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5.少年の決断。

ここまで、ある意味大きな序章かも?

次回、あるキャラの視点で幕間を挟みます。


応援いただけますと執筆(ry








「この国を変える、かぁ……」



 ボクは自室のベッドに身を横たえながら、ボンヤリとミレイラの言葉を思い返していた。彼女はこの国に起きていることを真剣に語り、伝えてくれている。

 だから、その場で可否を決めるのは失礼に思えたのだ。


 そんなわけで、優柔不断にもボクは一晩の暇をいただいたわけで。



「かといって、ボクに務まるのかな。そんな大きな役割が」



 でもって、めちゃくちゃ悩んでいるわけで。

 ボクは半身を起こして、おもむろに自分の手を見るのだった。



「…………」



 あまり大きくない、そんな手のひら。

 国の未来を語るにしては、笑えてくるほどのそれだった。

 それでもミレイラは、そんな手を必要としている。



『あらゆる人に、あらゆる機会を与えられる国に』



 彼女の語った言葉で最も印象深いのは、その一言だった。

 いまのガリアは、一部の者たちが生まれながらの能力のみで、すべてを手にしている。貧富の差もそれによって拡大を続けており、いずれは崩壊を招くという話だ。

 そのために、ミレイラはボクに白羽の矢を立てたという。


 平々凡々な生まれであり、大器晩成という『ハンデ』を背負ったボクに。



「でも、それって――」



 ――ほかにも、あてはまる人はいるのではないか。


 そう思ったが口にしはしなかった。

 担ぎ上げるのにちょうど良かったから、ボクなのではないか。

 そのように考えて、しばしの時間が流れた。結局、その可能性は拭えない。でもだからといって、それを証明することもまた、できなかった。


 何故なら答えは、ミレイラの心の内にしかないのだから。



「そうなると、最後は結局……」



 ボクはふっと息をついた。

 そして、あの時の真剣な彼女の表情を思い出す。



「ボクが、ミレイラのことを信じているか――それだけ、だよね」



 そう、最後に残るのはそんな曖昧なこと。

 出会って間もない彼女の言うことを信じて、手を取るか否か。



 ボクはそれを考えて――。



「そんなの、決まってるよ」



 思わず苦笑いを浮かべるのだった。




 夜空には、綺麗な星々が浮かんでいる。

 一つ一つが個性をもって、力の限りに輝きを放っていた。




 ボクはそれに、少しだけいまの状況重ねるのだった。




 






 翌日の明け方、学園にて。

 ボクはミレイラと待ち合わせて、まだ誰もいない中庭にやってきた。

 すると彼女はすでにそこに立っていて、こちらを緊張した面持ちで迎える。



「答えを、お聞かせ願えますか?」



 ミレイラは静かに言った。

 そんな相手に対し、ボクはあえて明るく返す。



 たくさん考えたからこそ。

 そして、ボクは彼女の友達であるからこそ。



「うん、よろしく! まだまだ未熟なボクだけど、それでよければ!」



 手を差し出す。

 すると、それを見てミレイラは心底ホッとしたように微笑んだ。



「ありがとう、ございます……!」



 ボクらは握手を交わす。




 忘れてはいけない、決意の朝。

 その瞬間から、小さな歯車は回り始めたのだった。



 


次回は14~15時くらいに。という、あてにならない予想。

前倒し的な意味で。


面白かった

続きが気になる

更新がんばれ!


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<(_ _)>

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