2.肝試し。
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「肝試し……?」
「そうです。この近くの森に、ちょうどよい場所がありまして」
夜も更け始めた頃合い。
みんなで食事を摂っていた時、アミナがそう提案してきた。
なんでも、近くの森の奥に神殿があるらしい。そこにアクセサリーを配置するので、二人一組になり取りに行こうというのだ。
「でもさ、魔物とか大丈夫なの?」
「心配いりませんわ。使用人が先んじて駆除していますし、元々この湖の近くでは精霊様の御加護もあって、魔物も弱体化しますから」
「へぇ……精霊様の、御加護か……」
「なんだ、貴様。その訝しげな視線は」
少女の説明に、ボクは件の精霊様を見た。
するとアンディーンは、パスタを啜りながらジト目を向けてくる。
「妾の加護が最も強い場所だからな、心配するな。お墨付き、というやつだ」
「さいですか……」
こちらの訊きたいことは、理解しているらしい。
彼女は手をひらひらとさせながら言った。どうやらその神殿というものにも、入る許可を取れた模様。
それなら、と。
ボクはみんなに意見を求めた。
「みんなも、それでいいかな?」
「私は構いませんよ」
「僕もです」
ミレイラとマルスも、頷く。
しかし、意外な反応を見せたのは妹たちだった。
「わたしたちは、パスで!」
「そうだね。お兄ちゃんたちで楽しんできなよ!」
なんと、三度の飯より遊びが好きな彼女たちが断ったのだ。
ボクが首を傾げていると、二人はなにやら相談を始める。そして、
「ねぇ、アンちゃんも手伝ってくれる?」
「…………アンちゃん、とは?」
「アンディーンだから、アンちゃん!」
「貴様ら、馴れ馴れしいな……」
怖いもの知らずとは、まさにこのこと。
ミィとリィは、アンディーンにニコニコとしながら声をかけた。案の定、精霊様は眉間にしわを寄せている。
だが、さすがに年少組には厳しく出れないらしい。
仕方ない、と口にしてから二人のあとについて行くのだった。
「それでは、くじ引きで決めましょう?」
その様子を確認してから、アミナは四つの棒を準備する。
なにやら、これの先端に色が塗ってあるらしい。同じ色になった者同士がペア、ということだった。そんなこんなで――。
「では、リンクさんとお姉様からどうぞ」
促されるままに、それを引く。
すると、あっさりとペアが成立した。
「私とリンク、そしてアミナとマルス、ですね?」
ミレイラがそれを確かめて、全員が頷く。
アミナがニヤリと笑っていた気がした。まぁ、気のせいだろう。
という流れで、肝試し開幕。
ボクたちはひとまず、スタート地点へ移動するのだった。
今日も頑張って書きますよー!




