1.第一王女からの招待。
第3章の始まりです。
少し短いですが、次回からちょっとずつ動かせたらな、と。
応援よろしくです_( _´ω`)_
「え、ボクに会いたいって人がいるの?」
「そうですわ。わたくしの姉なのですが、学園の四つ上でして」
「お姉さん、ってことは――ミレイラ王女様!?」
御前試合から数週間が経過した、そんなある日。
教室でボンヤリとしていると、アミナがそんな話を振ってきた。まさか、アミナのお姉さん――第一王女のミレイラ様が、ボクなんかになんの用だろうか。
いや、アミナに勝ったのだから目に留まるのはおかしくないのか……?
「凄いですよ、師匠! ミレイラ様といえば、慧眼の持ち主と名高いです! ――あの方に興味を持たれるってことは、将来を嘱望されていることに他なりません!」
「それは、言いすぎなんじゃない? ……マルス」
そんな話をしていると、公爵家嫡男がやってきて鼻息荒くそう言った。
彼は家柄もあって、王族とは近いと思うのだが。どうして、そこまでミレイラ様のことを特別視するのだろうか。
ボクが苦笑いしていると、アミナがこう言った。
「決して言い過ぎ、ということはないと思いますわ。ミレイラお姉様は、本当に価値がある方としか会話すらしないことで有名ですから」
「そ、そこまでなの……?」
「えぇ、そうです」
「…………」
それを聞いて、ボクはにわかに怖気だつ。
なんだろう。アミナも王族なんだけど、語弊を恐れなければ異次元に思えた。そのような人と話をするなんて、一般商家の人間として荷が重すぎる。
また、両親に心配されるんだろうな……。
「それで、明日なのですけど。時間はありまして?」
「ある、けど……?」
「それでしたら、王城にきてくださいまし」
「早速!?」
なにやら、トントン拍子に話が進んでいく。
ボクは思わず声を上げてしまったが、見聞を広めるには好機かもしれなかった。将来的には家業を継ぐつもりだし、国の情勢を知るのは悪くない。
それに、そんな下心以外にも興味はあった。
失礼な話、怖いもの見たさ、ではあるけれど……。
「それでは、決まりですわね。マルスもきますか?」
「え、いいの?」
「わ……わたくしが、一緒にいたいのです……」
「あ、うん……」
と、そんなことを考えていると。
なにやら、少年少女の甘酸っぱい青春の一ページが刻まれていた。
それをニコニコと眺めていると、二人は視線に気づいてそっぽ向いてしまう。
「それじゃ、ひとまず明日。よろしくお願いいたします」
「うん、分かったよ」
というところで、今日の話は終わりだった。
決まってから考えたことなんだけど、そういえば――。
「か、菓子折りの一つでも持っていった方が良いのかな……?」
そんなわけで。
ボクは、必死になって作法を確認するのであった……。
次回更新は、午前中に少なくとも一回予定。
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