2.ミレイラの決意と、リンクの危機。
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「リンクは……!? 助けに行かないと――」
「お姉様、落ち着いて下さい! あの方なら、問題ありませんわ!」
リンクの落下直後。
頼りにしていた相手がいなくなったことに動揺する姉に、アミナはあえて冷静にそう告げた。いつもならこういう時、慌てるのは自分。
しかし今に限って、ミレイラは弱っていた。
だから、彼女を守るために頑張るのだと自身に言い聞かせたのだ。
「それに、お姉様に何かあって悲しむのはリンクさんですわ!」
「アミナ……」
ミレイラもそれを察してか、次第に落ち着きを取り戻し始める。
一つ深呼吸をしたのちに、アミナはこう続けた。
「大丈夫です。リンクさんは、わたくしに勝った方ですから」――と。
彼の強さは、自分が一番知っている。
妹にそう念を押されて、姉はしばし考え込んだ。
そして、こう言う。
「それでしたら、信じましょう。ただ――」
真剣な表情で。
「ここから、魔法による援護はさせてください」
「お姉様……?」
それに対して、アミナは首を傾げた。
不思議そうにする妹に、ミレイラは小さな笑みを浮かべる。
「アミナには私の本気を見せたこと、ありませんでしたよね?」
そして、凛々しい表情になって魔法の詠唱を開始した。
いつにないことに、アミナは驚く。そんな彼女の顔をちらりと見てから、ミレイラはこう呟いた。それはまるで、祈りを捧げるように。
「リンク、頑張って……!」――と。
◆
「うらあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「くっ――!?」
エビルの強力な拳が、ボクの剣を打つ。
するといとも容易くそれは、半ばでへし折れてしまった。
「こんな馬鹿げた力、ありなのか!?」
まるで、アミナの大剣を受け止めた時のような威力。
そんな人間離れした攻撃に、ボクは思わずそんな声を発してしまった。とっさに炎剣――アミナ曰く『フランベルジュ』――を作って、相手を牽制する。
さしものエビルも、炎の剣には警戒心を抱いたようだった。
一度距離を取ってから、なにかを呟いている。
うまく聞き取れず、ボクはジッと耳を澄ませた。そして――。
「しまっ――!?」
その答えにたどり着いた時には、足元に魔法陣が発生していた。
エビルが行っていたのは、高速詠唱というもの。そして、それによって発生した魔法は――。
「く、まさか! こんなの――」
炎魔法の中でも、上位に位置している爆炎魔法――『エクスプロ―ジョン』だ。
しかも、並の威力ではない。高まる魔力は、確実にボクの命を弾き飛ばすだろうと、そう確信できた。
とっさに防御魔法を使おうとするも、間に合いそうにない。
「あっはははははは、消しとべぇ!?」
魔法発動の光が、この身を包み込んだ。
そして、ボクは顔を覆って――。
「――――!」
直後、世界の終わりを告げるような爆発が起こった。
次回更新は、20時にできたらいいかな。
※すんません、寝落ちてました。本日中には更新します。