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1.事件の始まり。

第4章、開幕!

サスペンス?風にしてみました。

最後は犯人ざまぁですので、お楽しみに!







 ――少年は、憧れを抱いていた。



 王族はすべての国民から、尊敬と畏怖を集める存在である。

 この少年もその例外ではなく、当初は純粋な気持ちを持って彼らを見ていた。しかしあるきっかけを境に、その感情はドロドロと濁ったものへと変貌する。


 その発端は恋だった。


 少年は三年前に、魔法学園へと入学することが決まる。

 最初は喜んだ。何故ならそこには、憧れの対象である王族――ミレイラ王女も通っていたのだから。憧れの存在に近付けた、そう思って彼は彼女のいる教室へと向かった。


 だが、そこで思いは打ち砕かれる。

 恋に落ちると同時に、現実を突き付けられたのだった。







「結局、昨日のアレはなんだったんだろ?」



 ミレイラとの歓談翌日。

 ボクは早めの登校をして暇していた。

 なので、昨日の帰りしなに言われたことを思い返す。彼女曰く、学園で危険な動きがありボクが狙われている、とのことだった。



「なんで、ボク……?」



 誰もいない教室で、そう呟く。

 考えれば考えるほど疑問は大きくなった。

 それこそミレイラのように、立場のある人間が狙われるなら分かる。だがボクはそれから対極の人間だった。

 家は平凡な商家だし、成績は最近上向きだけど平凡だし。


 とても目立った人材ではない、そう自負していた。



「うーん、とりあえず外の空気でも吸うか」



 やはり考えても分からない。

 なので、ボクは気分転換に教室の空気を入れ替えようと窓を開いた。

 そして頭を出して、風を顔に浴びる。春から夏に移っていく最中のそれは、温もりがよく感じられて心地よかった。


 そう、思った瞬間。



「師匠、危ない! 下がって!!」

「へ――て、うわっ!?」



 ちょうど登校してきたマルスが、ボクにそう声をかけた。

 そして――ガシャンっ!



「え、えぇ……!?」



 弟子(仮)の声に従って顔を引くと、鼻先に何かが通過。

 その何かが割れる音がして、ボクは改めて階下を覗き込んだ。すると――。



「あ、ぶない……!!」



 そこには、花瓶だったものが散乱していた。

 ボクの教室は二階にあるのだが、どうやらさらに上の階から落ちてきたらしい。偶然に登校してきたマルスが声をかけてくれなければ、どうなっていたことか……。



「師匠、大丈夫ですか!?」

「あ、うん……ありがとう。マルス」



 息を切らして教室に飛び込んできた少年に、ボクはひとまず礼を言う。

 すると彼は、それどころではないとこう叫ぶのだった。



「事故じゃないです! ハッキリ見ました!」



 緊張した面持ちで。




「師匠が顔を出した瞬間に、誰かが上の階から花瓶を……!」――と。




 ――貴方が狙われている。



 マルスの言葉を聞いた瞬間。

 ボクの脳裏にはミレイラの言葉がよみがえり、背筋には砂が流れた。



「え、嘘でしょ……?」



 だが、まだにわかに信じられない。

 それでも、この出来事を皮切りに信じざるを得なくなるのだった。



 


次は23時くらいかな。


面白かった

続きが気になる

更新がんばれ!


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<(_ _)>

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