七天使者の実力
両者の放った魔術は正面より衝突すると、激しい光を放ちながら相殺する。眩い光が収まった後にアレイが見たものは赤髪の男の驚きに満ちた顔だった。
「おいおい相殺なんてそうそう起きる現象じゃねーぞ」
男はアレイの狙って起こした魔術の同時発動に不快感を露わにする、アレイはそれをみてしてやったり顔をすると男に向け挑発的に言う。
「お前の技術が拙いから簡単に真似できんだよ」
「てめーまじ殺す」
男は顔を怒りに染めながらアレイにそう言うと次なる魔術を使うために魔力を収束するが、アレイはすぐさま魔力の収束を妨害する魔術を発動する。
「術理・術壊」
魔術は男の魔力を打ち消した、そもそもが男とアレイではスキル無しでの術式構築速度から魔力収束練度まで魔術発動における工程すべてにおいて差があった。
「もーわかっただろ」
アレイは男に向けそういい止めとして魔術を使う
「術理・紅棺」
使用した魔術は、焔を対象周囲に出現させ対象を囲んだ後範囲内に爆発を起こすいった魔術だが、アレイはすんでの所で赤髪の男が魔術障壁を展開するのを確認する。
だが、術理の特性では魔術よりも一段階位の高い賢術による術の発動だとスキルの仕組み上、同系列のスキルで上位のスキルが下位のスキルに仕掛ける場合無条件で上位のスキルに打ち勝つという仕組みがあるので、アレイは障壁を展開したが打ち破られ賢術をくらう赤髪の男を見てから、ロアの方を見る。
見るとロアも金髪の男相手に有利に戦いを進めていた。アレイは自らの戦闘を終えた為ロアの加勢をしようと魔力を練るが、目の前に魔力反応を感じ視線をロアから赤髪の男に戻す。そして男は以前戦った聖騎士隊長と同じか、それ以上の光を身に纏いアレイを睨み付けていた。
「魔術じゃなくて賢術だと?くっそ巫女が予知した通りじゃねーか。流石に下位スキルじゃ上位スキルに勝てねーな。」
男は先ほどの短絡的な雰囲気を無くし、冷静な表情でアレイに話しかける
「にしても、ばけもんかよ。魔術行使における工程全てを一定ランクまで扱えないと賢術に進化しないってのは間違ってなさそうだな……まあそれより。」
光を、正確には加護を身に宿した男は腰から剣を抜き放ち魔力を集束させ術式を構築させながら、アレイを一人の敵として認識し名を告げた
「俺の名前はクラード。国賊野郎仕切り直しだ絶対捕まえて牢に放り込んでやるからな」
アレイは本気を出してきたクラードに対し、同じく槍を生み出し術式を構築する、そしてやはり煽りながら言った
「できるもんならな。王城の人間もお前ぐらいの実力だったら楽なんだけどな。」
アレイはスラムの先にある王城を見ながら言う
それを聞きクラードは怒るわけでも無く、冷静に言葉を返す。
「行かせねーから、それに言ってろ。直ぐに泣かすかんな。」
そう言いクラードは魔術を発動する。
「氷水瀑布」
氷属性上級中位の魔術は空より氷の槍と、地上から大量の水で押し流す術だった。アレイは降り注ぐ氷の槍を障壁で防ぎながら押し寄せる大量の水に術を唱える
「爆炎」
至近距離まできた水に魔術を放ち相殺、即座にアレイは賢術を発動する。
「術理・黒色惨刀」
対象の周囲に闇属性の刀を産み射出し、攻撃する魔術だがクラードはそれを寸での所で回避する。
「あんだよ、全属性持ちか?こりゃまじでやべーな。」
クラードはアレイの使う魔術属性が偏って無いために全属性を扱える、少なくとも下位属性は扱え上位属性も使えるだろうと思考した
「ったく。ほんとめんどくせーな。これで終りにしてやるよ」
クラードがそう言うと、クラードが身に纏っている加護の光が輝きだす。それを見てアレイはシェイルに聞いた事を思いだし身構える。さらに先見をフルに扱い攻撃のタイミングを計る
「あんだ?お前これ知ってんのか?まあ、知ってて避けられるものでも無いけどな。俺等が聖王直下の国防部隊と言われる由縁を教えてやるよ」
そう言いクラードは槍を魔力に還元し、両手をアレイに向ける
そして
「女神の怒り」
眩い光と共に極光の光の波動がアレイに襲い掛かる。どうやら範囲攻撃なのか、アレイの居た付近の建物も波動が触れた箇所は例外無く破壊されていて、スラム街の一部は完全に破壊されていた
そんな事は知らぬと言わんばかりにクラードはアレイの魔力反応を探知する。
「まあ、中々強い攻撃だった。」
クラードは突如後ろから聞こえた声に振り向こうとするが、
「術理・闇の誘い」
アレイは意識を刈り取る闇属性の賢術を使い、クラードを倒した




