3.想定外の決着。
趣味に走った感は否めない(グロ注意
そんでもって、今後の更新ペースについてご相談をあとがきに。
※爆睡かましました。とりあえず、一日3話目標に頑張ります。
「いやはや。まさか、貴方があの少年に手を施すとは思いもしませんでしたよ」
「なに、少し見どころがあったのでな。どうなるかは、予想できんが」
暗闇の中で、二人の男が話していた。
一方は相手に敬意を払っており、互いの関係性が見て取れる。
「あの少年も幸せ者ですな。まさか、最新魔法の試験者になれるとは」
「もっとも、力の増幅に副作用がある。場合によっては……」
「場合によっては、どうなるのですか?」
もう一方の男は、そう訊ねられてニヤリと笑った。
「そうさな。まずは精神が不安定になり、さらに進行すれば――」
◆
「え、これって……?」
ボクは自身の周囲を保護する防御魔法を見て驚いた。
いったい、誰が援護してくれたのか。あの爆炎魔法を耐え切るということは、相当の実力者に違いなかった。
お礼を言いたかったが、しかし今はそれどころではない。
ボクは剣を握り直してエビルを探した。
「いた!」
彼は中空を眺めて、呆然と立ち尽くしている。
ボクはいまだ火の粉が散り付く中を駆け、エビルに肉薄した。そして――。
「喰らえええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
力の限り、炎剣を振るう。
その一撃は確実に、棒立ちしている相手を捉えたと思われた。
そう、ボクは思った。
だが直後に、信じられない光景を目の当たりにする。
「消え、た……!?」
エビルの姿が掻き消えた。
まるで、最初からそこには誰もいなかったかのように。忽然と。
だけどすぐに、ボクは背後に彼の気配を感じ取った。
「しまっ――!?」
殺される。
そう、直感した。
彼の拳が眼前へと迫り、思わず目を閉じて――。
「……がはっ!」
「え……?」
いつまで経っても訪れない痛み。
それを不思議に感じつつ、目を開けるとそこには……。
「エビ、ル……?」
血の塊を吐き出し続ける少年の姿があった。
拳はボクの目の前で止まり、やがて文字通り『落ちた』のだ。
「これ、って……!?」
目を疑う。
だが、事実だ。
ボクを翻弄して、圧倒的な力を振るった少年。
「…………!」
エビルの身体が腐り、崩れ始めていた。
腕が、脚が、すべてが腐敗して。醜く地に落ちていった。
そして、最期に残ったのは声。
エビルは一言、こう言い残してこの世を去った。
「ミレイラ、さま……すき、です……」――と。




