師匠として
アレイは冒険者に辿り着きヴェルの作った特殊な空間で対峙していた
「急に模擬戦なんでどうしたんだい?アレイにしては珍しいね」
ヴェルはいつも通りに余裕そうな雰囲気でアレイに話し掛ける
「最近愛の奴が戦える様になってきたからな、師匠として遅れをとらんようにしないとと思ってな」
「そういう事か、ていうかそういうの気にするんだ?」
そういいアレイは神器創造を使う、能力を使うとアレイの正面に一振りの神々しい雰囲気を纏った西洋剣と後ろ腰にそれを納める鞘が出現する。
ヴェルは産み出された西洋剣を苦笑するようにみながら言った
「また、とんでもない剣を産み出したね。見るだけでも解るよ」
「こんなのはどうって事ないさ、ただ物凄く頑丈な剣なだけだ」
産み出された剣を握り一度鞘におさめると、続けて短く詠唱し神術を唱える
「神羽」
アレイが術を唱えると背中に白みかかった透明の羽がうまれる、そして懐から金貨を1枚取り出すと
「これが落ちたら開始で良いか?」
「もちろん。いつでも良いよ」
そういい金貨が落ちると、アレイは即座に転移しヴェルの前にいくと火属性上級、爆炎を唱える。
「うわ、びっくりしたー。アレイ中々容赦ない攻撃する様になったね」
「それにしても、今の攻撃2つ同時に魔法を使った様に見えたけどそんなことできるの?」
結局なんなくは回避してはいるが、ヴェルは気になった事が有ったのかアレイに尋ねる
「からくりがある。」
「それは?」
ヴェルが返す言葉でアレイに聞き返すと、アレイは自らの魔力を創り出した神剣に注ぎ込み剣を振り払い魔力でできた刃を飛ばすのと同時にアレイの神羽から走る光線が射出される。
「と言っても、今までの術の応用だからな。特にからくりがある訳でもない」
そんな会話をしながらアレイは次なる攻撃を仕掛けようと魔力を練ろうとするが、いつの間にかヴェルがいなくなっており
「そうなんだ。でもまだまだ隙が多いんじゃない?」
ヴェルはそう言いながら背後から剣を振り落とそうとするが
「それは、誘導だな」
アレイはそう言うのと同時に神術を発動する
「神式・光の断罪」
「っ早いね」
アレイが神術を発動するとヴェルの全方位から光の線が射出されるがヴェルは宙空で飛び跳ね、飛び跳ねた方向から迫る神術を剣で防ぎ回避する。
「やはり、神術は消しづらいのか?」
アレイは一言そう言い、更に神術を紡ぐ
「神羽・雷装」
神術を発動するとアレイの背の羽と剣に雷が纏い始める。その光景を宙空にいるヴェルは眼を見開いた
「さて、これくらいじゃどうにもならんと思うが取り敢えず威力がみたいからくらってみてくれ。」
アレイが一言そう言うと空間転移を唱えヴェルの目の前に跳躍し神剣を生み出した際の能力を発動する
「解放・神雷剣」
「え?まってまって、それやばーーー」
アレイが鍵言を唱えると、剣に膨大な雷が収束されていき刀身を全て黄色に染め上げた瞬間に横薙ぎに剣を振るった。
その瞬間に刀身から解き放たれた雷は瞬間的に巨大化しヴェルに当たった、とてつもない爆発音と共にヴェルを一瞬で吹き飛ばすと、アレイは宙空から空間転移により地面に降り立つ。
「・・・」
アレイはしばらく吹き飛ばされて行きつつも途中で何度も爆発しながら飛んで行くヴェルを見ながら沈黙を保つ。最後に一際デカく雷が爆発し攻撃が終了した
ヴェルを吹き飛ばす前に何か言っていた気がするが取り敢えずは聞いてないことにしてアレイはヴェルが戻ってくるのを待つ。
そしてしばらくした後、
「アレイ!なにそれ!」
少し衣服が焦げ付いているヴェルがひょっこりと顔をだした。
「・・・やっぱ生きてんだな」
少し半目になりながらアレイは問いかける
「生きてんだなってヒドイな!、あんなのくるなんて聞いてないよ!」
ヴェルは少し怒り気味に答えた
「どうせ大した事ないって言うんだろ」
アレイはこいつは何したら死ぬんだろう?と考えながら言った。
「そりゃあ僕からしたら大したことないかもしれないけどあんなの普通の人たちにつかったらダメだからね!?」
「なんでだ?」
「あんな強力な技を使ったら普通だったら耐えられないから!僕でさえ急に不意を撃たれたら防ぎ切れない部分があるのにさ!」
今回ヴェルは完全無傷ではなく服が少し焦げており、つまるところほんとに軽微だが負傷させることができたと言う事になる
「・・・ほー。確かに。服は焦がす事ができるようになったか」
そういいアレイはヴェルの服を見た後にもう一度ゼロ距離で使おうかと思ったが、おちゃらけているように見えて油断はしてない雰囲気のヴェルを見てやめた
「・・・次は喰らわないってやつか」
アレイがぼそっと呟くとヴェルは少し笑いながら答えた
「さすがにね?こんな攻撃を何度も食らってたら身がもたないからね」
苦笑した様にヴェルが言ったのを聞き、アレイは訓練を終えることを伝える。そしてヴェルが模擬空間を解除すると冒険者協会から出ていき、屋敷に帰っていった。




