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第二十三話 ●営じゃ!●営の仕業じゃ!

謎の武器マスター・イエッヌ

見た目は武者鎧を来た大柄な男で、背中には大量の武器を背負い、両手に大きな斧を一本ずつ持っている。

イエッヌの所を逆に読んではいけない、絶対に。

「グガガガガ!!」

「………!?」


ふと気づくと…周りの武器のいつ部が浮いて、こちらを向いていた。

ちょ、これ冗談じゃないよ!?


「クラエェイ!!」


全てがこちらに飛んでくる。やっぱ来るか、オールレンジ攻撃!?

だけど…


「………下策」

「ナニィ!?」


当たらないと感じた場所を走り抜け、ノーガードだった相手に斬りつける。ふはは、私にオールレンジ攻撃など効かな…


バキィィィン


「………えっ」

「エッ」


…斬った瞬間、私の剣が叩き折れていた。


「………あ、修理忘れてた」

「……ドジッ子」

「………う、うるさい」


装備には耐久値が存在する。素材を加えて鍛冶で修理可能なのだが…前のイベントの激戦以来、その修理を忘れていた。あ、やばい。


「…グガガ、チャンス!!」

「………うわっ」


突然攻撃してくる。まぁそうだよね、こっちは無防備なんだし…例によって気づいていた私はとっさに避けて距離を取る。


「イマダ、ヤレェイ!!」

「………まずい」


離れたら周りの武器が飛んでくる。正直まずい…あ、そうだ。周りの武器を拾えば…

そう思って近くの片手剣を拾う。


「…これでっ…あ」


初心者のショートソード…初期武器だこれ…


バキィィィン


飛んできた無茶苦茶大きい斧の動きを逸らしたら、簡単に折れてしまった。

…いや、あの斧何!?少なくともまだ入手できないだろう大きさと威圧感だったんだけど!?


「グガガ、コレデシマイカ?小娘ェ!」

「………ま、まだ…あ」


そうだ、こんな時のための第六感じゃないか。何となく良さげなのを拾えば、きっと強い武器を拾えるはずだ。

第六感を研ぎ澄ます…あれだ!


「………これで…………ひゃぁっ!?」


良いと思った剣を二つ拾う…そうしようとして、想像以上にもほどがある重量に引っ張られてこける。同時に飛んできた武器も頭上を通りすぎて行ったが。


…いや、何で二つ拾ったよ私。そして何だろう、私に変な声出させた忌々しい武器は…



超重剣グランディア 攻撃力??



手に握っていたのは、相当な威圧感を醸し出す無骨な大剣が二本…


「………何これ、うわっ」


飛んできた槍をしゃがんでかわす。何だこの巨大な大剣は…2mはくだらない、身の丈なんて容易く超えたバカでかい剣だ。名前もすごく重そうだし、片手に一本ずつ…そりゃ持ち上げられないのも無理はない。


「…アレ、ナンデアレガ二本モ?…フフ、ダガコレデマトモニ戦エマイ!」


あちらも戸惑っている声が聞こえた気がするが…というか言語がAIを越えている気がする。中の人がいるんじゃなかろうか?

いや、今はどうでも良い。ひとまずここは手放して…


「イマダ!シネェイ!!」

「………あ、やば」


ふと気が付くと、周りを武器が囲んでいた。射線予測…逃げられない!?

ああもう、どうにでもなれ!!


「………はぁぁぁ…!!!」


せめての抵抗にと、体をひねり、両手に握った巨剣を無理矢理振るって横に一回転する。


ズドォォォォォン!!!!!


「………えっ」

「エッ」


すごい音が鳴ったと思ったら、とんでもない風圧で周りの武器がすべて吹き飛んだ。

…あれ、意外といける?


「………こっちの番」

「チィッ!!」


剣を無理矢理引っ張りながら走り寄る。一度空中に浮いてしまえば、あとは流れについてくる…いける!


「キカヌッ!」

「………せいっ」


相手が両手の斧を構えて守りに入る…が、そこに武器は振るわず、踏み台にして飛び上がる。あ、今さりげなく夢だった「俺を踏み台にした!?」が出来た気がする。


「ナ、ドコニ…上!?」


どうやら私の体の小ささと身軽さに惑わされ、一瞬見失ったようだ。気に食わないが好機!

空中で縦に一回転して勢いづけ、二本を同時に振り下ろす。


「………玉砕」

「グヌワァ!?」


見事クリティカルヒット。相手は剣の重圧に押しつぶされ、ダメ押しに蹴ると後ろに弾き飛んだ。

追撃をする前に、迫って来る周りの武器を、また横に一回転してすべて吹き飛ばす。


「………【双巨剣】…良いかもしれない」

「グゥゥ!?」


また近づくと、今度はカウンターに武器を振るってきた。そう来ることはお見通し、そしてこっちには走る勢いを乗せた巨剣がある。


「………これで…!」

「ナンデストォ!?」


剣を相手の武器に当て、腕を弾く。相手の武器がどれくらい強いかは知らないが、こんなに泣きたいくらい重い剣だ、押し負けるなんてことは無かった。


「………がら空き」


そして現状は、相手は腕を弾かれてがら空きな胴体を見せているわけで…私は腕をクロスさせている状態だ。剣に勢いを持っていかれてはいるが、私だって伊達にSTRを上げているわけじゃない。

脚は震脚を放ち、しっかり大地を踏みしめる。踏み込みが足りないなんて言わせない。

ここから腕に全力を込めて、無理矢理横に振りぬく。


「………砕け散れ…!」

「ギャァァァ!?!?」


またしてもクリティカルヒット、再び後ろに吹っ飛ぶ。さっきといい、すごい手ごたえがあった。私のレベルではまだ攻撃力すら分からない武器だ、もしかしたらレジェント級の武器かもしれない。


そして、何となく相手が良き絶え絶えだと感じる。


「………これで」

「エ?チョ、マッ…」


外側に振りぬいた腕に再び力を込め、しっかり勢いづけ…相手に二本の巨剣を投げる。


「………とどめ」

「キ、鬼畜ロrギャアアアアアア!?!?」


…何か言いかけた気がしたが、言い切る前に巨剣に潰されたようだ。周りでこっちを向いていた武器達がガラガラと落ちて行く。



YOU WIN!!



「………あ、勝った」


どうやら勝ったようだ…一体これは何だったんだろう…


「………ドロップは…これだけ?」


ドロップを見ると…そこには「超重剣グランディア×2」と表示されていた。さっきから使っていた剣だ。

…あれ、経験値もなし?


「……………」


…本当に何だったんだろう。思い切り中の人居たし、イエッヌって後ろから読んだら…いや、これ以上はやめておこう。とにかく今は…


「………疲れた」


主に腕が。









SIDE???


「なに、負けたのか?」

「はい、想定外な事が起きまくりまして…」


特殊なフラッシュダイブから出た俺は主任にそう伝え、先ほどの戦闘映像を見せる。


「…ほうほう、【双巨剣】か」

「まさか小柄な少女キャラが、あんな大きさの剣を2本も使ってくるなんて考えていませんでしたよ…あの動きもシステム外スキルと言っても過言ではありません」


あの少女キャラを使っていた人物は、STR要求の圧倒的に足りない武器を無理矢理使い、なおかつ使いこなしていたのだ。想定外にも程がある。


「一応検査をしたが、チートの類は見つからなかった…にしても双巨剣か、ククク…」

「…あの、主任?」


今回のは検査という名目で、完全に主任のお遊びで作られたイベントだ。これでも滅茶苦茶偉い人なのだが…どうしても敬う事が出来ない。

そんなはた迷惑な人物が、ニヤリと笑って部屋にいる全員に言った。


「…面白い!!私の中二心がくすぐられる様だ!!全員聞け!!今からユニークスキル【双巨剣】の作成に入る!!タイムリミットはこのプレイヤーが次にログインするまでだ!!さぁ、手が空いてる奴も空いてない奴も作業に入れ!!!」


…どうやら今日も我々は残業確定なようだ。

謎の武器マスター・イエッヌ…一体何営なんだ…(棒


というわけで、主人公のサブ武器「双巨剣」を追加しました。何だかメイン食うくらい濃いけども。

…いや、これどうやって手に入れさせるか考え付かなかったんです。どうしようもなかったんです!でも反省はしていない!(後悔はしている)

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