新キャラですよー、すらいむー
「え?遊びに来たい?」
「うん。エ○本やるからさ。」
「要らねぇよ!」
***
彼は石田 勇輝。
少年…将太の幼馴染、兼親友だ。
ホモっぽいとか言ってはいけません。
モテにモテる、いわゆる“イケメン”というやつだった。
さらにスポーツもでき勉強もできるという非のつけどころの無い委員長。
6年生になる来年は生徒会長も期待されている。
いわゆる優等生だが、実は悪戯好きという側面も持っていた。そして理解力が他人の100倍くらいある。
「おじゃましまーす!」
「はいよー…母ちゃん買いもんだから部屋入ってて、飲み物入れてくるから」
パタパタ、バタン。
「ふー…あっちぃ…勝手にエアコンいれちゃお」
ピッ。
「あれ?こんなのあったっけ?」
***
「勇輝ーアイスティーでいいかー?」
「おー、なぁ、これなんだ?」
勇輝はすらいむの飼育箱を指していた。
「カブトムシかなんか?」
そうやって電気スタンドを下ろし始めた。
「や、やめ…」
「え?」
「なんだ、これ…」
***
「ふーむ。」
「勇輝…信じて、くれるか…?」
勇輝はすらいむに飴を転がしつつ唸った。
「こいつはなんなんだろうな…ふむ。変身か…」
そもそも疑う気はない。
「まぁ、家でも考えてみるよ。もうこんな時間だし。」
「あ…」
そうこうしているうちに6時半だった。
「そうそう、はいこれ!」
勇輝が差し出したのは紙袋。
「ありがと…?」
「じゃな!また明日!」
勇輝はパタパタ、と走っていった。
「きゅーぴ?」
すらいむは誰?という感じで顔(?)をあげた。
「ああ、友達の勇輝だよ。ゆー、うー、きー。」
「きゅー、きゅー、ぴー?」
うまく発音できないようだ。そんな所もかわいい。
「ふふ、違うよ。ゆ、う、き。…さぁおいで」
スコップを差し出し、ゲージに入れた。
「将太ー、ただいまー」
母親がパタパタとのぼってくる。
「んー、おかえりー…」
「将太の好きなポテチ、買ってきたわよ」
母親はちらりと将太を覗いた。
「あぁ…ありがと」
ニコッ、と母親は笑った。
「あら?」
が、紙袋が目に留まる。
「どうしたの、これ」
ガサガサ、と中に入ったものを出すと…
そりゃもうすごいエ○本だった。
その日の日記は無かったそうだ。