今世の目標。
「とにかく!大事なことは一つだけよ!」
これだけは言いたいと、母が三兄弟の目を順番に見て言う。
「あなたたち、今回こそ結婚しなさい。いい加減に孫抱かせなさい!」
「……」
「……」
「……」
「返事は?」
顔が綺麗だと余計に怖いな……。
結婚は前世から言われ続けているが、迫力が違う。
「母様!僕まだ9歳だよ!結婚なんてまだまだ先だし!」
ぺぇ太!ナイス!そうそう私達まだ子供だし☆
そもそも成人すらしてない子供に急かせ過ぎだ。
「大丈夫。なんとかなるから!」
まさかの返答である。
「!!っなんともなんないよ!」
ぺぇ太ことウィリアムも驚きの声を挙げる。
「か、母様……まずは長男からです!わっ君……ゲオルグ兄様がまず、結婚します!私はゲオルグ兄様が結婚したら考えます!」
こういうものは年上からだよね。
「あっずるっ!ちょっ……えっと……母様落ち着いて!俺もまだ……15歳だからっ前世感覚だとまだ中3だよ?やっと狩りにも連れていって貰えるようになったばっかりだし……」
その調子!兄様には頑張って言い訳を……と思っていたが、
「ゲオルグ…この世界ではね男は16歳で結婚できるのよ!エマっ女は14歳からよ!あなた前世でもそう言って結婚しなかったでしょう!」
「「くっ」」
要らないことばっかり思い出してる!やりづらい!
母には勝てない。
「大丈夫。早速明日から婚約者選びを始めることにするわ……」
この話題になると父様は終始無言。
触らぬ神に祟りなし。である。
こうして、
第一回田中家家族会議にて、今世の目標が半ば無理矢理決定した。
今世の目標 三兄弟の結婚。
母にとって大事なことは一つだけ