神子と反逆者。
神子はまるで幽霊でも見たかのような、この世の者では無いものを見たかの様にアレイに問いかけた。
「しらない…俺は気付いたらこの世界にいた。それよりなんで俺が異世界人だとわかったんだ?」
アレイは神子の問いに答え、聞き返す。
「それは、わがルべリオの文献の中にな……それより今はどこに向かってるのだ?俺らは人を探さなきゃいけないから、あまり時間は無い。できれば方向が一緒だと馬車の中で話そうと思うのだが。」
神子は人探しをしているらしい。
「俺らはこれから聖王国ルべリオに向かう。
人?てかさっきから神子って言ってるけど誰だ?」
アレイがぶしつけに聞くと、ロナが神子の前に立ちアレイをたしなめようとするが神子はそれを手でせいし、喋りだす。
「なるほど、そうか。そうだ!自己紹介をしよう。
俺はシェイルと言う。聖王国ルべリオの双子の神子の弟だ。姉は巫女と呼ばれている。俺らはこれから祖国で行われる召喚の儀を一緒に阻止しようとしてくれる人間を探している所だ。」
「神子様!」
「言うな、ロナ。先程俺が召喚の儀や異世界人と述べた時点で勘の良い人間なら気付くさ。だったら真実を腹をわって話した方が後々楽だ。」
シェイルが言った事に対し、ロナは注意をするがそれを黙らせシェイルはアレイの返事を待つ。
アレイはタイミングの良すぎる現状を不思議に思うが、本来の目的がルべリオにて召喚を止める事なので素直に話す事にした。
「実は俺とロアは、ルべリオで異世界召喚を止めようと思ってる」
アレイがそう言った瞬間、ロナはシェイルの前に立ち武器の柄に手を添えながら質問をする。
「ロナ!何をしている!」
「神子様はお黙り下さい!」
途中でシェイルがよこやりをいれるが、ロナはそれを黙らせアレイ達に聞く。
「そんな都合の良い事が有るわけ無いでしょう!私達が述べる前になぜその事実を知っているのですか、冒険者だとしてもこの情報はSSSランクの、人族最強の三名と五大国の王にしか伝えてないのに。貴方達はそのどちらにもぞくさないでしょう。それに片や異世界人と言うえたいの知れない人間なのに」
ロナがそう言った瞬間、ロナは急に横にぶっ飛んだ。
「頭を冷やせ、ロナ。流石に言って良い事と悪いことが有る。お前は状況に対して錯乱している。」
見るとどうやらシェイルが魔術によりロナをぶっ飛ばしたらしい。アレイは術式の展開が見えない事に疑問をもつが黙っている事にした。そしてシェイルはロナにそう告げるとアレイの方に向き直り頭を下げる。
「すまない、うちの国の者が失礼をした。異世界の作法は解らぬが祖国の文献によると過去に召喚された事のある異世界人はこうして非礼を詫びていたらしいのでそれに倣う。」
そう言い、頭を下げて謝罪すると言う事にアレイは懐かしさを覚えるがはっきりとは思いだせず、言葉を返す。
「いやいやいや、そんな別に気にしてねーよ頭をあげてくれ……っておい!ロアも落ち着け!」
アレイが慌てて言葉を返していると視界のすみにロアが刀を抜きロナに振りかぶろうとしていた。それを止めると今度はシェイルに向き直りロアを指差しながら言う
「これでおあいこな。んで俺らで良かったら召喚阻止するの手伝うぞ」
取り敢えずアレイがそう言うとシェイルは笑みを浮かべ答える。
「助かる!ではルべリオに引き返そう!、ロナいつまで呆けてる!戻るぞ!」
なんとか大事には至らずアレイはほっとした。シェイルはそう言い。ロナに馬を引く様に言い、自らはアレイとロアと馬車の中に入る。そして座り込むと話し出した。
「期限より余裕のある内に協力者に出会えた。改めて感謝する」
そう言いシェイルは再び頭を下げる。
「いや良いって、」
「さっそくなのだが、差し支えなければユニークスキルを隠したステータスを見せて欲しい。なるべくお互いの情報を交換しときたい。」
そう言い、シェイルはまず自らのステータスを見せる。
ーーー
シェイル
LV 1600
ユニークスキル
ーーー
ーーー
ーーー
アクティブスキル
属性魔術LV800
術式魔術LV750
パッシブスキル
魔力超速回復LV500
魔力操作LV550
ーーー
アレイはシェイルのステータスを確認し、自らのステータスを見せる。
ーーー
アレイ・ホーストン
LV1650
ユニークスキル
ーーー
アクティブスキル
属性魔術LV890
術式魔術LV950
術式付与LV650
魔術創造LV500
現象付与LV100
パッシブスキル
詠唱破棄LV500
無詠唱LV620
術式構築LV400
多重術式LV100
多重詠唱LV500
魔力増大LV100
魔力超速回復LV650
魔力感知LV542
生命感知LV496
魔力操作LV600
ーーー
ヴェルと試験を行うだけでレベルが大幅に上がり、更にはスキルも強化されたステータスをシェイルに見せる。シェイルはステータスを確認し驚愕の表情を一瞬浮かべるが直ぐにおさめ、アレイに言う。
「まて!なんだそのスキルは!現象付与や魔術創造なんて聞いたことがないぞ!」
そうシェイルが聞くと、アレイはスキルについて説明をする
「現象付与はモノに対して新しい効果を付属するスキルで、魔術創造はその名の通り新たに魔術を創りだすスキルだな。」
「まあ、俺のステータスはこんな感じ。ところでここからルべリオまでどのくらい掛かるんだ?」
アレイはスキルについて答えてから、シェイルに道中について聞く。
「なんだその軽さは……まあ、いいか。そうだなここからルべリオまでは普通の道で行けば一月だが、なるべく速くいきたい。」
「先を急ぐ理由があるのか?」
アレイはシェイルの提示した道が2つ有ることに疑問をもち聞く。
「ああ。理由としては我が国は龍脈と魔素から魔力を集め異世界召喚を行おうとしているが、俺が国をでる時にその期限を短縮する為、貧民街より人を集めているのを確認したんだ。」
「それが急ぐ理由になるのか?」
シェイルはそれを聞き、少し間を開けてから話し出す。
「……知らないのか、まあ幾つか術式を発動するのに足りない魔力を集める手段として人間を集めて、魔力に返還する術式があってな。それを行い召喚期限を抑え魔王の復活前に出来うるだけ勇者の強化を行うと言われている。正直、胸くそ悪い話で、我が国はそれだけ今回の異世界勇者召喚に力を入れている。」
アレイは人間を魔力に返還する術式の存在を聞き、嫌悪感を露にする。
「……すまない。これにより当初の召喚予定が二ヶ月だったが、半月ほど短くなるだろう。通常の移動では時間が少なくなるから今回は龍王谷を突っ切ろうと思う。」
シェイルは一度謝り、そこから最短ルートどの移動を提案する。
アレイがそれに対し思案していると馬車の揺れが止まった。
「なんだ?ロナ!どうした!?」
シェイルが疑問に思い声をあげる、返答がなく不思議に思っていると突如馬車が燃えだした。慌ててアレイ達が外にでると森の中で目の前にはロナと見知らぬ男、更に回りには沢山の人間が武器を構えていた。




