5.誰かに認められ、期待されること。
応援によって創作意欲が高まります。感想も欲しいのよ?
次回更新時間はあらすじに。
そんなこんなで、ボクはアミナと対決することになった。
明後日と言われたけれど、そういえば場所がどこか聞いていない。そのことをオブラートに包みながらマルスに言うと、彼は目を丸くしてこういうのだった。
「それって。もしかして、明後日王城で行われる――御前試合ですか?」
「は…………?」
待って。
ちょっと待って!?
御前試合ってことは、つまり国王陛下の前で行われる試合だよね。
ボクはつまり、この国の第二王女様と国王陛下の前で試合をするというわけで、えっと――ヤバい。事態が呑み込めなくて、混乱してきた。
「あの、師匠。落ち着いて下さい!」
「落ち着いていられると思う!? よりにもよって、なんでボク!?」
「そ、それは分かりませんけど……」
「そうだね、分からない方が良い!」
マルスに言うわけにはいかない。
だって、これは仮にもマルスを賭けた戦いなのだから。
それを当の本人に伝えるということは、アミナの好意をボクから又聞きさせることになるわけで。マナー違反も良いところだった。
「と、とりあえず! うん、緊張で心臓が飛び出ないように気を付ける……」
「が、頑張ってください! 師匠なら、きっと勝てますよ!」
うな垂れつつ言うと、マルスがそう励ましてくれる。
こうなったら気持ちを切り替えよう。と、そこで気になることがあった。
「そういえば、アミナってそんなに強いの?」
「あー、アミナですか?」
御前試合に抜擢されるほどだ。
超早熟の少女だとは聞いていたけど、どれほどのものなのだろう。
ボクの問いかけにマルスは少しだけ考え込んで、このような例えを口にした。
「えっと、彼女はすでに騎士団団長とも対等に戦えます」――と。
…………へ?
「ちょっと待って、なにそれ。アミナって、まだ十歳だったよね」
「そうですね。ボクの二つ下ですから」
「それなのに騎士団団長と……?」
「はい、そうです」
「…………」
世の中には、本当の天才ってのがいるものなんだなぁ。
ボクはその話を聞いて、気が遠くなった。
「でも、きっと師匠なら勝てますよ!」
「頑張るけど、どうなんだろ」
「大丈夫です! だって――」
そう言うと、マルスはボクの手を取る。
そして、頬を赤らめながら言った。
「師匠は、ボクが目標にしている人ですから!」――と。
――だから、絶対に勝ってくださいね。
少年はそう言うと笑った。
これは、かなり期待されている。
だけど不思議と嫌じゃない。というか、嬉しかった。
「そっか、ボクは……」
今まで、誰にも期待されなかったから。
こうやって誰かに応援されるのが、嬉しくて仕方ないんだ。
「そっか。だったら、頑張らないとね!」
こうなったら、真剣に取り組もう。
マルスの笑顔に応えるためにも、頑張ろう。
ボクは、心の底からそう思った。
たぶん、明日の12~13時だと思います。
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