4.王女からの忠告。
次回、第3章終了。
遅くなりましたが第4章より、明確な敵が出ますので(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
応援いただけると執筆速度が爆速的に上がった結果、一日7回とか更新してました。もっとお願いします。
歓談を終えて、ボクとマルスは帰宅することに。
短い時間だったけれど、いろいろなことを知れた良い機会だった。そう思い改めて、ボクはミレイラに感謝を伝えようとした、その時である。
「リンク? 最後に、一つだけよろしいですか」
「え、どうしたの」
予想外に、彼女の方からそう声をかけられた。
なんだろうと思いながら、ボクは手招きされるままにミレイラのもとへ。すると耳元でこう囁かれたのだ。
「学園で、少し危険な動きがあります。貴方を狙っていますので、お気をつけて」
「え…………?」
それは、想像もしない内容。
ボクが狙われている? ――いったい、誰に。
そう問いかけようとしたが、ミレイラはすぐに離れてニッコリと笑った。
「それでは。今日は楽しかったです」
「……う、うん! こちらこそ!」
彼女の視線を追うと、こちらに近付いてくるアミナとマルスの姿。
どうやら、二人には聞かせられない内容のようだった。
ボクはそれを察して、必死に笑顔を作る。
「…………」
それでも、やはり気になった。
いったいミレイラは、どういうつもりでそれを伝えたのだろう。
そして、ボクを狙う者の目的はなんなのか。考えても分からないことばかりだ。
ここはひとまず、彼女の忠告通りに身辺に注意を払うことにしよう。そう思いつつ、ボクは王女姉妹に手を振りながら王城を後にするのだった。
◆
「お姉様、なにを話したんですの?」
「あら。なんのことですか?」
「とぼけないでください」
「まぁ、怖い」
少年二人が去ったあと、アミナは姉にそう訊ねた。
すると、あからさまな演技をするミレイラ。それを見て妹は、ほんの少しだけ頬を膨らせるのだった。そして、あっさりと核心を言い当てる。
「まさか、リンクさんの身に危険が?」――と。
ミレイラはアミナの言葉に、ほんの少し感心したようだった。
「アミナ。少し、勘が鋭くなったのでは?」
「以前より、他人に興味を持てるようになりましたから」
「ふふふ。それは、リンクさんのお陰、ですね」
「そうです。だから、教えてください」
妹の成長を喜ぶ姉。
しかしアミナの方は、それどころではないとこう続けた。
「リンクさんを狙っているのは、誰ですか?」
するとミレイラは、静かに息を吸い込んでから妹に耳打ちする。
それを聞いたアミナは――。
「そんな、浅はかな……!」
あからさまに不快感を露わにする。
そして、こう姉に訊ねた。
「お姉様は、どうして動かないのですか」
「そうですね。もちろん、彼なら問題なく乗り越えられると思っているのと――」
ミレイラは少し考えてから、こう答える。
窓の外に、帰り道を行く少年たちを認めてから。
「同時に少しだけ『期待しているから』ですかね?」――と。
そこにあったのは、悪意などではなかった。
いうなれば、ある種の信用。
信じているからこそ、様子を見る。
ミレイラはそう妹に告げて、最後に一つだけ頼みごとをするのだった。
次回更新は14~15時くらいかな?