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田中家、転生する。  作者: 猪口
辺境の地 パレス
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第一回田中家家族会議。

第一回、田中家家族会議である。


エマの小屋はエマの虫愛の城だけでなく、スチュワート伯爵家の蚕研究所でもあるため小会議室なんかもあったりする。


エマは物心ついた頃から虫に執着し、それ故に虫に関してだけは天才的な才能を開花させた。


エマが交配を繰り返し、餌を改良し、飼育環境を工夫した結果パレス領の蚕は一匹の体長がまさかの50センチ位になっている。


目標は一匹一ドレスの絹糸量だったがこれ以上巨大化させると世話や餌の負担が膨れ上がり採算がとれないため、今は体長キープで繭の量を増やせないかと研究している。

エマ……恐ろしい子……。


そんな勝手知ったるエマの小屋の小会議室に家族全員集合し、転生について話し合っていたのだが……。


眩しい……。


弟だけでもキラキラしてるのに×3倍である。

父と兄も金髪に紫の瞳。

二人とも甘いマスク……ではないが、しっかり整っている。あとなんか強そうだ。

母も金髪だが瞳の色は薄い緑である。

母は母で、強そうな感じの迫力美人で、怒ると怖そうだ。

……いや、めちゃくちゃ恐かった、エマの記憶では母が一番恐い。

還暦をがっつり過ぎていた父と母も、今では前世の娘と同じ年である。


ああ……でも迫力系美人憧れる。


自分も母と同じ金髪に薄い緑の瞳でキラキラではあるが、母と父の強そうなところを上手い具合に避けて作られたようなぽけっとした顔をしている。何故だ!?

これからはもうちょっと見た目にも気を使おう。何せ、虫のことしか頭になかったエマである。挽回出来るかもしれない。

その辺のところ、元超平凡家族田中家はどう思っているのか聞いてみる。


「みんな……なんか美形過ぎない?」


「いや、この世界こんなもんだって」


兄ゲオルグは普通に答える。

なんと!この世界、こんなもんらしい。

エマには人間の美醜の感覚が無く(全く興味がない)、港目線で見ているからなのか、それともエマ以外はやはり前世の記憶が今のところ薄いからなのか、違和感を感じているのは前世100%の記憶をもつ港だけのようだ。


そして、前述したように弟は儚げ美少年だし……。


「前世はみんな黒髪黒目の地味顔だったからギャップがツラい!」


みんなあんなに美形なのに、前世の姿とダブるから余計やるせない気持ちになる。


「いや、エマは今も前世の港も最高に可愛いよ」


父レオナルドがにっこりとボケでなく言う。今も昔も娘に安定の激甘らしい。



港とぺぇ太が持っていた、転生知識を家族に話したあとの雑談の方が盛り上がってしまっている。

肝心の説明やらなんやらも「輪廻転生」という、特にオタクの知識無くとも日本人ならなんとなく理解できる東洋思想があるため家族全員拍子抜けするほどすんなりと受け入れていた。

あまり深くは考えないタイプの一家である。


因みにこの国での黒髪は王家の血筋を意味する。

黒髪の方が珍しいと言う状況は日本人としては不思議な感覚ではあるが、金髪の白馬に乗った王子様はこの国には存在しない。


兄の言うようにこのキラキラした美形が普通なら、今後どれ程眩しい思いをすることになるのか期待しておこう。



ほっこり会議である

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 体長50cmのかいこ、ベルギーの動物園にいたわ。
[良い点] のんきものが集まって相談しても深刻になりようが無いのはお約束 でも一応ヒロインぽけっとした顔ってひどいですw 港さんもう少し表現を柔らかくしてあげてw
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