絶望的な差
アレイはエンジェルラビットと出会った場所より魔力感知を使いながら移動し崖を見つけ術式魔術により洞窟を作り、洞窟の入り口に侵入者が入るとアレイに知らせる術式魔術の、風の知らせを使用し、洞窟の中にいた。
さっきであった魔物、エンジェルラビットは知識によると経験値を豊富に持っておりまず遭遇すること事態が奇跡と呼ばれている魔物らしい。アレイは知識に間違いが無いかも解らないため実感が湧かないが、取り敢えずはそう言う事にしておきこれからの事を考えた。
まず食料問題だな。後は危険な魔物の把握と俺自身の強化をしないと。それから.....
アレイが物思いに耽っていると、洞窟の入り口で使用した風の知らせから侵入者が来たことを確認する。アレイは即座に考えを辞めて入り口の方を見ると人の子供と同じ位の大きさで肌の色が緑色の魔物、ゴブリンが三体居た。
ーーー
ゴブリン
LV 239
アクティブスキル
格闘LV78
闘志LV48
パッシブスキル
索敵LV12
ーーー
どうやら他の二体も同じスキル持ちである事を確認するとゴブリン達は一斉に襲いかかってきた。
「暴風の矢」
アレイはとっさに魔術を使用し、風の矢を二本生み出すとゴブリンに向け射出する。まっすぐに魔術が二体のゴブリンに直撃するとゴブリン二体は倒れたが、最後の一匹が近距離に入りアレイに殴りかかるが、それをしゃがみ転がるように距離を取ろうとするがすかさずゴブリンが距離をつめてくる。ゴブリンは絶えずアレイに攻撃を仕掛けるがアレイから一瞬気をそらすとすかさずアレイは魔術を発動した。
「魔弾」
アレイの使用した魔術は本来、無属性初級下位の魔力を圧縮した球体を高速で対象にぶつける魔術だが、緊迫した空気内での使用でより殺傷力の上がった鋭い円盤上の形として表れ、ゴブリンに射出され切り裂いた。
三体のゴブリンを倒した後に、ひとまず荒くなった呼吸を整えるとアレイはより安全な拠点を作るために能力創造によりスキルを作る。
ーーー
アレイ・ホーストン
LV 500
ユニークスキル
能力創造
アクティブスキル
属性魔術LV250
術式魔術LV160
術式付与LV55
魔術創造LV40
パッシブスキル
詠唱破棄LV100
無詠唱LV80
術式構築LV40
多重詠唱LV40
魔力超速回復LV80
魔力感知LV80
生命感知LV40
魔力操作LV40
ーーー
ひとまず、なぜゴブリンがあれほど接近するまで気付けなかったかと考えると結論として魔力感知に反応しなかった事が解った。奴らは魔物の癖に魔力を魔術として発動する術が無いため魔力感知に掛からなかったとアレイは考えた。現に今は新しく創った生命感知にはしっかりと洞窟周囲に存在する魔物の気配が増えた事を確認できたからだ。
更に、魔術について思考する。知識によるとどうやら魔術は使用する魔力の量や威力、魔力操作によって難易度が有るらしくそれぞれが初級、中級、上級、最上級、煌級、祈級、戦級、神級と別れていてそれぞれの級に更に下位、中位、上位と段階が有るらしい。当然難易度が上がる毎に魔力消費量も莫大になっていくという仕組みになってるらしい。
魔力に関しては超速回復があるから問題はない、なぜなら使用した瞬間に自動で回復していくからだ。ただ、レベルが存在する事が気になるが。
そこまでアレイは考えると、取り敢えず目の前に先ほど倒したゴブリンを処理しようと服を持ち一体づつ引きずり洞窟の外に出す
それを三回繰り返し洞窟に入り、今度は入り口に術式魔術と術式付与を組み合わせアレイの許可したモノしか入れない術式を付与し洞窟の中に入ろうとすると先ほどゴブリンを捨てた場所に何かが走ってくる音を聞き、慌ててアレイが後ろを振り返ると、
そこには神々しい雰囲気を纏った巨大な狼がいた。狼はアレイをじっと凝視する。アレイも目を離さず狼を凝視するとやがて害が無いと判断したのか一声、心の底に響く様な声をあげると茂みから三体の小さい狼が出て来てゴブリンを加え引っ張っていった。
その間狼は一瞬もアレイから視線を外さずに小さい狼がゴブリンをくわえて茂みに戻るまでアレイを警戒していた。やがて完全に小さい狼が姿を消すとアレイに向け一声あげると巨大な狼も姿を消していった。
狼を見たアレイは、絶望の淵に叩き落とされた様な表情を浮かべ先ほどみたステータスを思い出す。
ーーー
タイニーウルフ
LV 1500
ユニークスキル
王の証
アクティブスキル
魔闘技
下位属性魔術
└火・水・風・土
パッシブスキル
身体強化
危機察知
索敵
ーーー
洞窟の入り口で放心するわけにもいかず、アレイは中の拠点に戻ると先ほど見た狼に対して出会った際の対処を考える事になった
全ては、この世界で生き残る為に。