4.我慢してきた。
うおお、もうちょい加筆したい!w
いつか書き足すかもしれないので、その時は報告します(`・ω・´)ゞ
応援いただけますと幸いです!
頑張りますので、よろしくっす!
「リンク、なにを……?」
ミレイラは突然のことに困惑した。
それと同時に、少年の力が想像以上に強いことに驚く。
また、それだけではない。彼女を抱きしめるリンクは――。
「泣いて、いるのですか?」
静かに、肩を震わせて泣いていた。
なにに対しての涙なのか、それがミレイラには分からない。
もしかして、またも同情の涙なのだろうか。そう考えて、ふと気持ちが落ち込んだ瞬間だった。
「ホントに……!」
「……え?」
「ミレイラは、ホントに馬鹿だよ。大馬鹿だ……!」
リンクが、彼女にそう言ったのは。
「馬鹿、ですか……?」
ミレイラは、彼の意図が汲み取れずにそう訊き返した。
すると少年は悔しげな声色で、こう続ける。
「いま苦しんでるのは、ボクじゃない。間違いなく、ミレイラのはずなのに。どうしてそんなに、他人のことばかり心配してるんだ……!」――と。
ぐっと、また腕に力がこもった。
まるでそれは、彼女の心がどこかへ行ってしまわないようで。繋ぎとめるために、必死になっているようでもあった。
ミレイラはその時になって、思うのだ。
あぁ、この人は違うのだ――と。
事情を知る者はみな、彼女を腫れもののように扱うか、同情するかの二択だった。それを知ったミレイラは、心配をかけまいと強くあらんとする。
そうしている間に、ほとんどの者が彼女を心配しなくなった。
そして、彼女もまたそれで良しとしていた。
だがリンクは、それを間違いと言う。
「ホントに、馬鹿……!」
「リンク……」
だから彼は、泣いているんだ。
それは決して同情の涙などではなく、怒りや憤りの涙。この時になってミレイラは初めて、自分の過ちを叱ってくれる人に出会った。
相手のことをまっすぐに見て、間違いを間違いと言える人に。
思えば、この少年は初めからそうだったのだ。
彼女を色眼鏡を通してではなく、ありのままの少女として見ていた。
「…………!」
それを理解した瞬間に、ミレイラは――。
「私は、そうなの……」
あの日、枯れ果てたと思っていた涙を流した。
頬を伝ったしずくが、リンクの肩に落ちる。それをまた、理解した瞬間――。
「私は、辛かったの。ずっと……!」
ずっと、溜め込んでいた感情が溢れ出した。
そこからはもう、ただ流るままに。
「ごめん、なさい。お母さん……! わたし、助けられなかった……!!」
残してきた後悔と共に。
一人の少女として、今までの苦しみから。
ミレイラは、この時ついに解放されたのかもしれなかった。
次回更新は、朝に1~2回くらいです。




