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能力創造者と苛烈な異世界  作者: タピタピ
異世界国家と能力創造者
28/53

邪族

アレイはプレアに掛けていた術式を解除する、身動きの取れるようになったプレアは身体の動きを確かめながら言う


「全く、こんな拘束するなんてヒドイじゃないですか」


「まてまて!さっきまで戦ってたよな!?俺達!」


アレイは戦闘をしていたと言うのに自らにあらぬ疑いを掛けられている状況に必死に対抗する。


「ええ、まあ戦ってはいましたが、どうせ倒すならもっと綺麗に倒してほしいですね」


「なんだよ、綺麗に倒すってよ……」


アレイは疲れたように呟くと気を取り直してプレアに告げる。


「それで、俺が勝ったから邪魔しないんだよな?」


「そんな約束はしてませんが…まあもう一度やっても勝てないでしょう。私も無駄な戦闘は嫌いですからね」


プレアはそう言い笑うと、アレイも戦わない約束が取れたからかつられて笑う。



そして、アレイは勇者召喚の儀が行われてる扉に向け歩き出そうとしたが、いきなりプレアに腕を掴まれ阻止される。アレイが足を踏み出そうとした地点に火属性初級下位、炎弾フレイムが着弾するとアレイは直ぐに魔術の射出先を見る。するとそこには以前見た黒ローブの男と裏切り者のロワが居た。ロワはこちらを見ながらにやにや笑い声をかけてくる。



「おや?、七天使者セントエミシリット筆頭のプレアもどうやら倒す事ができなかったようだ。さすがはAランク級の冒険者と言ったとこでしょうか。だが今のタイミングならお二方共に消耗してるでしょう。疲労も顔に浮かび上がっているし、殺すなら今がチャンスですね。」


ロワはそう言うと、一つの術式を唱え始める。アレイは構築される術式を見て厄介な術式で有ることを確認すると直ぐ様賢術を唱えた


「術理・バニッシュぶる風刃ウィンド


属性魔術の中では最速に分類される術式の一つである荒ぶる風刃だがアレイが使用する場合賢術以下の魔術での防御ならば問答無用で突き抜けるモノになる。それは案の定黒ローブの使用した障壁を突き抜けロワに到達したと思われるが、ロワの目の前で風の刃は打ち消された。


アレイは怪訝な表情を浮かべ、どういう原理で賢術が弾かれたのか分析する。スキルによる防御で有ることは確かだが、ロワはそんなスキル持っていなかったはずだ。アレイが思考しているとロワは術式の構築が終ったのかアレイに話しかけてくる


「ふふ。そんな魔術じゃ私に傷はつけられませんよ。さて準備も終ったので死んで頂きましょう」


ロワはそう言い構築した術式を唱えた。


「術式・異形召喚パンドラ


ロワが術式を唱えると上空の空間が軋み禍々しい穴が開く、そこから無数の赤い眼が光りアレイ達の方を見ていた。



アレイはロワの唱えた魔術の構築式を思い出す。すると過去に同じ様な魔術を見たことを思い出した。竜玉谷ドラゴンヘッドで悪魔の唱えた配下召喚パンデミック、比較的記憶に新しく自らが進化するにあたったあの惨劇に酷似する現状にアレイはロワに一つ尋ねる。


「お前、人間か?」


アレイがそう問いかけると、ロワは不気味に笑う顔から邪悪な笑みを浮かべ、高笑いと共に姿を変えていく。


「フハハハハ!!!!」


耳障りな叫び声と共にロワであったモノは姿を変え、黒い肌に血の様な赤い眼の男になった。


「やっぱりな……おかしいとは思ったんだよな」


アレイは緊迫した雰囲気の中で言う。そして誰かが隣に立つのを感じ横目で見るとプレアが大剣を構え立っていた。


「満身創痍の身ですが、助太刀します。あれはこの国にとって邪悪な存在です」


プレアは油断無く武器を構えながらアレイに加勢することを告げる。


「悪魔族が今回の首謀者か、ったく。竜玉谷ドラゴンヘッドもそうだし、悪魔族って言うのはこんな現れるもんなのか。」


アレイがそう言うと、赤目の男は苛立った様な顔を浮かべ訂正する


「人間、俺を悪魔族と一緒にするな!俺は魔神様より勅命を受けているモノだ。お前らの言い方だと邪族ってやつか?崇高なあの方の思考を理解できん愚図どもめが!」


男は、悪魔と間違われた事に怒り、自らの種族を告げる


「邪族?……ってーと。邪族と天族にあったら逃げろって言われてっけどこんな状況じゃ逃げるも何もねーな。」


アレイは現状を見返しながら、思う。そして邪族のステータスを覗こうとするが、覗けなかった


「ん?人間今ステータスを見ようとしたのか?、やめておけお前程度の実力じゃ俺のステータスなんて到底見れんよ。まあだが、俺もこの世に顕示したばかりだからな。少し遊んでやろう」


邪族の男は平静に戻り言いながら空間から一振りの剣を取り出す、そして勇者召喚の行われている扉を背に剣を構え言った


「雑魚ども、相手してやろう。おいロイグ、お前は中に入って儀式の手伝いをしてこい。俺もこいつらと遊んでから直ぐに入る」


邪族は黒ローブの男に指示をし、扉の中にロイグが入ったこを確認する、邪族の一瞬のよそ見を狙いプレアは瞬時に神片能力を使い斬りかかるが、邪族は余裕を持ちながらプレアの剣を受け止めた、邪族の剣とプレアの剣が交差しあい鳴り響く音を聞きながら邪族は冷静に言う


「ふむ、中々だな。雑魚に変わりは無いが今の内に殺した方が良い雑魚であったか。む?」


邪族はプレアと鍔迫り合いをしながら言う


「防げよ!プレア!」


「術理・灼熱シャル・息吹ブレイズ


アレイはプレアに声を掛け、それからプレアが邪族の動きを止めている内に術を唱える。超高温の球体が出現すると次の瞬間前方に向け爆発しプレアごと焼きつくそうとするが




現れたのは無傷で切り結び合う邪族とプレアだった。


「ははは!!お前ら中々やるな!前衛が抑えている内に前衛事巻き込む大規模魔術か!油断も満身もないな!、だが煌級ごときの術では俺は倒せんぞ?それに、この女もそう長くはもちまい」


邪族はどうやら味方事巻き込み自らを殺そうとする試みに感嘆を受けたのか口元に笑みを浮かべながらプレアの攻撃を全て受け流す、実際はプレアに関しては方向操作が有るため通じないのだが邪族はそれを知らない。


「やっぱか、そりゃそうだよな。こんなレベルじゃ効果ねーか

。あと味方がこんなもんでやられるんだったら前衛任せてねーよ」


アレイはそう言い、プレアに支援術式を唱える


「助かります、ですがあまり長くはもちません。」


感謝の言葉を述べながらプレアはひたすら邪族を切り刻もうと剣を振り続ける。もはやアレイの眼には一つ一つの剣閃が見えないのだが目まぐるしく攻守が変わっているのは解る。


「術理・魔穿ガブリ崩炎エル


アレイ自体も使用するのが初めての祈級の魔術、こんな術をいくら広い空間だとしても唱えるのはいささか気が引けるが、アレイは構わず発動する。それを見た邪族は舌打ちをしプレアを剣の一振りで弾きとばし、そしてそのままアレイに斬りかかろうと近寄るが一足遅くアレイの賢術が発動する



邪族の周囲に灼熱の息吹で出現した超高温の球体が七つ出現し、

球体は邪族の回りを付いてゆき一瞬で邪族にぶつかり火柱を立ち上げる、



火柱は対象を燃やし尽くすまで消えない様になっているがあの邪族の事だし何かしらの方法で蘇ってきそうなのでアレイは警戒をとかずに待つ。そして案の定火柱はなにかにより消し去られた



炎の中より現れたのは所々焼け焦げている怒りの表情を浮かべた邪族だった。


「まさか祈級の術式を行使するか、人間よ。その位の魔術を使える術師は俺等にとって天敵だからな、ここで殺してやる」


「単一属性攻撃無効ってやつかそりゃ、んで?」


アレイは脳裏に響く声を頼りに邪族を攻略しに掛かる。


(全く、あれほど戦うなって言ったのに…まあそのタイミングなら仕方ない逃げられないのも解るけどさ、邪族、天族は単一属性による攻撃無効を持ってるから、物理なら武器に補助属性を魔術なら祈級以上の魔術をそれか合成魔術だね。とにかく複数の属性で攻撃できる事が前提条件になる。んでそれをクリアしたらーーー)


アレイは耳のイヤリングによる通信で攻略法を聞いていた。邪族は何かを狙っているのか身動きを取らない。


(ってかヴェルが転移で来て倒してくれよ)


アレイは他力本願全開で頼み込む、が。


(ばっか!僕だって今魔族と戦いながら通信してんだからね!アレイが珍しく掛けてくるから通信してるのに!こいつしかもけっこう強いし!)


ヴェルもどうやら交戦中らしい。そして中々骨のある相手だと言った。人族最強の苦戦する魔族なんぞもはや魔王だろと思いながらアレイは一応聞いてみた。


(そいつ魔王じゃねえの?)


アレイが思った事をそのまま言うと


(いやいやそんな適当な感じで魔王決めないでくれる!?魔王は八英雄オクタブレイズが封印したはずだから!)


レベル20000越えが苦戦する魔族の存在なんて考えたくない、アレイはそう思いながら邪族をみる。邪族の男は黙ってこちらを見ていた。そして、いつの間にか目の前に立っているプレアに属性付与の魔術を付け、更に術翅を使用する。単純な術式構築補助として背中に三対六枚の翅を生み出し、アレイは邪族に向き合う


「俺が構築した空間内で通信魔術だと?ふざけやがって」


邪族は先ほどからどうやら通信の妨害をしていたらしい。魔術の妨害は使用している術式に対し術壊ディストリーションを使用すれば良いのだがどうやらイヤリングに施された術式のスキルより、邪族の術式スキルの方が劣っているらしく妨害ができないらしい。


(まあ、そんな感じ。取り敢えずそっちは任せた!)


そう最後に思念が飛んでくるとイヤリングの術式が消える。アレイは相変わらずの適当さにため息をつくと、気を取り直し邪族に向き合う


「待たせたな、始めるか」


アレイが話しかけると、邪族は相変わらず怒りの表情を浮かべ剣を構えていた。プレアはそれに警戒をするようにアレイの前で武器を構える


「アレイさん。先程より強い術式は?」


「使えなくねーけど、持ちこたえられるか?」


「無論です。私に任せてください、一度負けてしまいましたが私は七天使者の隊長を努めてから常勝無敗でした。あの邪神の手下からも勝利してみましょう。敗北は気分が悪くなりますからね」


最後に少しお茶目な風に言うと、プレアは神片能力を使い


「まいります!」


気合いの声と共に邪族に斬りかかる。


「先ずはお前からか!」


邪族は凄まじい勢いで放たれた一撃を手に持つ剣で防ぐと、何かに気付いたのか武器を両手に持ち先程と違いしっかりと防御しながら声を荒げる


「ちっ!」


邪族はプレアの大剣が属性付与されていることを確認すると忌々しげに剣撃を防ぎ続ける


「どうしました?さきほどより動きが悪いですよ?」


そう言い挑発すると、邪族は怒りながらも剣撃を捌き続ける


「くそ!誰だ!俺等の弱点を言ってるやつは!…待てよ?そうかっ!」


邪族は何か閃いたのか一瞬眼を見開く、そこにーーー


「油断、ですね?」


プレアは待ちに待った瞬間に自らの扱える最高の技を叩き込む


六星刃オルタブレイド


死を誘う六つの剣線が走り、邪族の身体を吹き飛ばす、そこへ術式の完成したアレイが追い打ちをかけんばかりに賢術を唱える


「術理・天地蒼雷アルティス


雷属性祈級上位の賢術は、一瞬の沈黙を見せた後に邪族の四方八方の空間から視認するだけで眼を焼かれる様な雷が絶えず襲い掛かり雷により球体が一時的にできるほどの数の雷撃が邪族の身体を貫いた。そして最後に一際大きい雷が邪族の身体を貫き爆発した後賢術が終る。



雷が無くなり現れたのは黒く焦げている邪族の姿だった。所々に雷がまだ走っており効果はあったように見える


「くそっ!俺が、やられるなんて。」


邪族は自分の敗北が信じられないのか、驚愕の表情を浮かべていた


「だが、召喚の儀はもう終わっている筈だ」


「んなわけねーじゃん。儀式はまだの筈だぜ?」


「ふふ、だが俺が空間を作成している内はお前らも出れないだろう儀式が終るまで、少なくとも俺が死ぬまでは待ってもらう。それまでは俺の部下達とでも遊んでろ!」


邪族はそう言い空中に浮かんでいる黒い穴から異形のモノを呼び出そうとする


「アレイさん!あれすっかり忘れてましたけどどうします!?」


プレアは思い出したかの様に聞く


「おい!忘れてたってダメだろ!大丈夫だなんとかやってみっから!」


アレイも正直、いつまでたっても現れないから放置してたのだが負けた時用だったのは驚いた。黒い穴から今にも飛び立とうとする異形を見ながら術を行使する


「こう言う時の為の術式ってあったりするんだよなー能力操作スキルオペレーションまじ便利だわ」


アレイはこの間造ったスキルが普通に便利なのを思う。まあ本来滅多に現れないユニークスキルを便利で片付けられるのはアレイぐらいだろうが。そんな事を小声で一人言を言いながら術式を発動する


「術理・六王術壊オルタディストリーション


無属性最上級上位、大規模魔術式に干渉し無効化する術式。異形召喚パンドラを囲む様に六つの球体が現れ、球体同士を結ぶように線が表れる、そして次々と複雑怪奇の模様を描きながら術式を囲むとかん高い音と共に術式ごと消滅する。


「ばかな!術式に干渉して無効化だと!?そんなものはーー」



そもそも、相手の術式に合わせ術式を使用と言うのは能力スキルを使用しない限りそうそう起こる現象ではないし、術式を破壊する術壊や六王術壊も難しい。本来魔術は構築完了と共に発動するため僅かな一瞬でやらなければならないが。アレイはそれを能力により無理矢理力任せにやっていた。



「そんなものは不可能ってか?、そーでもねーんだよ。取り敢えず消えとけ」


そう言いアレイは己の魔力を前方に圧縮し収束していく。能力操作スキルオペレーションにより所持しているスキルの使い方や本質などが頭に浮き上がる。それにより賢術であれば各魔術の短縮構築、必要最低限の術式の書き方、逆に威力をあげる術式の書き方などある程度までの事は知れるようになった。



そしてスキルの教えをふまえながらアレイは唯一、人族最強に中々と言われた魔術に光属性を付与し、唱えた


「術理・魔祓アグレストいの光剣レイン


圧縮し、収束された魔力の塊は一振りの光の剣に姿を変える。そしてそれが邪族の方に向くと


「くそっ!」


邪族は光の剣を見て、空間転移の術式を唱えようとするがアレイは先見により、見えていたためかまわずに使用した。




光の剣は射出と共に邪族の身体に突き刺さり、そのまま邪族を巻き込みながら邪族の造った空間に突き刺さる神々しい光を放ちながら剣は徐々に光に戻っていき最後に音もなく爆発すると、そこには邪族の姿は無く、完全に滅ぼしたのだろう。気配も無くなっていた。




邪族による空間が戻っていくのを感じ、元のプレアと戦っていた部屋に戻る。


「あーだりーおわったおわった。」


アレイはあくびをしながら勇者召喚の儀が行われている部屋に歩き出す。とんだイレギュラーが発生したが当初の目的は召喚の儀の阻止なのだ。さっさと六王術壊により壊し帰ろう。そんな事を考えながら歩いていると。


「私も、お供します」


「っは?」


後ろから聞こえたプレアの言った事に思わず振り向くと、女性らしい笑みを浮かべながら着いてきていた


「どのみち賊の浸入を許し、あまつさえ敗北。それに七天使者の隊長より貴方といるほうが刺激がありそうなので」


そう言いながら、プレアはルベリオを抜ける意思を告げる


「んーまあ、良いけどよー。旅のペースとかあわせねーからな!」


アレイは少し照れながら言う


「大丈夫です。私は貴方より体力あるので」


それをプレアは真面目に返す


「このやろう!」


「アマですけどね」


二人はそんなバカなやり取りをしながら儀式の間に向かっていった。










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