危険はいつも隣り合わせ
あれからアレイは自らの持つ技能を分析した。能力的に完全に後衛のステータスだと気付き、近接戦闘に持ってかれた場合に直ぐに殺される事に気付く。そして対抗策として幾つか作戦を打ち立て、現在住みかとしてる洞窟の周囲探索に出掛けることにした。
アレイの考えた手段としては、術式魔術の中に莫大な魔力と引き換えに自動迎撃を行う魔術があると言うことだった。それを使用し、純粋に弾幕を増やし削る方法。または現在のアレイの魔力総量的に祈級中位までしか使用できないだろうから、魔力超速回復によってどのスピードで回復するかなど色々検証しなければいけない事もある。よって洞窟の入り口に付与した術式を通過し初めて危険を認識し外に出た。
現在アレイの住んでる洞窟の前は拓けて、基本的にこの森は所々にこういう場所があった。なぜなら洞窟をでて生命感知と魔力感知を駆使して魔物との接触を完全に控えていた、稀に急接近してくる魔物がいるがその時は術式魔術により闇の抱擁により生命力や魔力といったモノを隠蔽する魔術を使い身を隠していた。
「にしても魔物が多いな」
ある程度周囲の探索を終える頃に出会った魔物の数はゆうに20は越えていてしかも魔物の系統、姿やステータスもバラバラで中には龍族であったり属性特化してたりする魔物がいたりと実際戦闘になれば戦いかたの解らない魔物もいた。一先ず周囲の探索を終え住みかである洞窟に戻ろうとするとまたアレイの感知スキルに魔物の接近を確認し、魔術により自らに隠蔽を施す。息を潜め立ち止まっていると魔物があらわれアレイはステータスを見る。
アレイの前に姿を現した魔物は、泥の様なものが人形になり剣と盾を造っている魔物だった。
ーーー
サンドナイト
LV 565
ユニークスキル
身体操作
質量増減
アクティブスキル
闘術 LV 268
パッシブスキル
自己再生LV 300
看破LV 125
ーーー
表示されたスキルにアレイは看破が有ることを確認した瞬間に、アレイは直ぐに物理攻撃に対する魔術障壁を発動する。それが展開終わった後にはサンドナイトは腕の部分を槍の様な形に形状変化させ、次の間に投擲した。アレイはそれを物理障壁により防御するとサンドナイトは連続で投擲しながらアレイに接近してきた。
アレイは泥の槍を魔術障壁で防ぎつつ、逸る気持ちや焦りを押さえ込みながら対峙している魔物を分析する。どうやらサンドナイト自体は攻撃間隔と移動速度に関しては対応しきれない早さではなく、アレイは其処に勝機を見出し周囲を感知スキルで伺いながら反撃を開始する。
アレイの考えた基本的な戦闘方法としては、自動迎撃魔術とアレイ自身の魔術と二重魔術による遠距離攻撃だった。自動迎撃魔術とはアレイが敵と認識した相手に対して初級下位から上位までの属性魔術をアレイの決めた属性でしようし続けるという魔術だった。
「延術・二重」
初めて魔術創造により作成した
魔術はアレイの総魔力量のおよそ7割の莫大な魔力と引き換えにアレイの背中に羽として表れる。そして目の前の魔物に対して標準を定める為の魔言を呟く。
「延術・氷術栄冠」
そして、両の羽が詠唱装置となり魔術がサンドナイトに飛来する。針の様な氷を飛ばす初級下位の氷針、中位の足元を氷により固め行動阻害する氷平、
上位の頭上より剣を象った氷を落とす氷剣。
それらの魔術をランダムで自動で発動させている間にアレイは現在自らの使えるもっとも強い魔術を唱える。
「降り落ちる罰」
アレイの使用した魔術は上級中位に位置する光属性の魔術だった、魔術の効果としては対象周囲に光の柱を出現させ消滅させる魔術であった。
延術・二重によりサンドナイトが身動き取れない状態を作り追い討ちを描けるように魔術攻撃をすると、もはや氷づけとなりつつあるサンドナイトに対しては止めとなる攻撃になった。
完全に倒した事を確認すると、アレイは周囲を確認しながら移動し拠点である洞窟に入り探索を終えた。