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第十四話 vs黒銘騎士団長

無双注意

「ハーッハッハッハ!!逃げずに来たようだなアクト君!!」

「あ、当たり前だ!!」


待ち合わせの場所に着くと、既にアクトとその仲間たち、相手の黒い服装の3人は既に到着していた。さりげなくアクトのグループに混ざりこむ。

にしても、あの中央に居る仰々しい動きをした黒い鎧の男は…予想通りと言うか、呆れたというか…


「この勝負に勝った暁には、シャルロッテ嬢は貰って行くぞ!!」

「ふざけないで、誰がアンタらに負けるものですか!!」


金髪の気の強そうな女性が反論する。あれがシャルロッテさんだろう…想像通りの人物だ。

にしても…周りの人たちが期待を裏切らない。さきほどのシャルロッテさんに、忍者みたいな恰好をした少女、緑の髪で終始オドオドしているメガネっ娘、うさ耳で大きな弓を背負った少女…属性てんこ盛りだ。


「俺達が勝ったらシャロは諦めてもらう上に命令権一つだ、いいな!」

「いいだろう、その条件、飲もう!!」


また鎧についているマントをふわさっとたなびかせて答える黒鎧…そして、こちらのメンバーを眺めながら…


「さぁ、お前たちの敗北を飾るメンバー……は………」


…私と目が合う。うん、確信した。こいつは…


「………何やってんの、馬鹿兄」

「わ、我が妹!?どどどどうしてここに!?」

「い、妹ぉ!?」


黒鎧…我が馬鹿兄貴のクロトが滅茶苦茶慌てている。そして私の存在に気付いた後で、これまた発言に戸惑っているアクト。さりげなく両隣のクロトの仲間も驚いている。


「…お、おい、我が妹よ。まさかとは思うが、お前…」


相当震えた声で聞いてくるから、答える。


「………こっちの助っ人。覚悟して、お兄ちゃん」







「は、はははは!!ああ相手にとって不足無し!!ままま負けんぞ!!」

「………震えてるよ」

「む、武者震いだ!!」


現在、PVP用のエリアに移動して対峙している。

はっきり言って、兄は強い。「私以外には」負けないだろう。


「な、なぁハクア…」

「………5人でクロト以外の二人を倒して、こいつは私がやる」

「わ、わかった!頼むぜ!」


アクトや他の人たちが心配そうにしながら武器を構える。

まぁ大丈夫、たぶん問題ない。

そして…カウントダウンが始まる。


【ファイブ、フォー、スリー、トゥー、ワン…PVP START!!】

「いくぞ我が妹よ、兄に勝る妹などいないのだぁぁぁぁ!!!!」


カウントダウン直後に、クロトがこっちに突っ込んでくる。鎧来てるとは思えない速度だ。

剣をこっちに縦に振るってくるが…半身で躱す。


「むむむ…!」

「………むむむじゃない」


その隙に一撃を叩き込むが、もう片手に持っていた盾で防がれる。

そのまま押し出し死角から剣を振り上げて来るので、後ろに大きく飛び一回転して姿勢を整える。


「ちぃ、さすがだな、我が妹よ」


あわよくば今の攻撃で…と思ったのだろう。あの速度で死角から攻撃が来れば、確かに普通じゃ避けられない。でも私には効かない。


「………さて、お兄ちゃん」


第六感を含めた、全ての感覚を研ぎ澄ます。あの兄が相手だ、本気で行く。

これは私の持っている手札、出来る人は極僅かであろう行為。


「………今度は、私の番」


本能と理性の共存…力押しも頭脳戦も効かない対策不能の戦闘だ。






視点変更 クロト


「………今度は、私の番」


さて、絶望の宣告を聞いた俺の脳内は\(^o^)/状態だ。

我が妹の白亜…ここではハクアだったか、あの子はめんどくさがりだ。あまり頭も体も動かそうとせず、普段は本能で動いているようなものだ。

だが、非常に高スペックというかピーキーだ。生まれつき体力が極端に低く、本能で動いているのも体力の温存のためだったりする。にもかかわらず、ひとたび動けばオリンピック選手が目を剥き天才ハッカーが白旗を上げる超性能を発揮する。無論長くは続かないが。


そして一番恐ろしいのが…異常とも言える第六感だ。戦闘では主に圧倒的なまでの空間認識能力として現れる。先ほどのように死角からの攻撃なんて当たれば奇跡だ。何か仕掛けを仕組んでも、簡単に看破される。あの子には隠蔽が機能しないのだ。


まぁつまり、あの子が本気になると、ほぼ最強のスペックと最高の第六感を同時に相手する事になるわけで…一言で言えば「手詰まり」状態である。唯一の方法と言えば、長期戦に持ち込んで体力切れを狙う事なのだが…


「………行くよ」


そんな事考えていると、剣を構えて突撃してきた。どう来る…突きか、袈裟斬りか…


「………そぉい」

「な!?【シールドバッシュ】!!」


なんと…投げてきた。武器手放すって…盾の攻撃技ではじき返す。いや、これはチャンス…じゃない!


「ぬわぁ!?」

「………ちっ」


一瞬気を取られた間に速度を上げて間合いを詰め、蹴りを放った。咄嗟に反応し、盾で防ぐ。

変則からの奇襲…少しでも油断して剣を奪おうとかしてたらまともに喰らってた。って言ってる場合じゃない!


「くそ、そらぁ【スティンガー】!!」

「………せい」


ハクアが剣を取る隙を狙って突きのスキル「スティンガー」を放つ…が


「………分かってた」

「なっ…」


地面を蹴り、超速で放ったはずの剣の上に乗られた。なんじゃそりゃ。


「………ハイスラッシュ」

「ぐふっ!?」


盾で防ごうとするも間に合わず、まともに喰らう。結構痛い、


「………【ミドルキック】」

「あべしっ!?」


そのまま顔に強烈なミドルキックを食らい、後ろに吹っ飛ぶ。

…あ、やばい。畳みかけられる。


「………ソニックブレイド」


やはり吹っ飛んだ先に飛ぶ斬撃を放たれる。


「…そう簡単に負けるかよ!」


無理矢理盾を持ってきて、防ぐ。…が


「………がら空き」


無茶苦茶な速度で間合いを詰めたハクアが、盾を持っていた左側、盾は正面に向けたので現在がら空きな方に現れる。

何だあの速度…地面に蹴りのスキルでも放ったのだろうか。その勢いで詰めるとなると、相当な技術が必要だが…もう何も言うまい。


「………スティンガー」


そして、鎧の隙間にちょうど突き技を放ってくる。HPが目に見えて削れたのが分かる。

そして、何とか盾を向けて牽制に剣を振るおうとした時…視界から消えた。


「………【脚払い】【震脚】」


どうやら姿勢を大きく下げたからのようだ。一瞬のうちに脚払いを受け、倒れた顔面に強烈な踏み込みが叩き込まれる。あのタイミングで脚払いとか絶妙すぎる。と言うかハクア、震脚は攻撃技じゃねぇ!えげつねぇよ!!

既にHPは瀕死だ…ええい、せめて一矢報いないと気が済まない!


「ぐっ…ウオオオオオォォォォォォォ!!!!!!!」


巨大な声で至近距離の相手を怯ませると同時に自分の攻撃力を上げるスキル。この隙に一発叩き込む…!


「………うるさい、ハイスラッシュ」


…そうでした、本気のこの子にはこんな行動もお見通しになるんでした。

恐らく予想通りで驚きもせず、耳をやられても問題もなかったからであろうか…何の障害もなく弱点、首にハイスラッシュを叩き込まれた。

HPが0になったのが見えた…あぁ、またダメだったよ…



こうして、兄妹の戦いは…クロトの仲間の一人とアクトが数度武器を交えた程度の極僅かな時間で終わりを告げたのであった。


こう見えてお兄ちゃんも大概チートです。最初の攻撃は選定、半端な人なら沈みます。

わりと策略家なので、妹との相性は最悪だったり…


セリフは実際こんな速度でスキル名喋ってたらシュールなので、脳内補正でお願いします(白目)

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