1-9.それぞれの初依頼”四御の明星”①
来週から本業が忙しくなるので、更新頻度落ちるかもです・・・
* * *
ニンゲン
我々を襲う野蛮な生き物。
グゲゲっ
あんな奴ら一気に甚振ってやらずに毎日ちょっとずつ襲ってやル。
あんな奴らよりも我々の方が頭が良イ。
それに指導者も良イ。
進化したあの方が我らに戦い方を教えてくれタ。
武器を持っタ。
剣・弓・槍そして魔術
これだけでニンゲンどもは逃げ惑ウ。
グゲゲ
今日はいつもとまた違うゾ。
村のニンゲンではないニンゲンが来タ。
エルフも連れていル。
ニンゲンは何でもかんでも従えたがル。
どうせあいつらは我々が武器を持っていることに驚き、逃げるに違いなイ。
仲間を呼んで襲ってやル。
ちょっとずつ、ちょっとずつ苦しめてやル。
グゲっ
ほら、驚いてやがル。
今まで我々は個で動いていタ。
今日は軍隊として動くのダ。
すぐには終わらせられないゾ。
ほら、あの方も滾っているようダ。
目にモノ見せてやるニンゲンどモ!
* * *
「おいおい、なんだよあれ」
小鬼が10体1組で森から村を包囲するように近づいてくる。
小鬼って集団行動するんだっけ?
「小鬼が集団で行動してる・・・」
あぁよかった。
小鬼の行動がおかしかったらしい。
それに・・・
「みなさん、木々の間から見えてますか?まだまだ小鬼がいるようですよ?」
シェリーが奥の方を指さす。
「見えてる。こりゃFランクの依頼じゃないな、全く。」
ユージンが溜息をつきながら腰に手を当てている。
「アード君はどう思います?」
シェリーが俺に尋ねてきた。
「どうもこうも、異常事態だな。」
さて、どうするか。
依頼内容としては、小鬼討伐だけど、数がちょっとおかしいよなぁ。
奥の方にまだまだいるし、弓やら槍やら通常では考えられない状況だし。
でも・・・
「やるしかないよな」
「このままでは村が確実に大変なことになります!」
とマリア。
「距離をしっかりとって!確実に仕留めていくぞ!」
「「「おう!(はい!)」」」
「メイたちはサポートに徹底してくれ!」
「「「「はっ!」」」」
回復専門の彼女らが討たれないように、後方支援を徹底してもらう。
「くたばれ〜〜〜!」
<火魔法>を小鬼集団の1つに放つ。
直撃した小鬼は、黒焦げになった。
あれ?2匹生き残ってるな・・・
無傷じゃないけど、そんなに加減しすぎたかな?
「アード!なに手加減してるのです!」
「いや、やりすぎると森が・・・」
「そんなこと言ってる場合かよ!」
「弓部隊や槍部隊、それにまだまだその背後に怪しい小鬼もいますよ!」
・・・え?そんなに気にしないでやってるの?
「別に森が吹き飛ぶ訳でもないんでしょう?」
「・・・」
フイっと目を逸らす。
「「「えっ?」」」
「・・・やってみる?」
片手で撃っていた魔法を両手に切り替える。
火はまずいよな・・・と言うことで、水蒸気爆発を魔法のイメージにする。
これなら、爆発魔法だけと、森林火災の心配もない。
我ながらよく考えた。
「おりゃぁぁぁぁぁ!」
と、気合を入れて放つ。
物質に直撃するたび爆発をしながら、小鬼たちを吹き飛ばす。
・・・・・・火を使ってないのに粉塵がすごいな。
「こ、これは予想してなかったですね」
シェリーが引き気味にそう言うと、ユージンがすごい勢いで頷いている。
土煙が晴れてきた。
あれ?
「え・・・今ので壊滅させられてないの?」
と、ユージン。
「おっかしいなぁ」
う〜ん・・・
「あれだけの爆発の中であれだけ残るのって不自然ですよね?」
マリアも不思議がっている。
どうしたもんか。
* * *
なんだあのニンゲンは
あらゆるところで爆発起こす魔法を唱えてきた。
仲間がすごい人数やられた。
この小鬼の王子へと進化した私はあんな小さきものにやられないのだ。
こちらにも魔法部隊はいる。
小鬼は上位種族なのだ。
私が進化したことで、種族全体の能力が上がったのだ。
あんな下等種にやられてたまるか。
さぁ、行くのだ!
まずはあの魔法を放ってきたやつ以外の雑魚から刈り取るのだ!
* * *
「なんか1体だけでっかいのいるな」
「いやいや、それだけじゃないでしょ・・・」
「小鬼が魔術使おうとしてるぞ・・・?」
「指示もしてるし、あいつがこの集団の頭だな」
「っ!来ます!」
マリアがそう叫ぶと、同時に小鬼の集団が詰めてきた。
先ほどとは打って変わって剣と槍の混合で攻めてきた。
「おいおい、今度は明らかに突撃してきてるぞ!」
「展開が早いので気をつけてください!」
ユージンとシェリーの声にも変化が。
「魔術師もいます!・・・あっ!」
マリアが後方に控えている小鬼魔術師を意識しているとことに、剣と槍の混成部隊が攻撃を仕掛けてきた。
「マリア!」
くそっ。なんだこの攻め方は。
俺以外の3人を狙っている・・・?
「みんな!気をつけ・・・」
そう言っていると、小鬼3体で合成魔法を放ってきた。
小鬼なのに、合成魔法なんて上級技使うなんて・・・
そんな事あるのか?
今の攻撃で3人と完全に分断された。
メイとも離れてしまった。
「メイ!そっちのサポートをしろ!!」
大声で叫んだけど、多分聞こえてないだろう。
これはまずい・・・
* * *
「みなさん、アードと離れてしまいましたが、なんとか耐えましょう!」
マリアはそう言いつつも、数の暴力が激しい。
「マリア様!」
ヘルメスがマリアに駆け寄る。
「おい!後ろ!」
ヘルメスの後ろへ槍小鬼の集団が。
「任せて!」
シェリーがカバーに入る。
しかし
「この数は・・・ほんとに不味くねぇか?」
刈っても刈っても数が減らない。
「でも!小鬼は!技術が!ないから!耐え!られるっつ!けどね!!」
シェリーは購入した弓を連続で射出しながら答える。
「おい!あんまり無駄打ちすると・・・」
「あっ・・・」
矢が切れた。
「まずいまずいまずいまずいまずい・・・・・」
シェリーは矢がなくなったことで、動揺をしている。
「シェリーさん!魔法でカバーを!」
マリアが短剣を構えながらシェリーにカバーを求める。
「・・・っ!はい!」
マリアの一言で平静を取り戻す。
アードにおんぶに抱っこでは今後の冒険者生活は生き残れない。
そんな思いを胸に、魔法を唱える。
「・・・!火よ!敵を討ち滅ぼす鏑矢となれ!【炎火矢】」
無数の火の矢を小鬼目掛けて撃ち続ける。
「シェリー!いい調子だ!」
ユージンも、剣で小鬼たちを薙ぎ払いながら、鼓舞する。
「あの厄介そうな魔術師と、大きい小鬼はアードに任せて、私たちは雑兵を始末しましょう!」
マリア・ユージン・シェリーが小鬼に向かっていく。
* * *
魔術師の後ろの大きいのが控えている。
先に魔術師を叩くか。
「魔術師たちよ、やつを焼き払うのだ」
大きい小鬼が命令をする。
・・・指示を出した?
小鬼がしゃべった。
そのことにも驚きだが支持を出し、その言葉を理解し行動に移る小鬼魔術師に違和感を覚える。
飛んでくる魔法を防御しつつ、
「・・・お前がこの集団のリーダーか?」
モノの試しに敷いてみる
「そうだ。下等種である貴様ら人間を滅ぼすために進化した存在。私は小鬼王子。やがて王へと昇る選ばれし小鬼。貴様を殺し、村を滅ぼし、小鬼帝国を築き上げるのだ」
おおぅ、大層な夢だ・・・
にしても、<王子>か。
小鬼も進化するのか。
「・・・夢を持つことは良いことだが、分相応の夢にしろよ!」
魔術師に攻撃を仕掛ける。
火魔法で小鬼魔術師の立っている位置に火壁を出し、攻撃をする。
「小癪な」
小鬼王子がそういうも、魔術師たちがやられらことに驚く。
「あとはお前だけだぞ」
そう小鬼王子に言い放つ。
「・・・貴様など、私一人で充分だ」
小鬼王子との決戦を迎える。
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※鏑矢は狩猟用の矢の一種




