プロローグ
見切り発車で書き置きなしの不定期更新、亀更新ですがよろしくお願いします。
~プロローグ①~
~ねぇ、知ってる?この国には影の特殊部隊があってスパイとかテロリストとかを暗殺してるんだって。本当かな?~
~えー、暗殺とか犯罪じゃん。国家がそんな犯罪をやる組織なんて持ってるはずないじゃん~
~国民を守る為に法に縛られずにスパイやテロリストに対応する為の組織らしいよ~
~ふーん、法を守らない人に法に縛られてちゃ対応仕切れないってことかな?~
ある深夜のマンションの一室。少女二人がコタツで丸まりながら噂話に華を咲かせていた。
その窓の外を黒い人影が通ったことに少女達は気付くことはなかった。
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とある地方政令指定都市の街中を駆け抜ける人影があった。ただそれだけなら何ら不思議でもないありふれた光景、何処にでも見られる日常だ。
だがその人影はビルの壁を蹴ったり、屋上から屋上へ飛んだりして駆け抜けて行く。
黒い袴を着て、腰には大小の日本刀を差し、黒いマフラーで鼻まで覆い、黒い頭巾を目元深くかぶりほとんど顔は隠れてしまって人相はほとんど分からない。が、その眼光は鋭く、睨むだけで人を射抜けそうな鋭さである。
その人影は郊外の廃ビルの前で立ち止まり、躊躇することなく中へと入って行く。中に入って5分程経ったところで中から怒声や悲鳴が立て続けにあがるがそれも数秒の内に静かになってしまう。
さらに1分程すると先程の黒い袴の人物が廃ビルから出てくる。
「状況終了」
そう呟いたかと思うとその人物は闇の中へと消えていった。
そしてその人影と入れ替わるように黒塗りのセダンとワンボックスが数台が廃ビルを取り囲み、黒いスーツの男達が中へと入っていったのであった。