二十八話 開戦
大規模戦当日、私たち称号者6人は再び祭壇の場所に転送された。
「ここで待機という事かしら?」
「だろうな、普通に参加するわけにはいかねぇし」
しばらく待っていると、女神が姿を現した。
『よく来てくれました、皆さん』
「………ここで待機?」
『えぇ、召喚されるか戦闘が終了するまではここから出られない事になっています、戦場の様子は見られるのでご安心ください』
良かった、これで召喚された時に何すればいいか分からず路頭に迷う心配がなくなった。
『ご覧ください…時期に戦いが始まります』
女神がそう言って手を横に振ると、たくさんの画面が現れ、戦場の様子が映し出された。
北・北東・北西の3方向に城門があり、その門を破壊されて敵の侵攻を許したら敗北らしい。門の前には多くのプレイヤーが並んでおり、緊張感が漂っている。
よく見ると、城壁の上に魔法使いなどの遠距離攻撃可能なプレイヤーも並んでいる。
そして、その正面から…数えるのが馬鹿らしくなるほどの大量の魔物が近づいてきているのが見えた。
それを見た指揮官と思われるプレイヤーが大声で叫ぶ。
「加護発動【防御結界】!!戦闘開始だ、門に近づけるな!!」
「「「「オオオオォォォォ!!!!」」」」
「ほほう、まずは手堅くか」
防御結界は、確か全プレイヤーの守備力を上げる加護だ。最初は数が減るのを防ぐのが先決と考えたようだ。
「おぉー、ポイントが結構増えて行くねー…あ、義勇兵団が呼ばれた」
「僕たちの出番は来るのでしょうかね」
そこは状況次第だろう。どうやらまだ最初は敵も下っ端ばかりのようだが、後から強い敵もわんさか出る事だろう。
とはいえ、ここは暇だ。暇つぶしに他のプレイヤーの様子を見る事にしよう…
「「「「筋肉ワッショイ!!」」」」
「ヒャッハー遅いぜぇ!!もっと速く動かねぇと轢いちまうぞぉ!!」
「皆、しゃもじは持ったな!!行くぞぉ!!」
「総員、私を守りなさい」
「「「了解しました、お嬢様」」」
「キャハハ、ほらほらもっとおいでよぉ!!全部撃ち抜いてあげる♪」
「いつもより多く回っておりまぁ~す!!」
「あぁ、全ての生物に癒しを…」
「……………」
何というか…このゲームの住人は変人が多いようだ。さっきから濃い人たちがたくさん見える。
「………お兄ちゃん、私疲れてるのかな」
「案ずるな、俺も変な集団が見える」
良かった、幻覚を見ているわけではないようだ。それにしても…
「ワシらよりキャラが立っとるのが多いのう」
「きぃぃ~、悔しいぃ~!!」
「だからあなたは一体何と戦ってるのよ…」
この称号者の面子見た時ですら変人集団だと思ったのに、どうやらそれを越えた変人達が存在しているらしい。アクト達が可愛く見える…何だか怖くなってきた。
「やはり最初だからか、こっちが押してるね」
まだゴブリンやスケルトンといった、あまり強くない個体が多いためか、優勢だ。だがこれからが本番…さてどうなるか。
ネトゲでは変人ほど強い法則がありましてね…(ぇ




