2.一緒に魔力制御の鍛錬!
少し動きがないですが。
応援いただけると(以下略
あとがきに次回更新の目安を書いておきます!!
「師匠! 今日はどんな修行をするんですか!?」
「んー、やっぱり魔力制御かな」
「え、魔力制御?」
放課後のこと。
ボクが自主練のために使用している公園へと赴くと、マルスくんもついてきた。ひとまず魔力制御の練習をしたいと言ったら、彼は首を傾げる。
「魔力制御って、必要あるんですか?」
「大ありだよ。だって、この前みたいに暴発したら死人が出るし……」
「ほほー、なるほどです」
そんなマルスくんに、ボクはそう答えた。
魔力制御は基礎中の基礎。今さらどうしてそれをやるのか、というと――ボクは今まで、魔力を生み出すことすら困難だったからだ。
要するに、魔力制御の必要がなかった、ということ。
先日の暴発事件は、その経験値がなかったから起きたのだった。
「師匠は周囲のことに気を配れる、素晴らしい方なのですね!」
「ははは……。もう、それでいいよ」
マルスくんは、ボクの言葉を全力で肯定する。
どこか勘違いをしているけど、もうそれでいいや。
「さて、魔力制御の基本は精神統一、だね」
そんなわけで、ボクは鍛錬を開始した。
草場の上に胡坐をかいて、呼吸を整える。本で読んだところによると、こうやって自分の中にある魔力の流れを認識し続けるのが大切、とのことだった。
そうすることによって、いざという時に魔力量を調節できる。
管理できるようになるのだった。
「僕もやります!」
マルスくんは無邪気にボクの真似をする。
そうやって、日が沈むまでボクたちは魔力制御の鍛錬を行った。
「さて、今日はこれくらいにしておこうか」
「はい! お疲れ様でした!」
地味な絵面だったので、詳細は省略するとして。
ボクとマルスくんは凝り固まった身体を伸ばしながら、そう言った。今日はこのまま帰ってもいいけれど、せっかく二人でいるのだから、どこかに寄り道してもいいかもしれない。
そう思っていると、マルスくんからこんな提案があった。
「あの、師匠! 僕の家に遊びにきませんか!?」――と。
それを聞いて、固まってしまった。
何故ならマルスくんの実家といえば、公爵家。
商家出身のボクが、安易に敷居をまたいで良いような場所ではなかった。
「いやいや、畏れ多いよ」
だから、苦笑いしつつ断ろうとしたのだが。
「お父様に師匠の話をしたら、ぜひご挨拶したい、って!」
「…………わーお」
まさかの、御当主のお墨付きだった。
そこまでくると、断るのはむしろ失礼になるだろう。
「うん、分かった。それじゃ、お言葉に甘えて」
「わーい! ありがとうございます!!」
ボクが答えると、マルスくんは愛らしい仕草で喜びを表現した。
それを見ていると、どこか心が和む。
まぁ、こんな関係も良いかもしれない。
ボクはそう思って、駆け出した少年のあとを追うのだった。
次回更新は15~16時頃?