王都シャトール
アレイ達は無事に森を抜け、王都シャトールに到着し門兵により検問を受けていた。
「どこから来たの?」
「あー…森の中から。」
「森で近くって言ったら強欲の箱庭じゃないか!そんな所で暮らしてたのかい!?」
門兵は驚きながら聞き返す、アレイはミスをしたかと思ったがその後の門兵の言葉に安堵する。
「Bランク推奨のダンジョンでまあ…解ったよ。入国許可書を発行するから少し待っていて?」
そうして、門兵は詰所の中に入っていった。 ロアと顔を見合せなんとかなったとか思っていると先程の門兵が二枚の紙を持ち戻ってきた。
「これは一日滞在許可書だよ、二人はまず冒険者登録をした方が良いそうすれば身分は協会が保証してくれるから。それとこの王都には今人族最強と言われる冒険者、ヴェルが来てる。だからもしかしたら一目見れるかもしれないね。」
「人族最強?」
アレイは不思議に思い聞き返すと門兵は答えた。
「人族最強と言っても三人いるんだけどね。その内の一人がいま王都に来てるって事だよ。」
そういい苦笑しながら教えてくれると、門兵は扉に決められた魔術を使い門を開けた。
「さて、時間かかっちゃったね。ではようこそ
王都シャトールへ」
そう言いながら門兵は街の中にアレイ達を案内すると、元の持ち場に戻っていった。
アレイ達は無事に入国できた事に安堵すると、門兵の言っていた
冒険者協会を目指すことにした。歩きながら周囲を見渡すと武器屋や防具屋、雑貨屋と言った店から始まり、露店としてアクセサリーやアイテムを売っていたりと街のなかは活気に満ちていた。
「結構活気あるなー、やっぱ王都はこんなもんなのかな?」
アレイは初めにもらった知識が大陸の名前とそれぞれの国の名前ぐらいで、他は魔術や魔物と言った情報であった為に生でみる街の様子にわくわくしていた。
「我も初めて来るゆえに解らないが、
人族はこうして過ごすのか、ふむ…」
ロアは隣でぶつくさ言いながらなにやら考えごとをしていた。
「ってかそーだよな、ロアは元魔物だもんな」
アレイはすっかり人の姿で定着しているロアを見て元々魔物だったと思い出した。
それにしても狼が人間になるって魔術は不思議だな
アレイは心の中でそう思い、協会の場所を聞いてない事に気がつき声をあげる
「あっ!!」
「ん?」
突然声をあげたロアは不思議に思い見ると、アレイは頭を抱え言い出した。
「どうした主よ頭痛いのか?」
「んなボケいらねぇって‼ちげーよ‼協会の場所聞くの忘れた‼」
アレイは即座に訂正すると、ロアは近くの露店に行き店主に話しかけた。
「すまない、冒険者協会の場所を教えてくれないか?」
「ん?協会だったらこの道を真っ直ぐ行けばあるぞ?あんちゃんら王都は初めてか?」
「そうなのだ、何分初めてきて迷ってた所なんだ」
「そう言うことか!だったら真っ直ぐ行くと月の灯りって言う宿屋があるからその反対側が協会だぞ!」
「わかった、ありがとう」
それだけ会話しロアはアレイのもとに戻ってきた。
「主よ、どうやら真っ直ぐ行けばあるらしいぞ」
「あー…わかった。ありがとな、」
アレイはロアに礼を言うと、歩きだした。