第二十話 海だー!(タイトルで叫びました)
海だぁぁぁぁ!!!
前書きでも叫びました、本編で叫び損ねたけど良いよね?何でもしますから!(ん?)
「おー、すげぇ…」
「綺麗…」
何やかんやで水着を入手し海に飛び込んた私たちを待っていたのは、現実世界と見紛うほど鮮麗に再現された、幻想的な海だった。
色とりどりのサンゴが並び、熱帯を思わせる綺麗な魚がそこらじゅうを泳いでいる。視界を遮るほどの多さではなく、ちょうど良い数だ。そして、空から照り付ける日光が綺麗なカーテンを思わせる光景を創り出している。
…いや、運営さん頑張り過ぎじゃないだろうか?ここまで力が入った光景を見てると、スタッフの体力が心配になって来る。
ちなみに水中で会話出来るのも、水着の効果らしい。ビバ、水着。
「あ、あれ見てください!」
突然ハルカちゃんが慌てた声で指を指した。そこには、この場所には少し不釣り合いな鋭い牙を持った大きな魚が、他の小魚を食べていた。
シャークフィッシュ L10
「あれ、エネミー」
「ど、どうしましょう?」
どうやらこのステージにもエネミーはいるようだ。ここは決まっている。
「………叩きのめす」
「おうよ、こんな綺麗な光景を崩すなんてさせるかよ!」
今回は珍しくアクトと意見が合ったようだ。実は前のPVP以外で最大数6人PTするのは初めてだが、なんとか頑張ろう。
「だ、だいぶ倒しましたね」
「あぁ、この辺りは大分減ってきたな」
何十体倒しただろうか、近くにいるエネミーは減ってきていた。海のマップは広いらしく、この辺りが減ったところで他のプレイヤーが戦いそびれたりはしていない。
にしても、水中の戦闘と言うのは結構難しい。すばやく動きにくく、戦いずらいのだ。何より…
「…私の炎魔法が使えないなんて、予想ついてたのだけども」
「少しつらい」
PT随一の火力であるシャロさんの炎魔法が水中では使えないのだ。いや、予想は出来ていた事だが、やっぱりきついのはきつい。現状シャロさんは戦闘補助に甘んじている。
「こうなると、ますますシャロの心強さが分かるよなぁ」
「そ、そうだね、シャロちゃんやっぱりすごいよ」
「ふん、褒めても何も出ませんわよ」
ちょっと顔が赤くなってるのが見える。あら可愛い。
あと、少し気になっている事が…
「………ハルカちゃん、どうしたの」
「いえ、何だか先ほどから嫌な予感が…」
へぇ、この子の第六感も結構鋭いのかもしれない。先ほどから私の第六感が激しく警報を鳴らしているのだ。これは、ゴールデンホースと遭遇した時と似た…
「…!皆、あれ!!」
索敵が得意な御影さんが何かに気付く。あの特徴的な背びれは…
「な、サメ!?」
「………違う」
あれはサメなんて生易しいものじゃない。あの黒い体に特徴的な白い模様。口に並ぶ鋭い歯。そしてかなりの巨体。あれはまさしく…
キングシャチ L30
「…しゃ、シャチ!?」
「じ、冗談じゃねぇ!?」
猛スピードで迫る影は、海のハンターと名高い獰猛な生物、シャチ。その巨大バージョンであった。
やめて!あんなに大きいシャチに食べられたりなんてしたら、仮想空間とは言え幼いハルカちゃんにトラウマが出来ちゃう!
お願い、死なないでアクト!あんたがここで倒れちゃったら、お姉さんや妹との食事の約束はどうなっちゃうの!?ここを耐えれば、シャチに勝てるんだから!
次回「アクト死す」バトルスタンバイ!
…はい、ごめんなさい。




