1.弟子ができました。
応援いただけますと、創作の励みとなり更新速度が上がります!(当社比
今日はその証拠に予定より早めの投稿です!!
あの授業の一件から、数日が経過した。
「う、なんだか視線が刺さる……」
どのような変化があったかといえば、クラスでの向けられる視線が変わったこと。というか今まで、興味すら持たれていなかったのに、あからさまに奇異の目で見られている気がした。
完全に悪目立ちをしてしまった、ということか。
「ボクは、ただ普通にしたかっただけなのに」
それでも、こうなってしまったものは仕方なし。
今後は同じ間違いを繰り返さないよう、魔力の制御をしっかり覚えなくてはいけない。そう思った。――そうなってくると、修行だ! 修行しかない!
「頑張ろう、うん」
そこまで考えて、一人で頷いた時だった。
「あ、あの! リンクさん!!」
「へ……?」
ボクに声をかけてくる少年があったのは。
驚いて見ると、そこにはとても愛らしい容姿をした男の子がいた。
サラサラな金の髪に、円らな青の瞳。整った顔立ちをしており、華奢な身体つきはまるで少女のようだ。えっと、そんな彼の名前は――。
「たしか、マルスくん……だっけ?」
「はい! そうです! マルス・アンソンです!!」
そうそう、マルスくん。
やや興奮気味に自己紹介をした彼は、公爵家の嫡男だった。
商家出身のボクとは、まさしく住む世界の違う存在。そんな彼がどうして、いまボクに声をかけてきたのだろうか?
そう考えていると、マルスくんはこう言った。
「あの、リンクさんにお願いがあるんです!」
「お、お願い……?」
「はい!!」
なんだろう。
ボクはなにか、知らないところで変なことをしたのだろうか。
そう思っていると、少年はこう大声で言うのだった。
「リンクさん――僕を弟子にしてください!!」
………………へ?
◆
「リンクさん! 購買でパンを買ってきました!!」
「いや、そういうのいいっていったでしょ……?」
というわけで、さらに数日が経過した。
マルスくんはこのように、なぜか自分から使い走りを行っている。
物凄い、目を輝かせて。ボクの周りをぐるぐると、常にくっついていた。
「遠慮しないでください、師匠!」
「師匠、ってのもやめてほしいんだけど」
どういうことなのか。
数日が経過した今でも、ちっとも分からない。
ボクはひとまず、もったいないのでパンを頬張りながら訊ねた。
「どうして、ボクが師匠なの?」
するとマルスくんは、こう答える。
「先日の授業で見せた、強力な魔法! あれに痺れたんです!!」
「あー……」
しまった。
結局、弊害が出てしまっている。
ボクは少しばかり頭を抱えた。
どうしようか。どう、傷つけずに断ればいいのだろうか、と。
「とりあえず、僕は師匠に認めてもらうまで諦めませんからね!」
「お、おおう……」
そう考えていると、そんな宣言をされてしまった。
ボクは苦笑いしつつ、さらにパンを一口。
もう、いっか。
こうなれば、新しい友達ができたと思って切り替えよう。
そう考えることにしたのだった。
◆
「アイツ最近、調子乗ってるよな」
「あぁ、ホントだぜ」
そんな二人の様子を教室の外から見て、小声で話す生徒たちがいた。
上級生である彼らは、リンクたちに敵意をむき出しにする。
「大器晩成風情が、いい気になってんじゃねぇぞ?」
静かに、そう口にした。
あからさまな嫌悪感がそこにある。
このことを、リンクたちは知らない。
そして、小さな事件は起きるのだった……。
次回は13~14時頃に。
面白かった
続きが気になる
更新がんばれ!
もしそう思っていただけましたらブックマーク、下記のフォームより★★★★★評価など。
創作の励みとなります。
応援よろしくお願いいたします!
<(_ _)>