3.レッスンの終わりに現れた少女。
明日も三話更新しまぁす(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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ちょうど木々や岩が混在している場所があったので、ボクとミレイラはそこへ移動する。そして、準備運動してから練習を始めることにした。
「……よしっ! それじゃ、まずは水に入ろうか!」
「は、はい!!」
ミレイラに言うと、彼女は緊張した面持ちで湖へと足を踏み入れる。
そして――。
「はうっ!?」
「ミレイラ!?」
思い切り、足を滑らせた。
すってんころりん、ミレイラはらしくない声を発して慌てる。
「た、たすけ……!?」
バタバタと必死に暴れて助けを求めていた。
ボクは、そんな彼女にこう伝える。
「あの。そこ、まだ足着くと思う」――と。
それを聞いて、ミレイラはハッとして。
ゆっくりと立ち上がった。膝上までくらいの水かさだった。
「…………」
「…………」
「それじゃ、始めようか」
「…………はい」
なんだろう。
ボクの前ではずいぶんと、隙だらけなミレイラだった。
◆
「そうそう。身体から力抜いて、そうすれば勝手に浮くから」
「は、はい!」
――ぱちゃぱちゃ。
浅いところでゆっくりと。
まずは顔をつける練習から始めたミレイラ。
現在は少しだけ離れた場所で、彼女の手を取りながらバタ足の練習をしていた。こうやって指導してみると思うのは、決して筋は悪くない、ということ。
「それじゃ、少しだけ手を離すよー?」
「え、え……!?」
そんなわけで、ボクはゆっくり彼女から手を離した。
すると――。
「あ、ぶぶぶぶぶぶぶぶっ!?」
「って!? いきなり溺れた!?」
いきなり、沈没。
それは見事なまでの轟沈だったと言えるだろう。
ボクは慌ててミレイラの身体を支えた。
「大丈夫? ごめんね、いきなり手を離して」
「い、いえ。私の方こそ緊張してしまって――なっ!」
「へ……?」
そうしていると、唐突に彼女は赤面。
ぐるぐると目を回すのだった。
「あの、その……!」
「どうしたの、ミレイラ?」
「少し近いかな、って……!」
近いとは、どういう意味だろう。
たしかにいま、バランスを保つためにミレイラの身体に触れているけど。これには別に、他意というやつは微塵もなかった。
それは先ほどまで、手を繋いでいたことからも明らかだと思うけど……。
「その、こういうのは夫婦になってから――」
ミレイラは、そう思わなかったらしい。
震える小さな声でそう言って、顔を半分沈めた。その時だった。
「えええい、この湖で勝手にいちゃつくでない!!」
「いたっ!?」
女の子の声がして。
直後に、後頭部に何かを投げつけられたのは。
ボクは何事かと思い、声のした方へと振り返った。すると、
「え、どなたですか……?」
「うるさい! 妾のことなど、いまはどうでもよいのだ!!」
水色の髪に、水色の瞳をした少女が立っていた。
だけど、その場所が問題で。
「とにかく、この神聖なる湖に不純な関係を持ち込むではない!!」
少女はなんと、水の上に堂々と仁王立ちしていたのだった……。
さぁ、この少女の正体は!?(予測はつくでしょうけど。