同象玉 愛ver 1
扉を開け中に入った愛は説明を受けた通り同象玉を砕く。すると砕けた同象玉が光の粒となりやがてそれが実態を伴いながら現象化していく。
背丈は成人男性より少し小さく黒髪に素直そうな顔立ち、Yシャツに黒色のブレザーに制服のズボン。愛の姿となんら変わりなく生まれるとゆっくりと眼を開き、拳を構える。
愛は自らの分身を見てまるで鏡に映る自分がそのまま
でてきた印象を受け、一種の嫌悪感を抱く。
そして拳を構えた分身は愛に話し掛ける。
「驚いた?自分と全く同じ容姿、能力、記憶を持ったやつと対峙する事なんて中々ないだろ?。良い経験だと思ってこの空間を出るときには今より強くなってくれよ。」
流暢に分身は自らに語りかける。そしてーーー
「だらだらと話しても埒が空かないから、試験を開始するぜ」
そういい分身は自らに身体強化の魔術を掛けると、愛に接近し拳を振るう。
迫りくる拳に愛は、同じ様に魔術を掛けその拳をいなすが、直ぐ様目の前から火属性初級下位、 貫く火矢が射出される。至近距離で放たれた炎の矢は愛をつき殺そうとするが愛はすかさず魔式破壊にて術式を壊す、通常であれば武器などに魔力を付与し術式を破壊するが愛の場合は拳に魔力を通す事で魔式破壊ができた。
愛は魔術を破壊すると直ぐ様、光属性初級中位の光爆を発動させる、光の球体が幾つか出現すると分身に迫り直近で爆発した。
愛は魔術を使用すると同時に距離を取り様子を伺うが、分身は無傷で爆発の中から現れた。
愛は分身が無傷で現れた事にやはりと思いながら続けざまに魔術を使用する
「術式改変・死せる暴風」
分身の腕に術式が次々と構築されてゆき、魔術が完成するとその腕を愛に向け振り切った。
局地的な鎌鼬と共に放射状に迫ってくる風刃に愛は同じく、改変した魔術により迎撃する。
「術式改変・死せる氷塊」
辺りに冷気が漂い、瞬時に地面より氷塊を次々と立ち上らせながら死せる暴風と衝突する。
魔術は激しく拮抗した後に、両方とも消滅した。
幾ばくかの戦闘を終えた後、愛は一つ気になっていたことを聞く
「お前ホントにオレの分身か?」
「そーだぜ?疑わしくなったのか?まあ関係ないけどな」
分身はそう言うと能力による力ではなく通常の魔術発動のプロセスを辿り、魔術を発動した。
「貫く一条の光」
愛は、分身の掌に収束される光を見ながら怪訝に思う、自分の能力ならば魔術を普通のプロセスで発動するよりも圧倒的に早く発動できるのに、それをしないで魔術を発動する事に警戒し、愛は分身の術式発動と共に空間転移により魔術を回避する。
放たれた光の収束砲は愛の転移前の場所を目指し射出される、一見なにも変わらぬ様に見えたが、分析すると分身の魔力が減っていない事に気付く、そして能力について愛は一つ自らすらしらない事実に気付いた。
「万象支配は細部まで指定して操作する事ができんだな。そうか。魔力のみを操作して魔術を発動したのか。」
「やっと気づいたか。万象支配は何も魔術を簡略化し発動する能力じゃない、だから、こんな事もできんだぜ?」
そう言い分身はおもむろに指を立て、一言呟く。
「穿つ大地」
分身がそう言うと、地面が勢い良く隆起してゆきながら愛に迫っていく。
「なっ!」
愛は魔術でもなく、能力による魔術でもない、大地に能力を直接使い攻撃をしてくる事に驚く、
「おいおい。まだまだこれからやってくぜ?」
「切り裂く風」
分身は一言言ったあと立て続けに能力による攻撃を続ける、そして愛は迫りくる大地と風の攻撃を防ぐため魔術を発動する。
「術式魔術・四星壁!」
愛が魔術を使用すると、愛の足元が光り輝き即座に障壁が展開される。そして鋭い風刃を障壁にて防御した。
魔力を全く使用せず魔術を使用していた分身と、自らの魔力を使い魔術を使用していた愛では残り保有魔力に大部差が開いていた
「おいおい?どーした?もー魔力切れか?」
分身はそう言いながら魔力をかき集める。愛は収束される魔力を見ながら次の手を考えるが
「これくらったら耐えられないだろ。まあオレは試験通りにやるだけだけどな。」
そういい収束された魔力は一点に集まりだし、アレイが好んで使う魔術の鍵言を唱えた。
「術式・魔祓いの一矢」
分身がかき集めた魔力は既に本来魔術に必要な量を越えていて、通常よりも極大の光となっており、破壊の力を文句なく秘めた光は分身の声と共に射出された。
「じゃーな。本体」
そう言った分身の声と共に極大の光のレーザーが射出された。




