの3人が声を上げる。


「狼の仲間が来る前に!」

「ケイン殿!ちょっとずつさっきの拘束魔法を!」

「うむ!少しでも足止めをお願いするのである!」

「つっ、土よぉぉぉぉぉ!」

と足止めをしつつみんなで全速力で王都まで逃げた。


「「「「うわぁぁぁぁぁ!」」」」


近くを通った冒険者チームが運よくおり、助かったのであった。




*   *   *


「た、助かったであるな!」

王都に戻って、クリスが安心したように3人に向かった。


「あの冒険者チームの方々・・・〈夕焼けの世雲〉の方たちがいなかったら、どうなっていたことかわかりませんね」

ロイドも助けてくれた冒険者に感謝していた。


「今度お礼をするとして、今日はどうする?」

ケインがこの後のことを確認する。


「まぁまずはギルドへ報告ですね」


「その後は、動物の生態系とか、魔物のことを簡単に調べて帰ろうよ」

ロイドとロキがフラフラと歩きながら答えた。


「今日はなにも情報を持たないで、向かったであるからな。復習と今後の対策を簡単にするのである。」

クリスも、初依頼だからこそ、「入念に準備をすべきであった」と呟きながら天を仰ぎため息をついた。



〈紅蓮の閃光〉の4人は、すぐ報告をして図書館へ足早に向かうのだった。


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