2.微かな繋がり。
なんとか、更新……。
「リュード……? また、ずいぶんと懐かしい名前を」
「あー、うん。なんとなく――」
「たわけ。あの部屋の中にあった手紙を見たのだろう? まぁ、見られたところで妾は一向に構わないがな」
「………………」
肝試しを終えて。
女性陣がお風呂に入った隙を狙って、ボクはリビングでくつろぐアンディーンに訊ねた。触れない方がいいとは決めたものの、反応を見るくらいなら良いと思ったのだが。
どうにも、この精霊様は勘が鋭いらしい。
「なに、気にするな。本当に昔の話だからな」
「その……恋人、だったの?」
「はん、妾を見くびるな。誰が人間なんぞと恋に落ちるものか」
こうなっては仕方ない。
そう思い訊ねると、見事に鼻で笑われた。
「アレはな、あちらから一方的に送られてきたものに過ぎん。幼少の頃に溺れているのを助けられ、以降しつこく付きまとわれたのだ。迷惑といった方がいい」
彼女は肩をすくめて。
ちらりと、ボクの顔を見た。
「それよりも、妾が気になるのはお前だ――リンク」
「え、ボク……?」
「その通りだ。どうにもお前からは、アイツと同じ魔力の流れを感じる」
「アイツ……って?」
「…………」
そして、そんなことを言うので首を傾げてしまう。
するとアンディーンは、深くため息をついてからこう言うのだった。
「なんの因果か、分からんがな。お前にはリュードの魔力を感じるのだ」――と。
それは、つまりどういうことか。
要するに他人の魔力が、ボクの中にあるということ。それってなると、可能性としては魔本を読むなりした場合に限られるのであって……。
「え、それじゃ……?」
ボクは思い出した。
あの日、図書館で読んだ本のことを。
「ふむ……? なにか、思い当たる節があるようだな」
「あ、うん……」
また、アンディーンに見抜かれた。
ボクは少しばかり気後れしながらも、彼女に事の次第を話すのだった。




