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36/56

3.想定外の決着。

趣味に走った感は否めない(グロ注意

そんでもって、今後の更新ペースについてご相談をあとがきに。


※爆睡かましました。とりあえず、一日3話目標に頑張ります。








「いやはや。まさか、貴方があの少年に手を施すとは思いもしませんでしたよ」

「なに、少し見どころがあったのでな。どうなるかは、予想できんが」




 暗闇の中で、二人の男が話していた。

 一方は相手に敬意を払っており、互いの関係性が見て取れる。



「あの少年も幸せ者ですな。まさか、最新魔法の試験者になれるとは」

「もっとも、力の増幅に副作用がある。場合によっては……」

「場合によっては、どうなるのですか?」



 もう一方の男は、そう訊ねられてニヤリと笑った。



「そうさな。まずは精神が不安定になり、さらに進行すれば――」







「え、これって……?」



 ボクは自身の周囲を保護する防御魔法を見て驚いた。

 いったい、誰が援護してくれたのか。あの爆炎魔法を耐え切るということは、相当の実力者に違いなかった。

 お礼を言いたかったが、しかし今はそれどころではない。

 ボクは剣を握り直してエビルを探した。



「いた!」



 彼は中空を眺めて、呆然と立ち尽くしている。

 ボクはいまだ火の粉が散り付く中を駆け、エビルに肉薄した。そして――。



「喰らえええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」



 力の限り、炎剣を振るう。

 その一撃は確実に、棒立ちしている相手を捉えたと思われた。



 そう、ボクは思った。

 だが直後に、信じられない光景を目の当たりにする。



「消え、た……!?」



 エビルの姿が掻き消えた。

 まるで、最初からそこには誰もいなかったかのように。忽然と。

 だけどすぐに、ボクは背後に彼の気配を感じ取った。



「しまっ――!?」



 殺される。

 そう、直感した。


 彼の拳が眼前へと迫り、思わず目を閉じて――。




「……がはっ!」

「え……?」




 いつまで経っても訪れない痛み。

 それを不思議に感じつつ、目を開けるとそこには……。




「エビ、ル……?」




 血の塊を吐き出し続ける少年の姿があった。

 拳はボクの目の前で止まり、やがて文字通り『落ちた』のだ。




「これ、って……!?」




 目を疑う。

 だが、事実だ。

 ボクを翻弄して、圧倒的な力を振るった少年。




「…………!」




 エビルの身体が腐り、崩れ始めていた。

 腕が、脚が、すべてが腐敗して。醜く地に落ちていった。



 そして、最期に残ったのは声。

 エビルは一言、こう言い残してこの世を去った。






「ミレイラ、さま……すき、です……」――と。





 


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「基礎しかできない錬金術師が最強になる話」新作です。こちらも、よろしくお願い致します。 ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
[気になる点] こんな決着の付き方か、とは言え、国家反逆罪でエビルの家は一族郎党処刑が決定したな。
[良い点] テンポ良く話が進み、読んで楽しいです。 [気になる点] 大器晩成と早熟の最終的な差や最長度合いの差などが、どれくらいなのか等の描写が無いので疑問が残ります。 [一言] 毎日1〜3話程度で大…
[一言] 無理せずに、出来たら無理しない程度で 1日1話希望ですm(__)m
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