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俺のとなりの編集者  作者: 作者
第3章
13/19

俺のまわりへ、「ご馳走様です。」

 俺が笑えば、誰かも笑う。俺が手を振れば、相手もさらに手を振り返す。俺が暗くなれば、まわりも自然と重たくなる。それだけで俺の生きている価値がある。



 実はお酒の席に行くまでの午前中から昼にかけて、母親の付き添いでボランティアをやってきた。そのボランティアというのは、ゆるキャラの中の・・いや、ゆるキャラのお手伝いをするというものだった。そのゆるキャラとは2回目のご対面だったのだが、相変わらず身体がでかくて、おじいちゃんごろの年頃なのに毛並みがつやつやしていて凛々しい。今年の音楽シーンで流行っている「カーモン・ベイビィー・ヤキニク」とかの踊りもしっかりやっていて、今の時代ご年配方もお元気だな・・と感じさせてくれた。

 そんな俺は、子どもたちに握手するように勤めさせたり、ご立派な方たちの挨拶にお辞儀を託したり、記念撮影の動きをお手伝いしたりしていた。やはり、子どもたちは純粋でかわいいと思う俺だ。

 そうそう忘れていたが、俺の編集者もなかなかいい顔をして頷いてくれている。ではなく、ただ眠たさのあまりにコクリコクリと寝落ちを我慢しているだけか?


 ご子息さまという立派な扱いをされてしまったが、俺は普通に会場設営をして、堂々と上着を脱いだ(あくまでも、お手伝いで。中身では…ない)。だてにライブ設営の仕事をしていなかったせいで、パイプイスの繋ぎだったり間隔だったりとか、自分にうるさく周りに勝手に許可無く手直ししてしまった。


 しかも年相応の格好ではなかったのだろう。高校生ぐらいに見えたらしく、年齢を公表したらこっちの方がびっくりするぐらいの驚きをされてしまった。ほら観ろよ、立派な青髭だろ。背は小さいしやっていることは幼いが、どこか清純さが無いだろう?ベビーフェイスだとか青臭さが無いとか、イケメンだとか。どっこもそんなの自分で持ち合わせて生きてるつもり無かったんですけど。

 なんなら、今から「僕」主張・・・始めようか?



 それより、


 俺を魔性だという。

 いろんな人に笑顔を振りまいて、ふり回しているという・・。



 それで殴られたこともあったけ。話したこともあるかもけれど。




 俺はアイドルになる気は無い。求めれるのは望む。人の役に立ちたいから。

 求められてもとめられて、3人同時に名を呼ばれたことが何回もあった。でも人間だからいつかは失態を犯すと思って、その幸せはいらないと願った。切に願えば願うほど落ち着いていった。でもそれは自分から願うものではないのかもしれない。俺が感ずるに、知らずに知らずに人に深い傷を負わせていたらしい。誰も口にはしないが、俺の姿を眼で追う相手の顔は、腫れ物を触るような顔つきで身体を正面に向けてという体制ではなかったからだ。



 俺が笑えば、誰かが嬉しい。俺が相手に気付いて手を振り返せば、相手はさらに振り返す。俺が暗くなれば、まわりはその闇を背負わされて重くなる。

 そうやって生きてきて、俺の編集者がいつの間にか現れた。


 俺の生き方に物申す人物が、俺の胸の奥で生まれた。


 俺の胸、心で会話しだすやつが生まれた。



 俺の生き方を「間違っている」「間違っていない」と言う判断で会話してくる、編集者が生まれた。





 それが、俺の編集者のはじまりーーーー

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