能力創造者と人族最強③
アレイから放たれた凶悪な威力を持つ魔術は、真っ直ぐヴェルのもとに飛んでいく。
まったく、まさか魔祓いの一矢を術翅を使用し無理やり使うなんてね……
ヴェルは身に迫ってくる魔術を見ながら嘆息する。流石に少し真面目にやるかと思い、武器を構える
「魔術構築も甘いし、発動も遅い。本来の威力をまだ発揮できてはいないね」
ヴェルは、極大の魔術を放った後に起こりやすい、魔力枯渇状態に陥っているアレイを見ながら言い。目前まで迫った魔術に対し二刀の剣を視認できるかできないかの早さで切り払う。
すると、アレイの放った魔術は切り裂かれた。
「はあ!?」
アレイは回避するわけでも、防御するわけでもなく。ただ剣を振り払う事で魔術を無効化したヴェルを見て声をあげる。
「なぜ消えたのかってのは簡単な事だよ、魔術もこの世界の現象の一つだからね。特性上どうしても術式構築に甘い所が発生する。それはでもスキルのレベル上昇と共に消せるんだけどね?
一つ教えようか。魔術に関してはレベル1000を越えなければ魔力を通した武器で無効化可能だよ。」
「スキルとは技や術を表す、レベルはそれらの熟練度で、ステータスとはその二つを見る事ができるモノになる。そしてステータスに表記されないものは技能として現れ、個々を表すものになる
」
「僕の今使った魔式破壊なんかもステータスに表記されないしね。それに……ステータスはあくまで目安で絶対ではない。
良い例えとしては人族最強を冠する人間の内一人はステータスでは弱い、技能のみで最強を名乗っている。」
ヴェルはそれだけ言うと武器を鞘に納め、言葉を続ける。
「だからさ、いくら反則的なスキルがあるからと言って油断と慢心はしないでね、僕らの様な人間から見なくても、Sランク程度の実力を持つ生物ならなんとかできるからさ。」
「そんなに馬鹿げてるのか…正直、このスキル凄いと思ってたんだけどな…」
「いやスキルは確かに凄いよ、ただ使わないと効果が無いからただしく使ってねってこと。」
そう言うとヴェルは役割を終えたかの様に息を吐くと、普通に笑いながら言った。
「んじゃーまあせっかくだし一杯やろーか。」
「ロアの試験は?」
「ん?あー実力同じくらいでしょ?Aランクで良いよー」
アレイが思った事を聞くとヴェルは軽く言った。
「てかもー疲れた。仕事したくない。」
続けてヴェルが本音を暴露すると、アレイは失笑し、訓練所を出てロアと合流し受け付けにて認証書をもらうと冒険者協会の隣にある宿屋に入っていった。




