同象玉
オリビアと予定を話し別れた後、四人で学園に向け歩き出す、先程いた男の子達はオリビアが構築した空間を解除した時にはもうすでにいなくなっていた。
魔法国家アトリビアの学園の一般的な入学試験は実技試験で得意な分野の一番得意な技を見せ、合否を決められる。だが一般的な入学時期を過ぎ特殊期間と言われる時期に入学しようとすると試験の内容がかなり変わってくる。
アレイ達は学園に辿り着き編入試験受付と書かれた部屋に入って待っていた。辺りを見渡すと通常の入学時期じゃないにも関わらず人がごった返しており改めてこの学園が世界最大だと意識するそんな中、愛が忙しなく辺りを見渡していることに疑問を覚えアレイは愛に話しかけた
「どーした?」
「いや、学園なのに大人もいるんだなって思いました」
言われて辺りを見渡せばちらほら大人もいる。身なりがいかにも戦士然とした人物に術師の恰好をしているなど、周りを見ているだけでも子供たちだけではなく大人もいる事が学園のレベルを証明している。
そんな感じで周囲を見渡していると、正面にあった扉から人が出てきて入学試験に対し伝達の術式を使い説明を始める
「初めまして、試験の担当を務めさせて頂くウリアムです。」
アレイは扉から現れたウリアムを見ると、学園の講師と言うこともあってか中々レベルの高いモノを感じた
と言ってもアレイの出会った人族のみでの計算だが。アレイがそんな事を考えながらふと愛の方を見るとしっかりと話を聞いているように見えた。
「さて、今回の試験内容ですが、今年も例年通り同象玉による試験を行います。同象玉とは対象者の能力、スキル、ステータス、性格を読み取り全く同じ人間を作り出します
なのでそちらの自らの写し人間である同象玉と戦って頂き制限時間までに勝利か引き分けで合格とします。そしてもし戦闘中に気絶か致命傷を負った場合、敗北と言うことで不合格とします」
そういいウリアムは一区切りついた
「試験は学園の作り出した特殊空間で行います。以上です。なにか不明な点がありましたら質問してください」
ウリアムが試験内容を喋り終えると、少数の大人達が質問する。
アレイはそれを眺めながら自分自身と戦うと言うのはどんなもんかと考えていた。
そしてふと、愛の方を向くとなぜかアレイをじっと見ており、少し居心地の悪くなったアレイは愛に聞く
「なんだよ?」
「いやー……師匠の分身かーって思ってさ。」
「別になんもないだろ。」
「いや、一言詠唱で祈級の魔術をぶっぱなす人はなんもなくないです!」
アレイの問いに愛はとっさに言葉を返す、ルベリオで邪族と戦った時の事を言っているのだろうか。それにしたって今に始まった事では無いし、なにより神片闘技を使用すればその程度の魔術は連発できる。
アレイがそんな事を考えている間に試験は進んでいき、ようやく愛の出番になった。
「次の方!前へ!」
最初はごった返していた人も今ではだいぶ疎らになり、空間的に余裕ができていた。そんな中愛は呼ばれウリアムの所に行き、同象玉を貰い説明を受け部屋に入る。
アレイはそんな始まった試験に対し、無事に合格することを祈りながら待つ。自分自身との戦闘がどんなものかを想像しながら。




