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4.王女からの忠告。

次回、第3章終了。

遅くなりましたが第4章より、明確な敵が出ますので(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

応援いただけると執筆速度が爆速的に上がった結果、一日7回とか更新してました。もっとお願いします。







 歓談を終えて、ボクとマルスは帰宅することに。

 短い時間だったけれど、いろいろなことを知れた良い機会だった。そう思い改めて、ボクはミレイラに感謝を伝えようとした、その時である。



「リンク? 最後に、一つだけよろしいですか」

「え、どうしたの」



 予想外に、彼女の方からそう声をかけられた。

 なんだろうと思いながら、ボクは手招きされるままにミレイラのもとへ。すると耳元でこう囁かれたのだ。



「学園で、少し危険な動きがあります。貴方を狙っていますので、お気をつけて」

「え…………?」



 それは、想像もしない内容。

 ボクが狙われている? ――いったい、誰に。

 そう問いかけようとしたが、ミレイラはすぐに離れてニッコリと笑った。



「それでは。今日は楽しかったです」

「……う、うん! こちらこそ!」



 彼女の視線を追うと、こちらに近付いてくるアミナとマルスの姿。

 どうやら、二人には聞かせられない内容のようだった。

 ボクはそれを察して、必死に笑顔を作る。



「…………」



 それでも、やはり気になった。

 いったいミレイラは、どういうつもりでそれを伝えたのだろう。

 そして、ボクを狙う者の目的はなんなのか。考えても分からないことばかりだ。

 ここはひとまず、彼女の忠告通りに身辺に注意を払うことにしよう。そう思いつつ、ボクは王女姉妹に手を振りながら王城を後にするのだった。







「お姉様、なにを話したんですの?」

「あら。なんのことですか?」

「とぼけないでください」

「まぁ、怖い」



 少年二人が去ったあと、アミナは姉にそう訊ねた。

 すると、あからさまな演技をするミレイラ。それを見て妹は、ほんの少しだけ頬を膨らせるのだった。そして、あっさりと核心を言い当てる。



「まさか、リンクさんの身に危険が?」――と。



 ミレイラはアミナの言葉に、ほんの少し感心したようだった。



「アミナ。少し、勘が鋭くなったのでは?」

「以前より、他人に興味を持てるようになりましたから」

「ふふふ。それは、リンクさんのお陰、ですね」

「そうです。だから、教えてください」



 妹の成長を喜ぶ姉。

 しかしアミナの方は、それどころではないとこう続けた。



「リンクさんを狙っているのは、誰ですか?」



 するとミレイラは、静かに息を吸い込んでから妹に耳打ちする。

 それを聞いたアミナは――。



「そんな、浅はかな……!」




 あからさまに不快感を露わにする。

 そして、こう姉に訊ねた。



「お姉様は、どうして動かないのですか」

「そうですね。もちろん、彼なら問題なく乗り越えられると思っているのと――」



 ミレイラは少し考えてから、こう答える。

 窓の外に、帰り道を行く少年たちを認めてから。



「同時に少しだけ『期待しているから』ですかね?」――と。




 そこにあったのは、悪意などではなかった。

 いうなれば、ある種の信用。




 信じているからこそ、様子を見る。

 ミレイラはそう妹に告げて、最後に一つだけ頼みごとをするのだった。



 


次回更新は14~15時くらいかな?




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