決着
槍と剣が激しく切り結ぶ、と言ってもアレイに関しては身体強化の術式と、魔闘技、能力操作、先見による4つのスキルによる底上げをし、槍術を使い、なんとかもっていると言うレベルだが。
「術師かと思ったら近距離戦闘もできるのですね。正直なめていました。」
プレアは攻撃を続けながら、アレイに話しかける。基本的に大剣のしかも加護による強化状態の人間が放つ攻撃を真正面から受け止めたら槍ごと叩ききられるの解っているので、アレイはひたすらいなしていた。
「これでもけっこーいっぱいいっぱいだけどな」
アレイは怒涛の連撃をいなし続ける。やはり即座に手に入れた力と長年の研鑽による力では技能で大きく差がでるらしい。アレイは次第に手傷を負うようになってきた。
「そろそろ限界ですか?私も疲れてきたのでいい加減、終らせましょう」
そうプレアが言うとプレアの持つ大剣が光だした。アレイはそれを見て急ぎ術式を構築する。
「では、さようなら」
「六星刃」
プレアは言霊と一緒に大剣を超高速で六回振る。そしてその剣線にそった範囲に切り刻まれた後が付く。
アレイはとっさの空間転移に寄り直撃は免れたが、片腕を切り飛ばされた。
「くっそ、いってぇな」
アレイは無くなった右腕を左腕で抑え、直ぐ様ユニークスキル損傷修復作り、使用し更に自らが使える最高の治癒系術式を唱える
「女神の祝福」
ユニークスキルと治癒術によりアレイの右腕は直ぐに治っていくプレアはその光景を見て吃驚した様に告げる
「部位欠損をその様に修復ですか……もはや人間か疑いますね。それにしても空間転移は狡いですね。まさかこの攻撃が避けられるとは、実は魔族とかそう言うおちじゃないですよね?」
プレアはアレイの状況判断能力を疑い実は見掛けよりも年を取ってるんじゃないかと思い冗談混じりに聞く。
「いってー……初めてぶったぎられたな。てかせけーんだよお前らんな訳わかんねぇ技使いやがって。ちょっと人間辞めちまったじゃねーか…あーくそ。」
ぶつくさ文句を良いながらアレイは治癒を続ける。流石にユニークスキルと言うべきか損傷はいち速く回復し元の五体満足に戻る
アレイは新しく生えた腕の調子を確かめると、槍を出現させ様とするが手元に指輪が無いことに気付く。
「武器もつくれない。それに魔力もいい加減尽きるでしょうそろそろここいらで大人しく捕まったらいかがてすか?」
プレアは油断無く大剣を持ちアレイに問う、だがアレイは不敵に笑いながらプレアに言葉を返す
「ん?魔力がない?なんのこと言ってんだよ」
そう言いアレイは、常に回復されていく魔力を解き放つ。溢れんばかりの魔力のうねりにプレアは険しい顔をしながら言う
「なるほど、魔力超速回復持ちの術師でしたか……先ほどの魔術複数展開にも驚きましたが、術師の必須スキルも持っている……単独で城に侵入する訳ですね。術師としては破格のスキルを持っている。」
プレアはアレイから溢れでる魔力をみながら言う
「そんな誉めんなよ、ってか、こんなんで驚いてたらこの先身がもたねーぜ?」
「どういうことでしょうか?」
「そりゃあ、まだまだこれからって事だし、なによりな」
アレイは腕を一回し、まるで勝負がついた言わんばかりの態度で話続ける。そんな様子にプレアはアレイの言葉の意味をさぐる
「魔力超速回復は常時魔力を自らの保有総魔力を限界とし、自然回復力を超速化し魔力を回復するスキルだ。それはスキルのレベルにより回復量や回復速度も変わってくる」
「そんな事は知っています。私も持っているので」
アレイは眈々と言葉を紡いでいく。だがプレアの言葉を聞きよりいっそう笑みを深めながら
「だろ?それが常駐能力内にあるうちのスキルの能力だが、まあそれが複数のスキルと統合するとユニークスキルになって、効果も変わんだよ」
アレイはそう言い、術翅を背中に通常ならば自動魔術発動媒体のものを術式発動補助媒体にし魔力を収束させる
「スキルが統合?スキルの変化?何を言っているのですか?」
プレアはアレイの言葉にあり得ないと言う表情を浮かべながら聞き返す、気付けばプレアはアレイの言葉を聞くために行動を止めていた
「お前の知るスキルは能力って認識で止まってると思うが、俺からすればスキルは固定されてる訳ではなく変化するって事だ」
「つまりもともと魔力超速回復は一つのスキルの中の一つの能力で単体で完成してるスキルじゃねーってことだよ」
そう言いアレイは収束している魔力を賢術へ構築していく
「させません!」
アレイが魔力を構築すると同時にプレアはアレイに斬りかかろうとするが
「もう完成してる、遅かったな。」
「術理・灼熱の息吹」
火属性煌級上位、灼熱の息吹。そもそも魔術の格付けとして初級下位から上級上位までが一般的な術師が個人で発動できる魔術だと言われている。なぜならそれ以上の魔術というのは基本的に軍が大規模魔物討伐や国家間戦争など、複数の魔術師が協力し術式を編んでいくものだからだ。だから個人で発動するというのはないことではあるのだが、
放った魔術はアレイの目の前で球状になる。そして超高温高密度の灼熱の球は前方に向け爆発し灼熱の猛威を振るう。圧倒的な熱量をもったそれは高速でプレアを燃やし尽くそうと迫る。
「はやすぎる!」
最後にその言葉を残しプレアは術式構築から術の発動までが一瞬で終わった事に驚きながら炎にのみ込まれる、だが炎の中からプレアは無傷で表れた。アレイはそれを見て何らかの能力によるものだと悟るが。
「煌級上位、灼熱の息吹ですか……まさかここまでとは…あともう少し能力を発動するのが遅ければやられていましたね」
プレアは相変わらずの口調で述べる。そして
「神片能力は知っていますか?」
プレアは仕切り直しと言わんばかりに問いかける。
「あーそう言う系統の能力か?確かに防御に特化した神片能力だったらめんどくせーな」
アレイはプレアの問いに気だるげに答える。それを不思議そうにプレアがみながら言う
「神片能力はそんな風に簡単なものでは無いですけどね……強がりなのか、馬鹿なのか知りませんが私の神片能力は言っときますが防御特化じゃないですよ?」
それを聞きアレイは気だるげながらも真面目な風に答える
「ああ、知ってるよ。スキルの効果、変化、相乗効果から理不尽な力。それらの極みに当たる神片能力が看過できないものなのもな。ただな。」
アレイは其処に一呼吸おき話し出す
「神片能力、皇女の采配。能力としては全属性適正、身体能力、魔力の著しい増加。更には方向操作か?随分と相性の良い能力に進化したな。だけどな。方向操作は確かに力の向きを即座に変えるって言う力だがそれは身体が触れていなければいけないって言う弱点もあるし、全属性適正は対象の放つ属性魔術の属性適性度によって意味も無くなる。神片能力は確かに強大な力だ、神の力の欠片とはよく言ったもんだ。
でもなー……それも使える様になってからの話だし、何より一番最初に本気で来なかった事がお前の敗因だな」
「何を言って……」
「俺にスキルがどーとか言うのが間違ってるんだよ。スキルに関して俺に再現出来ないものはねーからな。神片能力はユニークスキルの上位に位置するもんだ。だからユニークスキルから大きく逸脱することはない。逆にな、ユニークスキルであれば神片能力に進化するんだよ。」
「貴方はいったいいくつのユニークスキルを持っているのですか」
プレアは目の前の存在が急にとてつもなく異常な存在に見えてきた。そしてアレイはプレアに対しはっきりと、告げる。
「そうだなー。この闘いの前に四つか、んで戦闘中に進化したユニークスキルが一つだな。まあこれだけだ。でもよこんだけ悠長に俺と話してて良いのか?さっさと倒した方が良いと思うけどな」
そう言うとプレアははっとした様に動き出そうとする。がいくら身体に力をいれても身体は動かなかった
「なっ!」
「少しわざとらしいか」
アレイは自分が行った事に対し芝居かけ過ぎた事に失笑する。だがアレイにはどうしても時間を稼ぐ必要があった。なぜなら
「創作魔術、運動阻害術式ってとこか、神片能力持ち限定だなこりゃ。空間事固定し対象を拘束する術式を作ってみたんだが、やっぱ効果あるな。これは確かに身体に触れているから拘束する方向を変えられる心配もあったが、どこにでもある空間に対し範囲が広すぎるからちゃんと方向操作が適用されていないな。」
それにしてもアレイは術式を構築する際に限定された範囲の空間を使うのでは無く、隔離する空間固定を範囲対象外の空間と接続することで方向操作をだまくらかしたのが、どうやら無事に成功したらしい。術式は無事に効果を示し、プレアは先ほどから試しているだろう空間固定による隔離を方向操作により無効化する事を、それでもできないのだからアレイのやった事はスキルの穴を突いた闘いかただった。
アレイは身動きの取れないプレアに対し近づき目の前に立った。近づいてきたアレイに対しプレアはスッキリした表情で告げる
「早く倒しなさい。私は負けました」
アレイはその言葉を聞き子供っぽく笑いながら言う
「嫌だな、負けたやつは黙ってろ」
「じゃあどうするつもりですか?まさか……」
プレアはアレイの言葉に不思議そうな顔で話していたが、とたん
に嫌悪感を表す、それを見て身動きの取れない女性に近づき笑みを浮かべると言う自分の行動にアレイは思うところがあり焦ったように声を出す
「ばっか!ちげえよ!勝負がついたから解放しよーとしてんだよ……」
そう言うとアレイはぶつくさ良いながら術式を解除した。




