4.いたずらと、手紙。
一日一話、しっかり続けます! 頑張れ、自分w
あとがきにはお願い。
「貴様ら、妾を四大精霊の一人と知ってのことか……?」
「しだいせい、れい?」
「なにそれー?」
「……まったく。精霊使いの荒い人間の子よな」
アンディーンは、ミィとリィのとぼけた表情を見てため息をついた。
いま彼女たちが何をしているのか、というと――端的に言えば、尾行である。相手はリンクとミレイラ。神殿に入るのを確認してから、三人は移動した。
そして、中を探索する肝試し組を観察する。
その最中にミィとリィは、こそこそとこんな会話をしていた。
「あの二人、どう考えてもいい雰囲気なのにね!」
「そうそう! それなのに、まったく進展しないの!」
内容は自分たちの兄と王女の、恋仲について。
傍から見た二人は、本人たちの意思とは無関係にそう見えるようだった。とりわけ、そういった話題に興味津々の双子にとっては格好の的。
アンディーンはそれを察してもう一度、深くため息をついた。
「貴様ら、これを覗くためにきたのか? 妾を誘ってまで」
「ううん、違うよ? これだけじゃないの!」
「そうそう! アンちゃんには協力をお願いしたくて!」
「お願い、だと?」
精霊の言葉に、双子はそう返す。
不思議に思ったアンディーンが首を傾げると、ミィが言った。
「あのね、アンちゃん凄い人なんでしょ? だったら、二人がもっと近づけるような魔法を使えないかな、って!」――と。
それは、どう考えても無理難題だった。
とっさに断ろうとした精霊だが、すかさずリィがこう口にする。
「お願い! 二人の将来がかかってるんだよ!」
「むぅ……」
その言葉に、アンディーンは口を噤んだ。
リンクたちの将来が心配になった、というわけではない。
ただ単純に、この双子の視線があまりに純粋な輝きを放っていたからだ。人間は嫌いだが、子供という無垢な存在には弱い、そんなアンディーン。
「はぁ……」
そして、いよいよ圧力に負けた彼女は三回目のため息。
リンクたちが、ある部屋に入るのを見てこう言った。
「仕方あるまい。今回は、特別だぞ?」
次いで魔法を発動する。
すると――。
「ほれ、これで良いか?」
リンクたちが入っていった扉が、固く閉ざされた。
中から助けを呼ぶ声がしたが無視。アンディーンは仏頂面になって、神殿の中にあった椅子に腰かけた。そして、小声ではしゃぐ双子を見ながら――。
「あぁ、そういえば。あの部屋は……」
何かを思い出したように、そう呟く。
しかし、
「まぁ、別に良いか」
すぐにそう言って、ゆっくり目を瞑るのだった。
◆
「これは、マルスたちがくるのを待つしかないね」
「そうですね……」
ボクの言葉に、ミレイラはほんの少し気落ちしたように答える。
ひとまず魔法で明かりを確保しながら、部屋の中にあった椅子に腰かけた。ミレイラも同じようにして、一つ緊張を解くように息をつく。
その時だった。
「リンク、これって何でしょう?」
「え……」
ミレイラが、なにかを見つけたのは。
ボクは彼女のもとへと歩み寄って、物陰を覗き込んだ。すると、
「手紙、だよね……?」
そこにあったのは、古びた手紙だった。
枚数にして数百はあるだろうか。
「…………」
「…………」
ボクたちは顔を見合わせる。
そして、どちらともなく手紙を手に取るのだった。
ふとした興味によって読み始めたそれ。
しかし、その内容はとても意外なものだった……。




