第五話 まさかの遭遇
突然だが、次の街へ行こうと思う。
…うん、本当に突然だ。でもここはあらかた終わったのだ。
クエスト、いわゆる依頼とやらを受けられるのだが、この街ではその量が少ない。そして特に変わったクエストもない。
例えば…昼に出る角の生えた兎「ホーンラビット」の角の収集や、薬草集めなど、さすが王道と言うべきクエストが揃っていた。中々楽しかったが、やはり先に進んで色んな依頼をしたいというものだ。
きっとあちらにはスキルが手に入る依頼とかあるに違いない。どうやらギルドなども作れるらしいが…しばらくはスルーだ。
そして一番の問題は…鍛冶が出来ない事だ。道具はあっても鍛冶場がなく、材料の金属もまともに売っていない。
というわけで、現在草原は昼。特に障害もなく到着出来るだろう。
「ヒヒィィィン!!」
「……………」
ゴールデンホース L15
……そう思っていた時期が私にもありました。
目の前には巨大な金色の馬がいる。
…馬って、金の馬って、すごくシュール。
恐らくこの始まりの草原のボスだろう。徘徊型と聞いたことがある。
「ヒヒィィィン!!」
「………!」
そう考えていると、すごい勢いで突撃してきた。うわ、速い!
咄嗟に横に飛んで回避する。
…風圧だけでHPが削られた。これはやばい。
「………ハイスラッシュ……!?」
硬直を狙って剣を構えて突撃し、攻撃を叩き込む…が、こいつすごい硬い!?
渾身の一撃は切り傷を少し付けるだけに終わった…あ、負けるかも。
「ヒヒィィン!!」
「………わ」
蹴りをお見舞いして来る。これは予想できていたので回避。
…出来るだけやってみよっか。
「………おいで、遊んであげる」
「ヒヒィィィィン!!!」
そう言い、突撃してくる金馬を前に気合を入れなおした。
私、無事に倒したら次の街に行くんだ…
フラグが立ったー!