第十一話 初めてのお友達
結構早くフレンドが出来たよやったね!
「ほんとに助かった!ありがとう!」
「………うん」
現在、先ほど助けたプレイヤーに頭を下げられている。身長は170代ほどであろうか…見た目は高校生っぽい。まぁ体格も変えられるこの世界では見た目では分からないのだけども。雰囲気が何だか主人公っぽい青年だ。
「えぇっと…俺はアクト!君は?」
「………ハクア」
自己紹介をする。自分で言うのもなんだが、私は不愛想だ。嫌に思われるか不安だったが…作り笑いではない笑顔をしている相手を見るに、大丈夫のようだ。
「助けてもらったお礼をしたいんだけど…うーん、どうすれば…」
「………別にいい」
あちらはお礼がしたいようだが、こちらも経験値やドロップが入ったしメリットが無かったわけではない。別に必要ないのだが…そういう性格なのか、納得いかない顔をしている。
…本当に物語の主人公のような人物だ。既にハーレムとか作ってそうな気がする。
「…あ、そうだ!代わりに、ハクアを手伝うぜ!ソロみたいだけど、やっぱり仲間がいた方が心強いだろ?」
…ふむ、確かにさっきはヘイトを集めてくれていたおかげで、存分に攻撃に集中出来た。自分からパーティーに誘うなんて出来ないだろう私には魅力的な提案かもしれない。
「………ん、それで良い」
「よし、今からも手伝うぜ!さっきの助太刀のおかげで回復アイテムはまだ残ってるしな!」
そう言い、パーティー招待とフレンド申請を送ってきた。
これって何気に…
「………フレンドに、他の人とパーティー組むの、両方初めて」
「え、マジか!?」
…そんなに驚かなくても良いだろうに。そう思いながらジト目でにらむと、アクトはアハハと苦笑いしながら目をそらした。
「…と、とにかく!分からないことがあれば何でも聞いてくれ。簡単になら答えられるぜ。」
「………ん、ありがと」
こうして、初めてのフレンド兼パーティー戦の講師が出来たのであった。
「よろしくな、ハクア!」
「………ん、よろしく」
…待てよ。アクトが予想通りの主人公体質なら、自分もハーレムメンバーに加えられるんじゃ…考えすぎか。
初フレンドの代償…それは貞操の危機(嘘)




